校 長 樋口 政幸
本校は昭和52年に開校した肢体不自由特別支援学校で、福岡市の東部、南部地域から小中高等部の児童生徒が通学しています。平成8年度に当時全国でも初めての福祉施設(障がい者フレンドホーム)と合築した校舎として、現在の博多区西月隈,福岡空港の西側に新築移転し、地域の皆様に見守られながら、今日に至っております。
令和7年度は、小学部1年生から高等部3年生まで、訪問学級を含め166名の児童生徒が在籍(令和7年5月7日現在)しております。児童生徒の障がいの状況を踏まえた教育課程を編成するとともに、個別の教育支援計画,指導計画を作成・活用し、個の教育的ニーズに応える教育を目指しております。
今日、特別支援教育においては、障がいの多様化が言われていますが、肢体不自由特別支援学校においても同様で、本校に在籍する子どもたちの教育的ニーズも多様化している状況があります。そのため、教職員が多様な障がいを理解し、指導・支援のあり方についての専門性を高めること、そして、地域社会で豊かに生きるための子どもたちの将来像を保護者と共に描きながら、めざす学校像・めざす子ども像を確かなものにするために日々の教育活動を進めていくことが重要だと考えております。
地域社会で豊かに生きる力の育成をめざして
本校がめざす児童・生徒像
◆元気で明るい子ども:挨拶や身の回りのことを進んでしようとする子ども
◆最後までがんばる子ども:学習意欲を高め,自ら進んで学習する子ども
◆社会に参加できる子ども:自分の将来に夢を持ち,社会の中で自分を生かそうとする子ども
本校がめざす教師像
◆子どもと共にある教師
・子どもと活動を共にしながら共感しあい、一人一人の育ちを実感できる教師
・子どもの思いや保護者の思いを理解し、大切にできる教師
・子どもが主体的に取り組む学校生活を創り出し、適切に支援できる教師
◆専門的力量を持った教師
・教育公務員として自己の専門性を高める研修に取り組む教師
・自己の取り組みや授業を自ら振り返り、課題に対して積極的に解決しようとする教師
・できない理由ではなく、できる方法を考え工夫する教師
◆保護者や社会の信頼にこたえる教師
・地域の小中学校等の保護者・教師への教育的支援を行える教師
・保護者・地域に対し「説明責任」を果たすことのできる教師
本校がめざす学校像
◆楽しい学校
・学習の内容がわかり、子どもがもっと学びたいと意欲を持てる学校
・その子らしさ(個性)が伸び、確かな力が育つ学校
・指導方針・指導内容がよくわかる学校
◆あたたかい学校
・健康を守り、安全で活動しやすい学校
・子どもの思いが大切にされる学校
・確かな専門性に基づく信頼のできる学校
◆であえる学校
・保護者・地域とともに歩む学校
・学んだことが家庭や地域生活で役立ち、豊かな心を作る学校
・なんでも相談でき、いつでも訪ねられる学校
(1)人間尊重の精神を基調とし、児童生徒を心から愛し、その生命の尊重と発達の可能性の実現に向けて、一人一人の理解を深め、その能力・適性を最大限に伸ばす教育に努める。
(2)小学部・中学部・高等部の12年間を見通した、一貫性と継続性のある教育課程の改善並びに個別の教育支援計画と個別の指導計画の充実に努める。
(3)児童生徒がのびのびと安心して学習や生活ができる教育環境づくりに努める。
(4)教職員一人一人が専門職としての自己の資質向上のために積極的に研修に取り組むとともに、自己の立場と役割を自覚した教育実践に努める。
(5)全教職員の共通理解と協働による教育指導体制のもとで、楽しさと温かさと出会いのある活力に満ちた学校作りに努める。
(6)家庭、地域、福祉、医療、労働関係諸機関、行政等とのネットワークを強化し、学校教育の一層の充実を図るとともに、特別支援教育に関する地域のセンター的役割を担う。
(7)めざす児童生徒像を、児童生徒自身が意識し取り組めるように働きかけ、主体的に自らの人生を生き抜こうとする子どもの育成を目指した教育を展開する。
(1)児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた学習活動の充実
・児童生徒が主体的に学ぶ授業づくり(ICTの活用含む)
・児童生徒の好きなことが増え、得意なこと、やりたいことにつながるカリキュラムマネジメント
・保護者と共に考え、アップデートし続ける個別の教育支援計画・個別の指導計画
(2)学ぶ意欲を持ち、高めあえる職員集団
・肢体不自由のある児童生徒の学びを支える専門性の向上
・教員自身が主体的に学ぶ研修
(目的を明確にした校内研修の実施、研修会への自主的参加推進)
・肢体不自由教育経験の少ない教員のOJTの推進
(3)働きがいがあり、かつ働きやすい職場づくり
・コンプライアンスの遵守
・教員どうしの相互理解、信頼関係の醸成
・本校における働き方改革の推進(具体的アイデアの募集)
(4)安全・安心な学校生活
・児童生徒が安心して学べる学習環境、生活環境づくり
・危機管理、「報・連・相」の徹底、ヒヤリハットの共有
・医療的ケアの理解と第3号研修の推進及び感染症対策
(5)開かれた学校づくりの推進
・学校だより・学校HPの定期更新
・センター的機能の発揮
・地域やPTA行事への積極的な参加
(6)チーム学校の強化
・効果的に機能する校務分掌など校内組織の再編成と活性化
・SC・SSW等関係職種との連携