文学研究科
英文学専攻
英文学専攻
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文学研究科 英文学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:東京大学大学院人文科学研究科英語英文学専攻博士課程単位取得満期退学
【専門分野】
19世紀イギリス小説、フェミニスト批評、ジェンダー論
【研究キーワード】
ジェイン・オースティン、ブロンテ姉妹、エリザベス・ギャスケル、ジョージ・エリオット、フェミニスト批評、ジェンダー論、近代イギリス、ヴィクトリア朝
【研究内容】
文学作品の中にあらわれた女性や子どもなどのマイノリティの表象と現実社会との相互的でダイナミックな関係を研究しています。 それは、言語表現や教育を通して、私たちがどのように社会規範や「常識」を身につけ、今ある関係性や階層性を将来も変わらな い当然のものと思い込むのかというプロセスを検証する作業でもあります。
同時に、現実社会の構造的矛盾に気づいた作家たちが どのように新しい関係性や進むべき未来の姿を夢見て、文学作品の中に表したか、文学と社会変革の可能性の問題について考 える作業でもあります。 たとえば、研究書『アン・ブロンテ 二十一世紀の再評価』では、アン・ブロンテの小説『ワイルドフェル・ホールの住人』のヒロインの 夫の元からの子供を連れての逃亡と経済的自立について、19 世紀から 20 世紀に至る現実社会の既婚女性の権利獲得史の中 に位置づけて、高い評価を受けました。https://www.jstage.jst.go.jp/article/elsjp/86/0/86_KJ00006817087/_article/-char/ja/
また、「ヨークシャーの女たちの物語―『シャーリー』、『アン・リスターの日記』、『ミス・マイルズ』をつなぐ」(『読むことのクィア』所収) では、家父長制社会における多様な女たち(独身、既婚、異性愛者、同性愛者など)の分断と連帯について、シャーロット・ブロン テの小説『シャーリー』と、レズビアンの女領主アン・リスターの暗号の日記と、ブロンテの親友でニュージーランドに移住した企業家 のメアリ・テイラーの小説『ミス・マイルズ』を取り上げて論じました。
最近は近代イギリス文学研究で身につけた研究姿勢と手法を使って、日本と朝鮮半島の関係性を文学テキストの分析によって行 う研究にも取り組んでいます。
以上のような研究は、文学表現者として詩や短歌や俳句を作り、エッセイや評論を執筆するという作家としての仕事とも連動し、外 部からの高い評価を得ています。
https://dokushojin.com/review.html?id=7260 https://blog.goo.ne.jp/sikyakutammka/e/b0a397e7886e0d8a6ac975c912dd2e07
【主な論文・著書】
●「ギャスケルの短編「マーサ・プレストン」と「一時代前の物語」におけるジェンダーと規範意識」『英語英米文学』中央大学英米 文学会、2016 年 2 月
●『読むことのクィア 続 愛の技法』共著、中央大学出版部、2019 年
●『めぐりあうテクストたち : ブロンテ文学の遺産と影響』共著、春風社、2019 年
●「尹伊桑と近藤芳美の幼少年期―近代朝鮮における作曲家と歌人の自己形成」『中央大学政策文化総合研究所年報』 2020 年
●『社会のなかの文学』中央大学出版部、2021 年
【メッセージ】
英語と日本語で精読し、分析する力、論理的に考え、論じる力を鍛えることは、様々なことに応用できます。問題意識をもって文 学テキストに向かい合う知的な冒険の旅に乗り出してみませんか?
