安平町とは?
安平町は、北海道の南西部に位置し、北は由仁町、東は厚真町、南は苫小牧市、西は千歳市とそれぞれに接しています。札幌市から直線で約50㎞、新千歳空港からは約14㎞の位置にあり、交通の利便性に恵まれた地域にあります。年間平均気温は、6.5度と北海道の平均と比較すると温かく、年間降水量は1,000㎜程度となっています。降水は7~9月に集中しており、冬期の積雪は北海道では少ない地域です。
「子育て・教育」を第一最優先政策に。
安平町は、2017年より町の第一優先政策として「子育て・教育」を掲げ始め、教育環境を魅力的にするべく、様々な取り組みを行なってきました。例えば、公私連携幼保連携型認定子ども園。町内に2つある子ども園が民営化され、数々の先進的な取り組みが実施されてきました。「コミュニティの核を為す」との想いから、園庭の遊具を地域住民と一緒に作ったり、「ホンモノとの出会い」を大切に考えた結果、園庭内でいつでも乗馬ができるようになっていたり。今や全国から視察の問い合わせが絶えません。
また、安平町は日本で初めて「日本型子どもにやさしいまちモデル」実践自治体として、ユニセフに認可されています。その影響もあり、随所で子どもの意見がまちづくりに反映されています。例えば、「危ないと感じる」という子どもたちのアンケート結果から、行政が動き、町道が廃道になったこともあります。
ピンチをチャンスに。教育環境の魅力化へ。
2018年9月に胆振東部地震が起こりました。死者こそ出なかったものの、安平町も甚大な被害を受けた自治体のうちの一つで、こども園も震災翌日から避難所として稼働せざるを得ませんでした。しかし、安平町はめげませんでした。「ピンチをチャンスに」という町長の宣言の元、マイナスをゼロにするのではなくプラスにしようという動きが起こります。教育においては、「挑戦」をテーマにした独自の社会教育手法「あびら教育プラン」が誕生しました。
「遊育」「あびらぼ」「ワクワク研究所」「ABIRA Talks」という4つの事業を通じて、様々な「学び」から「挑戦」に繋げる独自の教育手法「あびら教育プラン」に取り組んでいます。
子どもから大人まで、自分の人生を豊かに生きるために挑戦する人を応援し、挑戦が次々と生まれる文化を作ることで、より良い町を目指しています。
(株)FoundingBaseは、この「あびら教育プラン」を受託し運営を担っています。どんな子も「自分に期待するチカラ」を持てるように、そして、何かに挑戦することを通して豊かな人生を歩めるように。そんな想いで、学校以外の遊び・学び・挑戦の場を創っています。
2023年「自分が”世界”と出会う場所」
早来学園の開校
胆振東部地震で特に大きな被害を受けたのが、早来中学校でした。
震災後、校舎は全く使えない状態。中学生たちはプレハブの学び舎で学校生活を送っていました。新しい学校を建設する必要がある。でも、「元通り」で良いのか?安平町の教育を魅力的にするには?
そんな議論の積み重ねによって建設されたのが、義務教育学校「早来学園」です。
コンセプトは、「自分が”世界”と出会う場所」。子どもたちにとっての図書室は地域住民にとっての図書館兼コミュニティスペースとしても活用されます。これにより、「昼休みにふらっと来た中学生が、地域の子どもと遊び、お母さんの話し相手になる」みたいなことが同時多発的に起こっています。また、ガラス張りのキッチン(調理室)やアトリエ(工作室)は、元来の授業での使用は勿論のこと、地域住民が活動するスペースとしても活用することができます。
日本一の公教育を目指すまち、安平町へ
ここまで記してきたような変化をたどってきた安平町。現在は、「日本一の公教育のまち」というキャッチコピーを掲げ、より良い教育環境をまち全体で醸成できるように日々模索をしています。本フォーラムでは、安平町が実践するまちづくりの取り組みを通じて、これからの時代に求められるまちづくりの姿について議論します。