中部大学 創発学術院 院長補佐、学術推進機構URA組織 准教授(URA)、
中部大学SPRING 事業統括補佐
【経歴】
博士(文学)(京都大学)。専門は比較認知科学。学位取得後、民間企業、在宅翻訳業、京都大学研究員の職を経て、2016年に中部大学に着任。2019年には中部大学で初となるURA(リサーチ・アドミニストレーター)に任命され、全学的な研究マネジメントに携わっている。
2022年より認定URA(リサーチ・アドミニストレータースキル機構)に認定
URA(University Research Administrator)は、大学や研究機関における研究活動を支援し、組織全体の機能強化に貢献する専門人材です。
一般的に、URAの主な業務は以下のように分類されています。
(出典:RA協議会Website https://www.rman.jp/ura/business-content.html)
1. 研究戦略推進支援業務 : 研究戦略の企画・立案の支援
政策動向の調査・分析
研究力の調査・分析
研究戦略の策定
2. プレアワード業務 : 研究プロジェクト開始を支援
プロジェクト企画立案
研究チームの編成
関係者等との折衝・調整や契約業務
外部資金の獲得 など
3. ポストアワード業務 : 研究プロジェクト実施を支援
進捗管理・予算管理
評価対応
研究成果の発信支援
報告書の作成 など
4. 関連専門業務 : 研究を多面的に支援
産学連携、国際連携
研究倫理・コンプライアンス
研究資料・試料・データの管理支援業務
シンポジウム等の企画運営
研究広報、安全管理 など
ただし、すべてのURAがこれらの業務すべてを担うわけではなく、各大学や研究機関の状況やURAの特性に応じて業務が割り振られています。
例えば、多数のURAを擁する大学では、高い専門性に応じて担当が分かれています(スペシャリスト型)。一方、中部大学のような中小規模の大学では、少数のURAが多岐にわたる業務を担当しているケースも多く見受けられます(ジェネラリスト型)。
本務として中部大学創発学術院という研究所に所属し、同時にURA組織にも兼務しています。
主な業務としては、創発学術院の管理運営・企画調整、中部大学SPRING(博士後期課程学生を対象とした支援プログラム)の運営、他機関連携の推進、中高生へのアウトリーチ活動などを担当しています。しかし、担当業務にとらわれることなく、研究推進に関連する業務が発生した際には、柔軟かつ積極的に取り組むことを心がけています。
以前は比較認知科学を専門として、心理学の視点からヒト以外の霊長類を研究していました。その専門知識やスキルが、現在の仕事に直接的に役立つわけではありませんが、そこで身に着けた「自ら課題を設定し、解決する力」は業務を推進するうえで大いに役立っていると感じます。また、研究そのものや研究者のマインドセットへの解像度が高いことや、研究者ネットワークに知り合いの先生方がいることも、現在の仕事を円滑に進めるうえで利点になっています。
URAは日本ではまだ歴史も浅く、発展途上の職種です。各大学や個人によって、働き方や職制、職務内容は様々に異なりますが、どの場合も研究そのものに深く関わりながら、研究者を支える「縁の下の力持ち」として、大学全体の発展に貢献しうる点が大きな魅力です。
現在、URAを含む研究支援人材の確保や育成に対する機運がますます高まっています。博士人材にとって、URAは注目すべきキャリアパスのひとつだと思います。興味がある方はいつでもご相談ください。
【参考情報】URAを始めとする研究支援人材の求人情報が掲載されています