【担当科目】
英文学研究(近代小説)A、英文学研究(近代小説)B、英文学特殊研究ⅢA、英文学特殊研究ⅢB
【問い合わせ先】
m_ota●tamacc.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース
文学研究科 英文学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:博士(文学)(東京大学)
【専門分野】
英文学(特に英詩)、古典修辞学
【研究キーワード】
イギリス、詩、古典修辞学、古代ギリシア
【研究内容】
イギリスの詩を主に研究しています。18世紀以降の詩を中心に扱っていますが、17世紀にも関心を持っています。最近は、19世 紀の女性詩人の作品を読んでいます。女性詩人については、近年、国内外で研究がなされるようになってきていますが、面白い 詩人や作品がまだまだ再発見されずに眠っているという実感を持っています。19世紀詩の、これまで見過ごされがちだった側面 の面白さを紹介し、文学史を幅広く、豊かにしたいと思っています。
特に関心を持っているのは、古代ギリシアに題材をとったり、古典ギリシア語に何らかの関わりを持っている作家・批評家・作品で す。男性中心で保守的な学問分野だった古典学に、女性(詩人)たちがどのように参加し、貢献し、新たな可能性を切り開いてきたかを知りたいと思っています。今後は、詩や小説を書いた(女性)文学者たちだけでなく、古典学や考古学などの分野で活躍した り、ギリシア旅行記を著したりした女性たちについても研究を進めてゆくつもりです。
【主な論文・著書】
● "Towards a Rhetorical Grammatology: Jacques Derrida and Hugh Blair" (論文、2021 年)
● 「オーガスタ・ウェブスターとギリシア神話の『悪女』たち」(Proceedings、2020 年)
● 「ヴァージニア・ウルフとギリシア」(書籍『ノンフィクションの英米文学』所収、2018 年)
【担当科目】
英文学研究(詩)A、英文学研究(詩)B、英文学特殊研究ⅣA、英文学特殊研究ⅣB
【問い合わせ先】
miemie●bc5.so-net.ne.jp
【リンク】
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文学研究科 英文学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:Ph.D.(クレアモント大学院大学)
【専門分野】
人文・社会/英文学、英語圏文学/アメリカ文学
【研究キーワード】
20世紀アメリカ文学、アメリカ南部文学、南部作家、フラナリー・オコナー
【研究内容】
20世紀のアメリカ文学を研究分野とし、とくに 20世紀半ばに活躍したアメリカ南部の作家フラナリー・オコナー(Flannery O’Connor, 1925-1964)の作品研究を中心におこなっています。オコナーは若くして難病を患い、故郷のジョージア州からほとんど離れることなく執筆を続け、一貫してアメリカの南部に暮らす人びとを作品に描きました。
これまでの研究では、オコナーの作品における「暴力的な出来事」と「他者」をめぐる考察をおこないました。オコナーの短編小説に はしばしば、ありふれた日常生活をおくる登場人物が、唐突に暴力的な出来事に遭遇するさまが描かれています。銃で撃たれる、 牛の角に突き刺される、義足を奪われる、本を投げつけられて罵られる、など、それぞれの出来事にみられる暴力の度合いはさまざまですが、仔細に読み解いていくと、登場人物たちがうける衝撃の質がどこか同じであるように描かれています。その同質性を探ってみると、そのどれもが登場人物たちがそれまで安住してきた、自己や世界に対する堅牢な認識の壁に穴を穿ち、自分には理解できないもの、という意味での「他者」の存在に目を向けさせるような衝撃となっている、と読むことができます。そしてそのような 衝撃のなかに、カトリック作家であるオコナーは、畏れるものをもたない時代の人間と、そのような人間に恩寵をあたえる神との不測 の結びつきの可能性を示そうとしていたのだと考えられます。
現在は、オコナーの作品における人種・階級・ジェンダーの問題に関心を持っています。オコナーの執筆期間にあたる 1940 年代 半ばから 1960 年代にかけては、アメリカ社会全体で公民権運動が高まり、南部社会における人種間の関係が大きく揺らいだ時期にあたります。南部白人であるオコナーは、南部における人種の関係をどのように描いたのか。作品に描かれる南部白人にとっ て「白人であること」とはどのような意味を持つのか。人種とともに南部社会のヒエラルキーを構成する重要な要素であった階級と ジェンダーによる位置づけにも着目しながら、研究の対象を他の同時代の南部作家カーソン・マッカラーズ、ハーパ・リー、リリアン・ スミスなどにひろげつつ、考察していきたいと考えています。
【主な論文・著書】
●「フラナリー・オコナーの“The Geranium”における“manners”と南部家父長の構築」、『紀要 言語・文学・文化 第 128 号』
281号、中央大学文学部、2021 年 3 月
●「フラナリー・オコナー「聖霊のやどる神殿」における"emptiness"」、『英語英米文学』第 58 集、中央大学英米文学会、
2018 年 2 月
【担当科目】
米文学研究(現代Ⅰ)A、米文学研究(現代Ⅰ)B、米文学特殊研究ⅤA、米文学特殊研究ⅤB
【問い合わせ先】
kubo●tamacc.chuo-u.ac.jp
【リンク】
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文学研究科 英文学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:文学博士(ニューヨーク州立大バッファロー校)
【専門分野】
近代アメリカ文学
【研究キーワード】
アメリカン・ルネサンス期の文学
