食品因子の健康増進機能に関する研究

主としてハーブ茶成分の抗炎症・抗アレルギー作用、コリンの栄養学的意義、スフィンゴ脂質の機能性の検証

食品(ハーブ、肉成分、樹木由来成分)の健康増進作用(抗炎症、抗糖尿病、抗癌作用)の解明

ハーブ、特に南アフリカ原産のルイボスとハニーブッシュの抗炎症作用、抗糖尿病作用を培養細胞や動物モデルを用いて明らかにしています。鶏肉・魚肉中のイミダゾールジペプチドや樹木由来の成分の生理作用についても研究しています。

対象とする食品の例:ハーブ(左)と赤マンボウ(右)

コリンの栄養学的意義の検証(コリン摂取基準策定のための基礎研究)

コリンはアセチルコリンや細胞膜リン脂質の材料になる重要な栄養素ですが、我が国では必須栄養素として扱われていません。米国や他の国々では摂取基準が定められ、平均的な摂取量も調査されています。我が国でコリンの摂取基準を策定するためには日本でのエビデンスが必須となります。食品中に複数の化学形態で存在するコリンをどのようにどれだけ食べればよいのかを明らかにするため、食品中のコリン含量の測定、コリンの消化・吸収過程の解明、栄養調査による日本人の摂取量の測定、疾患との関連などを共同研究として進めています。

コリンに関する解説動画:【専門家が解説】脳の健康に必要!?今注目の卵の有効成分「コリン」 ~ぎゅっと!タマゴ~

スフィンゴ脂質の生理作用の解明

卵やミルク由来のスフィンゴ脂質にも健康増進作用があることが期待されています。我々はスフィンゴ脂質の抗炎症、抗糖尿病、抗癌作用を見出し、その作用機構を明らかにしようと試みています。その作用機構には細胞膜への作用や細胞死誘導機構などが関与しており、意外と複雑です。