2024年公開講座「食品の機能を知って、美味しく元気に!」 

日々健康な生活を送り病気にならないために、食品の機能を知ることは大切です。この講座では、3名の教員が取り組んでいる食品研究から食品の機能性研究の重要性と面白さを紹介します。

68日(土)10:00~11:30(Zoom腸内細菌叢の乱れと病気の発症~日々の食事で腸内環境を整え健康長寿をめざそう!~

講師:看護福祉学部 特命教授 村上 茂


ヒトの大腸には1,000種類を超える細菌が生息し、その細胞数は数百兆個に達します。近年腸内細菌叢の解析技術が飛躍的に進歩し、腸内細菌が健康増進や病気の予防において重要な役割を担っていることが明らかとなってきました。腸内細菌叢の乱れは大腸がんなど腸の疾患だけでなく、肥満、糖尿病、アレルギー、認知症、不眠症などさまざまな疾患の発症と関連していることが解明されつつあります。われわれは、福井県産の海藻や農産物の肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防効果をヒトと動物モデルで解明し、そのメカニズムの1つとして腸内細菌叢の改善作用のあることを報告してきました。本講座では、われわれの取り組みを含め、腸内細菌と健康長寿の関連、および腸内細菌叢を改善する食事法について紹介します。

6月11日(20:00~21:00(Zoom)タウリンの機能を知って、健康長寿!

講師:生物資源学部 教授 伊藤 崇志

近年、タウリンの寿命延伸効果に世界中で注目が集まっています。タウリンは魚介類に豊富に含まれる栄養素で、私たちの体にもなくてはならないものです。タウリンは「ファイト一発!」でおなじみの栄養ドリンクの有効成分ですが、心臓や肝臓、筋肉、神経などあらゆる臓器でよい効果をもち、様々な疾患に対して予防効果があることが以前の研究で分かっています。さらに、最近、タウリンに寿命を延ばす効果があると世界的権威のScience誌に発表されました。この公開講座では、タウリンにどのようなさようがあるか、Science誌の論文や我々の最新の研究成果を含めて解説します。

6月14日()20:00~21:00(Zoom)AGEs対策でウエルエイジング!〜からだの“焦げ”=AGEsを防ぐ食事でよりよい歳の取り方を〜

講師:生物資源学部 准教授 松井孝憲


近年、老化に関わる現象として糖化=いわゆる体内の”焦げ”が注目されています。糖化とは私達の身体の中のタンパク質が糖と結びつくことで、それによって生じた糖まみれのタンパク質をAGEs(エージーイー)と呼びます。タンパク質がAGEsになると本来の機能を発揮できなくなるだけでなく、体内に蓄積し様々な老年病の原因になってしまいます。AGEsは食べ物や、料理方法、食べ方のちょっとした工夫で減らすことができます。この公開講座ではAGEsと老化の関係や、AGEsを減らす方法について最新の研究成果を交えて紹介します。

6月16日(日)13:10~14:40対面:永平寺キャンパス福井の梅とナツメの健康機能を知って、おいしく食べよう

講師:生物資源学部 教授 伊藤崇志

私たちのグループでは福井特産農産物のなかから健康効果のあるものを見つける研究に取り組んできました。なかでも現在、ナツメや梅の有用成分に老化予防の効果があるかどうか研究を進めています。今回はこれらの果物がどのような健康機能があるか、私たちの研究成果を交えてお伝えします。また、これらの果物の加工品工場で生じる副産物を利用する取り組みを進めており、本講座では、開発中のナツメや梅の搾りかすで作った焼き菓子の試食を実施します。