【研究内容】
19 世紀中ごろのアメリカ文学(小説・詩)を研究しています。とくに「アメリカン・ルネサンス」と呼ばれる時代(1830 年代〜1860 年 代)の小説を、その時代のさまざまのできごとと関連させながら解釈しています。
【主な論文・著書】
● 『ロマンスの倫理と語り──いまホーソーンを読む理由』(共編著、開文社出版、2023年)
● 『〈嘆き〉はホーソーンによく似合う』(単著、中央大学出版部、2020年)
● 『繋がりの詩学──近代アメリカの知的独立と〈知のコミュニティ〉の形成』(共編著、彩流社、2019年)
● 『ホーソーンの文学的遺産──ロマンスと歴史の変貌』(共編著、開文社出版、2016年)
● F・O・マシーセン著『アメリカン・ルネサンス──エマソンとホイットマンの時代の芸術と表現』上巻(共訳、上智大学出版、2011年)
【担当科目】
米文学研究(近代)A、米文学研究(近代)B、米文学特殊研究ⅡA、米文学特殊研究ⅡB
【問い合わせ先】
naochika●tamacc.chuo-u.ac.jp
【リンク】
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文学研究科 英文学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:東京大学大学院人文科学研究科英語英文学専攻博士課程満期退学
【専門分野】
イギリス文学、アイルランド文学
【研究キーワード】
ジェイムズ・ジョイス、短編小説
【研究内容】
私の主要な研究対象は、1882 年にアイルランドで生まれ 1941 年にスイスで死んだコスモポリタン作家ジェイムズ・ジョイス (James Joyce)である、短編集『ダブリナーズ』(Dubliners)(1914 年)、自伝的な小説『若い芸術家の肖像』(A Portrait of the Artist as a Young Man)(1916 年)、代表作『ユリシーズ』(Ulysses)(1922 年)、そして難解至極な『フィネガンズ・ウェイク』 (Finnegans Wake)(1939 年)というジョイスの主要な 4 作のうち、私がこれまで論文で取り上げた作品は『ダブリナーズ』と『ユリシーズ』のみである。正直に告白すれば、『若い芸術家の肖像』は何となく苦手で、『フィネガンズ・ウェイク』は読むのに時間がかかりすぎるから、研究対象にしてこなかったのだ。結局、私は研究者としては中途半端なところがあり、最近はあまりジョイスについては書かなくなり、その代わりに、18 世紀のヘンリー・フィールディング(Henry Fielding)から現代のカズオ・イシグロ(Kazuo Ishiguro)まで、ブリテンのさまざまな作家の短編小説について、年一本程度のペースで論文を書くようになっている。ずっと一つのことを追求 するタイプではないので、これからも焦点の定まらない研究生活を続けていくことになるだろう。論文のテーマにしたことはないが、ブ リテンの映画や音楽(特にポップ・ミュージック)にはまあまあ詳しい。
【主な論文・著書】
● お菓子を食べてもなくならない人生はあるのか?――アンガス・ウィルソンの「下宿人というよりは友人」における語り手の態度――『紀要 言語・文学・文化』第 132号、中央大学文学部、2023年3月
● 「知性が人を殺す――ドリス・レッシング「19号室へ」を読む――」『紀要』通巻第270号(言語・文学・文化 第122号)、中央大学文学部、2018年3月
● ‘Stephen's Strategy in Ulysses’『英語英米文学』第57集、中央大学英米文学会、2017年2月
● 『ジョイスの罠――『ダブリナーズ』に嵌る方法』(共著、金井嘉彦, 吉川信編)言叢社、2016年2月
【メッセージ】
ジョイスの『ダブリナーズ』や『ユリシーズ』をちょっと深く研究してみたいと思ったら、大学院進学を考えてみてください。英語があまり 得意ではない人でも英語できちんとした論文が書けるように指導します。
【担当科目】
英語教育のための文学文化研究ⅠA、英文学研究(現代小説)B、英文学特殊研究ⅡA、英文学特殊研究ⅡB
【問い合わせ先】
ttanji●tamacc.chuo-u.ac.jp
【リンク】
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文学研究科 英文学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:Ph.D. University at Buffalo, State University of New York (USA) 文学部英文科博士後期課程
【専門分野】
American Literature / American Culture / Aesthetic Practices
【研究キーワード】
Cuteness Studies / Gender / Culture
【研究内容】
My research revolves around the new field of cuteness studies. Cute and kawaii are dominant aesthetics in globalized consumer society. These two aesthetics address powerful needs and desires, as well as shape contemporary sensibilities. Cute was a major American cultural export in the twentieth century. In the twenty-first century Japanese kawaii is booming worldwide. However, scholarship on these two aesthetics remains in an early stage.
