研究の紹介
About our Researches for Precision Engineering
より精密に製品を作るためには,加工して,測って,評価することが重要です.
篠﨑研究室では,ナノメートル,マイクロメートルという加工の世界を追求しています.
「ナノメートルオーダー」「マイクロメートルオーダー」の加工精度を追求する「機械加工技術」についての研究を行なっています.ターゲットは,ステンレス鋼やチタン,鋼など,さまざまですが,旋削加工(turning),穴加工(drilling),研磨加工(polishing)を用いた高精度加工に挑戦しています.
スーパーミラー製作用
金型の超精密加工
金型の超精密加工
ステンレス鋼を超精密研磨加工して「数nm」の表面粗さの金型を作成し,宇宙望遠鏡用のスーパーミラー製作に利用します.
※ nm ナノメートルは,1/1,000,000 [mm]という大きさです.
ダブルバイト切削加工
通常の旋削加工では「1本のバイト(切削工具)」で加工しますが,この加工では,「2本のバイト」を使用して金属加工を行います.そうすることで,
■加工時間を50%短縮できる.
■仕上げ面粗さを理論値の1/4まで小さくできる.
というメリットがあります.
切削工具への凝着SEM観察結果
凝着成分の分析結果(Fe成分の分布)
工具摩耗の分析
一番基本的な除去加工である切削加工では,工具摩耗を詳細に分析することによって,加工現象や仕上げ面の生成過程を知ることができます.
電子顕微鏡や分析装置で,しっかりと観察します.
穴加工現象の観察と加工穴の計測
金属に限らず,様々な材料に穴をあけることは,簡単そうで奥が深いです.
ドリルによる穴加工現象の観察を行い,切りくずの排出や穴先端の加工現象を詳細に観察することで,穴加工精度の向上を目指します.
また,加工した穴が丸いのか,それもどれくらい丸いのか,まっすぐ開いているのかを,超音波測定器などの各種測定器を用いて計測しています.
穴加工の高速度カメラ観察
【主な研究設備】
超精密非球面加工機(ULC-100D、芝浦機械)
卓上センタレス研磨加工機
超音波測定器
金属顕微鏡,マイクロスコープ(VHX-1000,Keyence)
表面粗さ測定器(SJ-201, Mitutoyo)
非接触表面形状測定機(Newview7100, ZYGO)