情報通信ネットワークのモデル化と性能評価

インターネットに代表されるような情報通信ネットワークの運用・管理・構築のために必要な要素技術は様々です．そのような技術的課題を「モデル化と性能評価」の観点から研究し，数理工学的なアプローチ，あるいはシステム工学の手法を用いて高品質で快適なネットワークづくりに貢献しようとしています．

待ち行列理論（通信トラヒック理論）

オペレーションズ・リサーチにおける待ち行列理論（Queueing Theory）を軸足として，マルコフ過程や拡散近似など，確率過程を応用した確率モデルを研究しています．20世紀初頭にその端を発しているという「待ち行列理論」は，もともと電話交換機の設計と性能解析のために考案されたため「通信トラヒック理論」ともよばれています．一世紀を経た現在では応用確率論の一部として位置づけられ成熟した感がありますが，未だ奥の深い研究領域でもあります．

研究スタイル

当研究室では，システムの処理能力や性能を評価するための手法として，計算機を使ったシミュレーションによる解析手法と，数理モデル（マルコフ過程や待ち行列理論などによる確率モデル）を解析する手法を想定しています．どちらの手法にも一長一短がありますが， 扱う課題の目標に応じて両者を使い分けて，あるいは両方を使って研究を進めています．