I study the social and cultural contexts of the emergence, historical development, and contemporary interrelationship of both the cute and kawaii aesthetics. I seek to explain when and how the aesthetics of American cute and Japanese kawaii developed and to determine their impact on gendered identity, power, consumption, and technology in today’s globalized society.
In addition, I believe that scholarship on the American cute and Japanese kawaii aesthetics should also consider the biological basis behind the affective response to cuteness. For this reason, one goal of my research is to connect research in the Humanities with that in the behavioral sciences.
【主な論文・著書】
● Monograph, Irresistible: How Cuteness Wired our Brains and Conquered the World. Profile Books, 2023.
● Co-Editor, The Aesthetics and Affects of Cuteness, Routledge Press, January 2017.
● Editor, Cute Studies. Themed issue of The East Asian Journal of Popular Culture. Intellect Press, April 2016.
● “Cuteness Studies and Japan.” The Routledge Companion to Gender and Japanese Culture. Eds. Coates, J, et al. Routledge Press, January 2020: 320-330.
● “Cross-Cultural Comparisons of the Cute and Related Concepts in Japan, the United States, and Israel.” Co-authored with Hiroshi Nittono and Shiri Lieber-Milo. SAGE Open, Jan. 2021.
【メッセージ】
I look forward to joining the Chuo University community and working together with colleagues and students.
【担当科目】
英語教育のための文学文化研究ⅡB、英語表現演習Ⅱ、米文学研究(現代Ⅱ)A、米文学特殊研究ⅢA、米文学特殊研究ⅢB
【問い合わせ先】
こちらのフォームにお問い合わせください。
【リンク】
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文学研究科 英文学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:東京大学大学院人文科学研究科博士課程
【専門分野】
地域研究・英語圏文学
【研究キーワード】
映像表象・ポストコロニアリズム・環太平洋
【研究内容】
研究内容の詳細は、下記よりご覧ください。
https://doi.org/10.26686/jnzs.iNS36.8340
https://yab.yomiuri.co.jp/adv/chuo/opinion/20130311.html
https://yab.yomiuri.co.jp/adv/chuo/dy/opinion/20130325.html (英語版)
https://yab.yomiuri.co.jp/adv/chuo/opinion/20110711.html
https://yab.yomiuri.co.jp/adv/chuo/dy/opinion/20110725.html (英語版)
【主な論文・著書】
●「虚ろな目の光とオレンジ色のライフジャケット―J・M・クッツェー作品における政治的暴力の表象」『抵抗することば―暴
力と文 学的想像力』(南雲堂)
●「死の灰を見つめて― 『フォールアウト』鑑賞の手引」『アメリカ太平洋研究』(東京大学大学院総合文化研究科附属アメリ
カ太平洋地域研究センター)
●「帝国の威信ビフォ→アフター」『中央評論』 #318(中央大学出版部)
●「バーチャル継承—痛みの傷跡—」『中央評論』 #317(中央大学出版部)
●「エントツ上のスト(沖縄プライウッド争議)」『中央評論』 #315/#316(中央大学出版部)
