日本オーウェル協会の歩み
日本オーウェル協会の歩み
「日本オーウェル協会」の前身は「オーウェル会」です。若手の会員に本格的な研究発表を行う場を提供し、かつ地方在住の会員の学会出張による会への出席を容易にするために、1999年7月の全体会において「日本オーウェル協会」に改称されました。
オーウェル会は、ジョージ・オーウェルに深い関心のある大学教員が、1977年開催の日本英文学会で集まったことに始まります。それ以来、年に数回、早稲田大学法学部の会議室に集まり、オーウェルについての情報交換をしたり、親睦会を開いたりしていました。そのようななかで、オーウェルに関する議論の成果や貴重な資料を何かの形で残しておこうということになり、1982年に11名の会員全員が寄稿した『オーウェル研究』第1号が発刊されました。記念すべき第1号のテーマは「オーウェルと私」というもので、オーウェルと会員との出会いについて書かれています。以来、『オーウェル研究』は40年以上、毎年テーマを設けて発刊されています。
現在の日本オーウェル協会も、『オーウェル研究』の刊行を中心に活動を行っています。その他に、内外のオーウェル研究者を招いて講演会を開催したり、オーウェルについての研究発表会を行ったり、読書会を開いたりしています。
他の学会と異なるのは、会員がまるで一つの家族のような、温かな雰囲気のなかで意見交換ができることです。初代会長はオーウェル研究の草分け的存在の故小野協一(1982~1997)、2代目が故奥山康治(1998~2005)、3代目が故大石健太郎(2005~2009)、4代目が佐藤義夫(2009~2020)、5代目が近藤直樹(2020~2024)、6代目が現在の福西由実子(2024~)です。