みやぎ高校演劇
第42号
令和7年2月21日発行
宮城県高等学校演劇協議会 事務局 宮城県仙台三桜高等学校 022‐248-0158
編集 宮城県仙台第三高等学校 022‐251-1246
第42号
令和7年2月21日発行
宮城県高等学校演劇協議会 事務局 宮城県仙台三桜高等学校 022‐248-0158
編集 宮城県仙台第三高等学校 022‐251-1246
※今年度から「みやぎ高校演劇」は、紙媒体を廃止し、デジタル化することになりました。
「みやぎ高校演劇」第42号の発刊にあたり、高校演劇を愛し支えてくださるすべての皆さまに心より感謝申し上げます。本県の演劇に関わる高校生たちの成果が、こうして形となることを大変うれしく思います。
高校演劇の大きな魅力は、その舞台が若い感性に満ち溢れていることです。高校生という人生の中でも特に多感な時期にいる彼らは、自分自身の心と真剣に向き合いながら、役柄を通じて言葉や動きに感情を込めて表現します。彼らがセリフに命を吹き込むことで、文字に書かれた台本は単なる言葉の羅列ではなく、まるで生きた物語のように観客の目の前で動き出します。
高校生ならではのエネルギーや情熱が、舞台上の世界に鮮やかな生命感を与え、観る人々の心を強く引きつけます。また、まだ十分に成熟しきっていない未熟さが、かえって大胆で純粋な表現を生むことがあります。完璧ではないからこそ、彼らの演技にはリアルで力強い感情が宿り、演じるキャラクターの心情が観客に直接届くのです。その中には、計算された演技や技巧では得られない一瞬の輝きや、観客の心に残る感動的な瞬間が生まれることもあります。
また、彼らが舞台上で人生の一場面を紡ぎ出す過程には、役柄の背景や物語のテーマを深く掘り下げる作業が不可欠です。試行錯誤を重ねる中で、自分自身の感性や考えを役柄に投影し、独自の解釈で役を作り上げていきます。このように、演じる過程そのものが自己を見つめ直す時間となり、彼らは役柄を通じて自分自身をより深く理解する機会を得るのです。若者たちの未完成ゆえの新鮮な感性は、作品にみずみずしい生命力を吹き込み、観客にも新たな視点や感動を与えます。高校演劇の舞台は、若さならではの可能性とエネルギーが存分に発揮される特別な場であり、それこそが多くの人を魅了する理由と言えるでしょう。
宮城県高等学校演劇協議会は、こういった魅力的な高校演劇の場を、これからも守り続けていきたいと考えています。