●「越境入学--インディアン実業学校--」『中央評論』 #314(中央大学出版部)
●「公明正大なる処遇」『中央評論』 #313(中央大学出版部)
●「尺八奏者と少女」『中央評論』 #312(中央大学出版部)
●「辺境の写真家フランク・S・マツーラ」『中央評論』 #311(中央大学出版部)
●「小金井良精先生寿像」『中央評論』 #310(中央大学出版部)
●「一九一二年の「越境」」『中央評論』 #309(中央大学出版部
【メッセージ】
想視聴顧(そう・し・ちょう・こ)
【担当科目】
英語圏文学研究 A、英語圏文学研究 B、米文学特殊研究ⅠA、米文学特殊研究ⅠB
【問い合わせ先】
nakao●tamacc.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース
文学研究科 英文学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:東京大学大学院人文社会系研究科欧米文化研究専攻英語英米文学専門分野博士課程満期退学(所定単位修得)
【専門分野】
20世紀アメリカ文学
【研究キーワード】
近代化、資本主義、故郷、家族、宗教、個人主義
【研究内容】
専門はアメリカ文学、とくに 20 世紀アメリカ南部に生まれた小説家ウィリアム・フォークナーを専門に研究していますが、授業では、 「近代の最先端」としての〈アメリカ〉という現象が生身のひとの心に及ぼす影響を、陰に陽に日本人としての立場からできるだけ大きく考えていきたいと思っています。人は「故郷」からどのくらい離れて暮らすことができるのか。そもそも、人にとっての「故郷」とは 何か、そしてそれはどのような意味を持っているのか――そのようなことを考えながら、アメリカの作家の作品を縦横に読み解いていきたいと思っています。扱う作家はフォークナーのみならずアーネスト・ヘミングウェイ、F・スコット・フィッツジェラルド、J・D・サリン ジャー、レイモンド・カーヴァーなどです。
【主な論文・著書】
●『教室の英文学』(共著、研究者、2017年)
●『フォークナーと日本文学』(共著、松柏社、2019年)
●『深まりゆくアメリカ文学』(共著、ミネルヴァ書房、2021年)
●「河を渡って家族の中へ――Raymond Carver の "Nobody Said Anything"」(『英語英米文学』中央大学英米文学会、2021
年)
【メッセージ】
本当に感動できる作品を研究していると、とても大事なものが見えてくるはずです。時に見ていられないほど苦しくなるようなもので もあるかもしれませんが、そうであればなおさら、それを見つめることがどうしても必要なのだと思います。そういうことに一緒に取り 組んでみませんか 。
【担当科目】
米文学研究(現代Ⅲ)A、米文学研究(現代Ⅲ)B、米文学特殊研究ⅣA、米文学特殊研究ⅣB
【問い合わせ先】
gakujinakano●gmail.com
【リンク】
研究者情報データベース
文学研究科 英文学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:マギル大学大学院言語学研究科博士課程・Ph.D. (マギル大学)
【専門分野】
言語学・言語習得・言語教育
【研究キーワード】
第2・第3言語、継承語、文法習得、言語処理
【研究内容】
2つ以上の言語を習得する場合(第2・第3言語の習得やバイリンガル習得)について、言語学的なアプローチから研究をしていま す。2つ以上の言語を話す人々の研究は、人間に備わっている言語獲得能力の可能性や限界の解明に繋がると言えます。私は、近年大きく3つのテーマについて、研究に取り組んできました。第一に日本に在住する外国籍の子どもやおとなの母語(これを継承語と呼びます)の保持と第二言語(日本語)の習得、第二に日本人の英語の習得と指導の効果、第三に視線解析装置を用いての言語処理です。
私は研究チームを組み、中国やフィリピンから来日し、日本に在住する子どもやおとなを対象に、様々な言語知識を調べてきまし た。在留外国人の継承語や第二言語の習得と保持に関する問題はグローバル化した社会における重要なテーマです。継承語とは、主に家庭で親から子へと継承される言語を指します。継承語話者は家庭の外では社会の多数派言語を使用しながら育つため、継承語を司る能力は親のレベルに達しないことが多いのです。例えば、家では家族と中国語またはタガログ語(フィリピンの公 用語)を話し、家庭外や学校では日本語を使用する子どもの場合、家庭内という限られた状況での言語使用が、その言語の習得 や保持にどのような影響を与えるのか、また母語(継承語)が第二言語(日本語)の習得にどのような影響を与えるのか、について研究をしています。
