研究室紹介

生活全般

情報通信研究室では基本的に一人一人個別の研究テーマを設定し研究に取り組みます.教員の指導の下で研究室のメンバーと議論を交わしながら卒業論文・修士論文に向けて研究を進めていきます.社会人になる準備としても主体的に自律して研究に取り組むことが期待されます. 週に一度,担当教員に進捗状況の報告と今後の方針を確認します.都度ごとに中期的・長期的な目標と研究方針について確認と相談をしながら研究を進めていきます.研究生活は研究,報告,指導の繰り返しです. 研究を進める中で疑問が浮かんだり問題に遭遇した場合は,教員だけでなく研究室のメンバーも身近で頼れる存在となります. 定期的に行う研究発表ゼミにて研究室のメンバーに自身の研究を紹介することで,教員とメンバーからアドバイスをもらうとともに発表の技術を学びます. 

研究を進めて有益な知見が得られたときは,学外で発表することでその成果を広く公表します.主な研究発表の場は,コンピュータセキュリティシンポジウム(CSS),情報理論とその応用シンポジウム(SITA),暗号と情報セキュリティシンポジウム(SCIS),情報科学技術フォーラム(FIT)や 電子情報通信学会(IEICE)の総合大会,情報処理学会(IPSJ)の全国大会,IEICEの各研究会(IT, ISEC, ICSS, LOISなど)です. 修士以上の学生は当該分野の専門家による査読がある国際会議や学術論文誌(IEEE, ACM, IACR)へ投稿します.

研究環境

研究室に配属された学生はデスク1台とデスクトップPC1台が割り当てられます.情報通信研究室の研究の基本は論文を読み,プログラムを書いて実験を行うことの繰り返しですので,PCが1台あればどこでも研究ができます. 提案システムを実現する小規模ネットワークを構築したりマルウェアにあえて感染させたりする目的で,さらに複数台のPCを使用することもあります.また提案システムの実装には外部ネットワークに設置したサーバを使用することもあります.機械学習モデルの構築,大規模なシミュレーション,暗号の解読などマシンパワーが求められる実験のために高速計算サーバを設置しています.これらのサーバの多くはハイエンドなGPUを搭載しており,GPGPUによる大規模なシミュレーションや実験が可能です.各部屋にはディスカッションをするために十分な広さのスペースが用意されています.また多くの参考文献を常備しており,図書館まで行かずともプログラム言語などの基礎的な事柄はすぐに調べることができます.

様々な共同研究

情報通信研究室は豊富な人脈を活かし,他大学,官公庁,国立研究所,民間企業など様々な機関と共同研究を行っています.

卒業・修了後の進路

神戸大学工学部電気電子工学科の4年生の多くは卒業後,同大学院へ進学して研究を続け博士課程前期課程(修士)を修了します.情報通信研究室では博士課程後期課程(博士)へ進学する学生も多く,最先端を行く技術者および研究者を輩出しています.

引く手あまたな電気電子工学の技術者の中でも,情報通信が専門の技術者への需要は年々高まっています.そのため情報通信研究室の学生は様々な業界で活躍しています. 例年の主な就職先はIT企業,電機メーカーを中心に情報サービス産業や製造業が中心となっています.

近年の就職先は,日本電信電話(NTT),KDDI,NTTドコモ,ケイ・オプティコム,読売テレビ放送,Amazon,ヤフー,Oracle,野村総合研究所,PwC,デロイトトーマツサイバー,NRIセキュア,キヤノンITソリューションズ,日立製作所,三菱電機,東芝,ソニー, パナソニック,富士通,日本電気(NEC),トヨタ自動車,デンソー,日産自動車,マツダ,小松製作所,サントリー,オリンパス,キーエンス,関西電力,西日本旅客鉄道(JR西日本)などです.

研究機関への就職は国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT),国立研究開発法人産業技術総合研究所(AIST),日本電信電話(NTT),KDDI,日立製作所,ソニー,パナソニック,大学教員などです.

卒研生(4年生)の1年間

研究室に配属された4年生は1年で研究の基礎としてプログラミング技術,課題を細分化し解決方法を考える能力,適切な文献調査を行う能力,自己管理能力,分かりやすい報告をする能力などを身に付けます.そのために配属されてから小研究という形で研究テーマを与えられ研究に取り組みます.それと並行して毎週開講する基礎ゼミにて,情報通信研究室での研究生活で必要となる知識を身につけるとともに人の前で発表する技術を養います.

配属から間もなくは大学院生である上級生がメンターとなり研究の相談にあたります.この形式により,4年生は上級生から研究のやり方を学び,上級生はアドバイスを通して自身の知識・技術の幅を広げることを期待しています.

4年生は6月に中間発表を行い進捗状況を研究室全体に向けて報告します.そして小研究の締めくくりとして7月に最終発表を行います.小研究が終わり次第,院試勉強に移ります.研究室に蓄積された過去問とノートを利用して集中して取り組みます.無事合格したら次は卒業研究です.研究テーマは小研究から変更となる場合もあります.この時期は多くの研究会やシンポジウムなどがあり,すでに研究成果が得られている場合は4年生でも学会発表を行います.年末に中間報告を行い2月の卒業論文提出と発表を終えると大学院生活はすぐそこです. 

Coffee Break

研究に疲れたときは休憩室でコーヒーを淹れてほっと一息をつくことができます.自身で豆を挽いてコーヒーを淹れることができ,コーヒー好きにはたまらない環境が整っています.情報通信研究室ではおいしいコーヒーを淹れるためにコーヒー豆にこだわっています.ある卸業者のコネを通じて神戸市内の喫茶店に卸しているコーヒー豆を格安で購入しています.このコーヒー豆で淹れたコーヒーは香り高く深いコクがあり,その他の豆で淹れたコーヒーは飲めなくなるでしょう. コーヒー豆は挽くときに最も香りが立ちます. 

3階の廊下からコーヒーの香りが漂ってきたときはきっと情報通信研究室からでしょう.

コーヒー豆を挽いて粉末状にした後は,ペーパードリップ方式でコーヒーを抽出します.Kalita式,Melta式,Hario式など好みに合わせて使い分けます.ここでお湯の温度に気をつけなければいけません. 熱湯は禁物です. 90度のお湯を注いでからおよそ1分間蒸らします. 蒸らすことで全体から均一にコーヒーの成分を抽出することができます.

新鮮なコーヒー豆であれば,蒸らしている間に挽いたコーヒー豆がふんわりと膨らんでくるはずです.細口ポットでお湯をゆっくりと注いでいきましょう.雑味が落ちてこないように抽出を途中で切り上げたらおいしいコーヒーの完成です.冷めたり酸化したりしないうちにいただきましょう. 初めは砂糖やミルクがないとコーヒーを飲めなかった学生も卒業するころにはコーヒーをブラックで嗜むようになるでしょう.