Q1:「土地柄、テック系のビジネスプランが重視されるように思われますが、実際はどうなんでしょうか?」
A:確かにAIやSaaSなどの“スケーラブルなテクノロジー”領域に資金が集まるのは事実ですが、本質は“技術”よりも“解くべき課題”にあります。
たとえば、教育、福祉、地域支援、環境、ウェルビーイングなど、非テクノロジー起点のスタートアップも多く存在します。
重要なのは、「どのような社会課題に向き合っているか」「どんな新しい方法でそれを解決しようとしているか」です。
また、非エンジニア出身の起業家やプロダクトマネージャーも数多く活躍しています。
“テックでなければいけない”のではなく、“課題への向き合い方”が評価される文化と考えてよいでしょう。
ただし、非テック系のスタートアップの場合は、初期段階の資金調達にベンチャーキャピタル(VC)よりも小規模なクラウドファンディング、コミュニティ投資、助成金などを活用することも一般的です。そういったアプローチであってもピッチのスキルを高めることは役に立ちます。
Q2:「チャレンジ精神・スピード感・目的意識という価値観を、日々の生活のなかでどう意識すればよいでしょうか?」
A:これらは、特別な環境がなくても、日常生活の中で少しずつ育てていくことができます。
チャレンジ精神
→ 「失敗しないように」と身構えるより、「やったことがないからこそ、試してみる」。
たとえば、初対面の人に話しかけてみる、新しい方法を小さく提案してみるなど、小さな一歩から始めてみましょう。
失敗しても“次に活かせる”という考え方を持つと、心理的ハードルが下がります。
スピード感
→ 完成度を高める、念には念を入れるということに時間を掛け過ぎずに、まず“試作”として出してみる姿勢を意識してみてください。
60点でも出して反応をもらう。そこから改良していく柔軟さが、結果的に質を高めてくれます。
目的意識
→ 日々の仕事や学びの中で「これは誰に、どんな価値を届けているか?」を自分なりに問い直す習慣を持ちましょう。
“意味のある仕事をしたい”という日本人の価値観ともつながりますし、自分の中に納得感があると行動の質が変わります。
これらは、何か劇的な変化を起こすのではなく、“思考と行動の姿勢”を少しずつ調整していくことから始まります。
シリコンバレーでは、このような姿勢の積み重ねが、挑戦や創造性の土台になっているのです。