日本人が英語を習得する場合も、主に教室という環境で行われるため、英語の使用環境は限定的です。この限定的な環境と、 留学などで英語圏へ行き、英語に触れる機会が豊富な環境での習得状況を調べる研究を行っています。例えば、ガラス製の丸い素敵なテーブルがあるとします。これを英語で言う場合、a nice round glass table とは言えますが、a round nice glass table や a nice glass round table とは言えません。英語には形容詞の語順に決まりがある一方で、日本語では形容詞の語順は比較的自由です。日本語を母語とする人が英語を学習する際、英語で許されない形容詞の順序を含む表現、つまり誤用が多くみられま す。このような誤用は、留学したとしてもなかなか気づきにくく、正しい表現の獲得には明示的な指導の有効性が確認されていま す。 母語話者や第二言語学習者は、自らの言語知識をもとに、どのように即時的に言語を処理・理解していくのでしょうか。近年の第二言語習得研究では、心理言語学的な手法(読み実験や視線解析など)を用いた実証的な研究が活発に行われており、特に学習者と母語話者の処理過程での相違点が議論されています。例えば、ある言語の音声を聞いたとき、提示されている絵や文への注視パターンを解析すると、その人がどのように即時的処理を行っているかを調べることができます。こうした研究の積み重ねによ り、将来的には効果的な言語教育や継承語の保持教育へ提言できるようになることも目指しています。
【主な論文・著書】
● 磯部美和・平川眞規子(2022)「言語の獲得2:第二言語の獲得」大津由紀雄・今西典子・池内正幸・水光雅則(監修)『言
語研究の世界:生成文法からのアプローチ』(pp. 171-186) 研究社.
●「日本人英語学習者によるテンスとアスペクトの意味解釈―単純現在形 -s vs. 現在進行形 -ing 」 河西良治教授退職記念論文集刊行会(編)『言語研究の扉を開く』(pp. 87-101)開拓社、2021年
● 鈴木一徳・平川眞規子(2019)「日本語母語話者およびスペイン語母語話者による心理形容詞の解釈― Is the lecturer bored or boring? ―」白畑知彦・須田孝司(編)『第二言語習得研究モノグラフシリーズ3:言語習得研究の応用可能性—理論から指導・脳科学へ—』(pp. 1-29)くろしお出版.
● Zvaigzne, M., Oshima-Takanem Y., and Hirakawa, M. 2019. How does language proficiency affect children’s iconic gesture use? Applied Psycholinguistics, 40: 555-583.
● Hirakawa, M., Shibuya, M., and Endo, M. 2019. Explicit instruction, input flood or study abroad: Which helps Japanese learners of English acquire adjective ordering? Language Teaching Research, 23: 158-178.
【担当科目】
英語学研究(言語習得論)A、英語学研究(言語習得論)B、英語学特殊研究ⅣA、英語学特殊研究ⅣB
【問い合わせ先】
hirakawa●tamacc.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース
個人ウェブサイト
文学研究科 英文学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:マギル大学(カナダ)大学院言語学研究科博士課程修了
【専門分野】
音韻論、音声学、言語理論、母語音韻習得、第二言語習得
【研究キーワード】
音韻論、生成音韻習得、音声学
【研究内容】
My primary research interest lies in the processing of spoken language by non-native speakers with a focus on how the mental representations that are stored in memory and generated during language use are influenced by the mechanisms optimized for processing one’s native language. These representations include the phonological form for items in the lexicon as well as morphological and syntactic constructions generated during language use. In addition, as learners advance in proficiency, their linguistics processing mechanisms develop in ways that reveal characteristics unique to bilinguals, distinguishing them from monolingual speakers of each of their languages. Linguistic theory provides a robust framework within which to understand these phenomena and to guide research among native speakers, multilingual learners, and neurodivergent individuals.
