同窓会長 轟 寛逸(1978年入学)
令和7年12月
2023年度信州大学経法学部卒業生の就職先は、公務員が25.3%、金融・保険業が21.3%と、この2業種で約半分を占めます。これに製造業14.7%、情報通信業13.3%が続く。就職して、ある「業界」や組織に属すると、その風土や文化、思考様式が染みついてしまいがち。同窓会の行事や会議に参加すると、多種多様な「業界」の方々とお会いでき、心地よい刺激を受けて、固定した枠組の中で硬直しがちな思考がもみほぐされるのを感じます。その出会いは、卒業生の就職先割合データが示す特性とはまた違って多様です。
私自身、40年近く長野県行政でキャリアを積みましたが、その後半から退職後の現在に至るまで経法学部同窓会の役員として多くの会員の皆様と交流できたことはとてもラッキーでした。
本年度も各支部の総会で新鮮なトキめきがありました。
10月の東京支部総会では、「これから社会で輝く皆さんへ―信大ネットワークを構築しよう」というテーマの座談会で、この春卒業し、新社会人になられた3人が登壇されました。ファイナンシャル・アドバイザリー、銀行、事務用品メーカーと、三者三様の仕事についてあふれる意欲と少しの不安が入り混じった、瑞々しい肉声が聴けました。
11月の東海支部総会では、経済学部卒業後フジテレビに入社され、ドラマのプロデューサーなどを務められた大泉久美子さんが、「なぜ、信州大学からエンタメを目指したのか」と題して講演をされました。大泉さんは、『救命病棟24時』、『SP』など名作ドラマを制作されましたが、講演では『救命病棟24時』を取り上げ、入念な取材や第3シリーズの主題歌『何度でも』の誕生秘話、ドラマへの反響から得られた達成感など、ドラマ制作への想いと醍醐味を話してくださいました。その語り口は終始控えめでありながら確かな経験に基づく説得力があり、大きな講演会とは違う豊かな時間を共有させていただきました。
12月の関西支部総会は、10周年記念総会。記念に制作されたVTR“松本ぶらり 信州大学に乾杯”が披露されました。この動画では、現在の松本や旭町キャンパスを紹介するとともに、1Lの横山さんや10Lの梶巻支部長が学生時代の思い出を語っています。総会後の懇親会は、工学部同窓会と合同で開催され、かつてなく盛大で学部を超えた交流が広がりました。
3支部の活動は、肉声が聞こえる繋がりの場として、年々充実しています。多くの会員に参加していただきたいと思いますし、活動を担ってくださっている役員の皆様に心から感謝いたします。