【主な論文・著書】
●Matthews, J., Kawasaki, T. and K. Tanaka (2024) Cross-linguistic interference in the perception of L2 English fricatives by speakers of Chinese, Japanese, and Vietnamese. Proceedings of the 5th International Symposium on Applied Phonetics (ISAPh2024), pp. 54-59. Tartu, Estonia: University of Tartu / Tartu Ülikool.
●Matthews, J. & S. Wakabayashi (2023) Current state of second language studies in Japan. Journal of Second Language Studies 6(2): 207-209.
●Matthews, J. (2023) Ln Phonology and the Elaboration of a Single Unitary Multilingual Grammar. Plenary Lecture at the Pacific Second Language Research Forum (PacSLRF2023). Language Institute of Thammasat University, Bangkok, Thailand: July 26, 2023.
●Matthews, J., Kawasaki, T., and K. Tanaka (2021) Category expansion, contraction, and drift during the development of novel L2 speech sounds. Poster presented at the annual meeting of the Acoustical Society of America. Seattle, WA. November 29, 2021.
●Matthews, J. (2019) Prosodic transfer in the receptive modality: Recognizing morphology within L2 prosody. Linguistic Approaches to Bilingualism 9(6):862-866.
【メッセージ】
Advanced levels of education often lead us to greater and greater depth in narrower and narrower fields of study, but it is vitally important to keep a broad perspective from which to see connections between your own area of expertise and areas that on the surface may appear to be unrelated. Such connections quite often foster new and interesting ideas. Importantly, exploring ideas and understanding the world around us has its own inherent value, regardless of whether there are practical applications or technical innovations.
【担当科目】
英語学研究(音声学・音韻論)B、英語学特殊研究ⅢA、英語学特殊研究ⅢB、英語教育のための言語科学研究A、英語表現演習Ⅰ
【問い合わせ先】
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研究者情報データベース
文学研究科 英文学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:Ph.D.( University College London)
【専門分野】
言語発達、語用論、コミュニケーション
【研究キーワード】
コミュニケーション能力、バイリンガル、自閉スペクトラム症
【研究内容】
私たちが社会生活を送る上で、コミュニケーション能力の重要性を疑う人はいないと思います。家族や友人と会話をするとき、学習の場である教室で先生の話を理解するとき、仕事の場でプレゼンをするときなど、さまざまな場面でコミュニケーション能力が必要とされるので、高いコミュニケーション能力を持つことは生きていく上で有利だと考えられています。しかし、実はコミュニケーショ ン能力の発達や障害については、まだまだわからないことが多いのです。
多くの言語発達に関する研究によると、子どもの言語発達に欠かせないのは乳幼児期の大人との会話であることがわかっています。また発達心理学の研究から、乳幼児期の子どもと大人との会話は、子どもの他者理解を促進するということがわかっています。コミュニケーション能力の発達に関する研究はまだまだ少ないですが、おそらく子どもの対人コミュニケーションの発達にも、乳幼児期の大人との会話が重要な役割を果たすと考えられます。
幼児期までに育った子どものコミュニケーション能力は、児童期の教室での学習力や読解力の基礎になります。教室での学習は、 先生の話の中で大事なポイントを押さえて聞く、自分でもそのポイントについて考えてみる、そして記憶する、といった活動により達成されます。この能力は、コミュニケーションにおいてよく相手の話を聞いて反応するという能力と重なります。つまり、子どものコミュニケーション能力は、効果的な学習を促進するものでもあるということです。
そのため、何らかの理由で、乳幼児期、児童期に対人コミュニケーション能力が十分に発達しなかった場合、子どもの学力が伸び 悩む可能性があります。
松井研究室では、健全な学習力につながるコミュニケーション能力の育成を目指して、コミュニケーションの発達と支援に関する基礎研究をしています。
【主な論文・著書】
●『子どものうそ 大人の皮肉―ことばのオモテとウラがわかるには』東京:岩波書店(2013)
●Young children's early sensitivity to linguistic indications of speaker certainty in their selective word learning. Lingua, 175 -6, 83-96. Tomoko Matsui, Taeko Yamamoto, Yui Miura, Peter McCagg (2016)
●語用論的コミュニケーション.発達科学ハンドブック第 9 巻『社会的認知の発達科学』204-217. 東京:新曜社.(2018)
●Component processes of irony comprehension in children: Epistemic vigilance, mind-reading and the search for
relevance. Scott, K., Clark, B. & Carston, R. (eds.) Relevance, Pragmatics and Interpretation, 231-239. Cambridge University
Press. (2019)
●多言語児童生徒の学習支援 深浦順一・藤野博・石坂郁代(編)「言語発達障害学 第 3 版」 273-28. 東京:医学書院 (2021)
【担当科目】
英語学研究(意味論・語用論)A、英語学研究(意味論・語用論)B、英語学特殊研究ⅠA、英語学特殊研究ⅠB
【問い合わせ先】
tmatsui510●g.chuo-u.ac.jp
【リンク】
研究者情報データベース
文学研究科 英文学専攻 教授
最終学歴・学位・取得大学:Ph. D.(ケンブリッジ大学)
【専門分野】
第二言語習得、形態統語論、英語教育
【研究キーワード】
第二言語の文法の習得と使用、日本人による英語習得、国際協働授業のデザイン・実践・評価
【研究内容】
日本語などを母語とする学習者による英語の使用には特徴があります。その特徴の理由について、心理言語学の手法でデータを集め、文法理論を用いながら、科学的な手法で明らかにしようと試みています。様々な共同研究も行っています。またICTを用いた国際協働授業の開発も行っています。外国語を使う場所を「想定して」練習するだけでなく、実際に英語を用いて、母語の異なる学習者が交流する授業をデザイン・実践し、授業・教師・学習者の評価を行っています。
【主な論文・著書】
● Shigenori Wakabayashi. Generative Grammar. In L. Wei, Z. Hua, & J. Simpson (eds.). The Routledge Handbook of Applied Linguistics Volume One: Language Learning and Language Education, 2nd Edition (pp. 336-349). Routledge. (2024年)
● Takayuki Kimura, & Shigenori Wakabayashi. UG-as-Guide in selection and reassembly of an uninterpretable feature in L2 acquisition of wh-questions: Evidence from islands and scope. In M. Velnić, A. Dahl & K. F. Listhaug (eds.), Current perspectives on generative SLA—Processing, influence, and interfaces: Selected proceedings of the 16th generative approaches to second language acquisition conference (pp. 318–350). John Benjamins.
● 若林茂則(編)『英語の教室で何ができるか』開拓社(2024年)
● Shigenori Wakabayashi, Jun Iio, Kumaraguru Ramayah, Rie Komoto, & Junji Sakurai. How ICT tools support a course centered on international collaboration classes. In T. Keane, C. Lewin, T. Brinda, & R. Bottino (Eds.), Towards a collaborative society through creative learning. IFIP World Conference on Computers in Education, WCCE 2022, Hiroshima, Japan, August 20–24, 2022, Revised Selected Papers (pp. 261–274). Springer. (2023年) https://doi.org/10.1007/978-3-031-43393-1_24
● Shigenori Wakabayashi.“A Principle of Economy in Derivation in L2 Grammar: Do Everything in Narrow Syntax”. Second Language Research, Vol. 37, Issue 4, pp. 521-545 (2021年)
https://doi.org/10.1177/0267658319879969
【メッセージ】
ことばの科学研究はとても広く面白いです。その習得メカニズムの研究は様々な要素が重なって複雑ですが、要因を紐解いていくと、予想もしなかった姿が見えてくることもあります。「知りたい」と思ったら、ぜひ一緒に研究しましょう。また、またICTを用いた国際協働授業を含む英語教育研究にも取り組んでいます。ことばの教育は「やる気」「満足」「発見」「自己肯定感」「人間関係」など、さまざまな要素とそれが絡み合った複雑な世界に支えられています。その世界を、エキサイティングでやりがいのある空間にするにどうするか。この問題を考えてみたい人、一緒に研究しましょう。
【担当科目】
英語学研究(形態論・統語論)A、英語学研究(形態論・統語論)B、英語学術発表演習Ⅰ、英語学特殊研究ⅡA、英語学特殊研究ⅡB
【問い合わせ先】
swkbys37●gmail.com
【リンク】
研究者情報データベース