絶対 零子(ぜったい れいこ) 北大物理学科2年
出身地: 北海道礼文町 血液型: O(RH+)型
好きな食べ物:ちくわパン 好きな物理公式: Maxwell方程式
・物理が大好きでギークな女子。
・小3のクリスマスはサンタクロースに「旋盤」をお願いした。
壱石 真理(いちいし まり) 博士
出身地: 不明 血液型: 不明
年齢: 不詳
尊敬する人: リチャード・P・ファインマン
・素粒子物理から物性物理まで幅広い分野をカバーする物理学者。猫好き。
はかせ 「ぶつぶつ(独り言)・・・カーボンが・・・ぶつぶつ・・・オイラー・・・ぶつぶつ」
零子 「あっ、先生だ・・・(なにか考え事かしら?) 」
はかせ 「ぶつぶつぶつぶつ(独り言)・・・・・・・・ちっ。 」
零子 「(今、舌打ちした!?) 」
はかせ 「・・・ん? なんだ、零子君ではないか。本年も宜しく。 」
零子 「(なんだ、って…汗)あ、旧年中はお世話になりました。
今年もよろしくおねがいします!」
ところではかせ。先程から何かずっと思案されているようですが、何かトラブルですか?」
はかせ 「いや、大したことではない。どちらかというと、めでたいことなのだ。新年早々、元同僚の結婚式に招かれることになってね。スピーチを頼まれているのだが、何を話せばよいのやら。」
零子 「わぁ!そうだったのですね!そこは無難に、ご同僚とのマル秘エピソードとか、ご同僚を褒めるとか、結婚にまつわる格言などを紹介すれば良いのではないでしょうか?」
はかせ 「なるほどその程度で良いのか。
実は婚約指輪に用いられているダイヤモンドについて話してはどうかと考えていたのだ。ダイヤモンドは我々有機体を構成する炭素(カーボン)がシリコンと同じ立方晶の結晶構造で結合した、地球上で最も高い硬度を持つ物質であり、その普遍性から永遠の愛を司る、と言われて婚約指輪等に用いられているが、酸素雰囲気中で1000℃以上に加熱すると焼失してしまうので、その例えは、物理的に適切なのかと不安になってな。どちらかというとタングステンの方が高温や酸化には強い。 」
零子 「!! 」
はかせ 「そこで、愛にまつわる話をしようと思ったのだが、アイと言えば2つのi (虚数)をかけ合わせるとマイナス1になる。虚と実がオイラーの公式で複素平面上に美しい「円」を描くとはいえ、虚(いつわりの)の家庭「円」満になるのでは…と思ったり。 」
零子 「はかせ、それらは絶対に言っちゃだめなやつです!!「失う」とか「マイナス」とか。ネガティヴワードは、祝の場では禁句ですよ。 」
はかせ 「そうか。それでは新郎新婦を褒めるとするか。
新郎はアカデミックなアクティヴィティが高い研究者なのだが、
新婦も負けてはおらず、海外の大学に飛び級で進学したらしい。」
零子 「へぇ!優秀な方なのですね!
ところで、博士はどんなドレスで参加されるのですか? 」
はかせ 「私は、母から譲り受けた和服で参加する予定だが。 」
零子 「ええっ!博士の振り袖姿、見たーい。(和装でそんな物理度満載のスピーチをするなんてシュールかも・・・(笑)) 」
はかせ 「・・・話を戻そう。
我が北大の理学部にも内部でのいわゆる飛び級制度があるのは知っているかね? 」
零子 「はい。理学部学生便覧に書いてありました。正確には「早期卒業」という制度ですね。 」
はかせ 「そのとおり。 」
零子 「具体的には、どうすれば飛び級できるのでしょうか? 」
はかせ 「物理学科2年次に進級後、2年6ヶ月(通算3年6ヶ月)以上在学し、卒業に必要な単位を優秀な成績で修得したと認められた場合は、4年次1学期末で卒業することができる。 」
零子 「通常よりも半年、研究室配属が前倒しになって、半年卒業が早まるのですね。
(3年秋タームから卒業研究開始、4年夏タームで卒業)
卒業を早めることで何かメリットはあるのですか? 」
はかせ 「大いにある。
まず、この制度は大学院の修士課程・博士課程とリンクしている。大学院の修士課程と博士課程にも同様の「早期卒業」制度があるため、3年半で大学院入試を受けて進学し、修士課程でも修了を半年早めれば最大で1年間、在学期間を減らすことができるのだ。 」
零子 「すごい!
博士後期課程で更に1年早めることができたら、最大で2年早く博士号を取得できるってことですね。履歴書にもそれが日付として現れると思うので、就活等でもポジティブに作用しそうです。 」
はかせ 「それはいわずもがなである。
それだけではない、優秀な成績を修めた者は、いち早く、最先端の研究に触れることができる。同級生達よりも早く学術論文の執筆にとりかかったり、国際学会等での発表を経験することができる。同時に、日本学術振興会の特別研究員に応募し、採択されれば、研究費(給与)を受給しながら在学し、研究者の卵としての一歩を踏みだすことができる。
半年修了が早まった期間はポスドクとしての海外留学にも充てられ、実際にそうやって世界に羽ばたいている先輩も居る。 」
零子 「授業料も1年分軽減できるわけですし、国費で留学できるのは魅力的…わー、なんだかワクワクしてきた。
っとは言え、申請するにはそれなりの「良い成績」が必要なのですよね? 」
はかせ 「うむ。早期卒業候補者としての認定要件は以下の通りだ
① 全学教育科目に係る卒業に必要な単位を取得していること。
② ①以外に卒業に必要な80単位のうち、50単位以上を取得していること。
③ ①及び②に規定した単位の通算GPAが 3.50 以上であること。
④ 所属学科において早期卒業の候補者として相応しいと判断された者。 」
零子 「要件①は殆どの学生が1年生の間に全学の卒業単位をとっちゃうので、満たしていますよね。
要件②は…物理学科だったら、単位を落とさなければ3年生が全員満たせる条件です。
問題は③かぁ。私はいまのところ満たしていますが、今後の成績が「秀か優」だけなら GPA 3.50 以上をキープできる筈ですね。
これまで実際に適用された先輩はいらっしゃるのですか? 」
はかせ 「うむ、これまで早期卒業で1年早く博士号を取得した学生は既に数名の実績がある。その先輩方は今では立派な研究者として活躍しているよ。普段から真面目に授業の単位をとっていれば、決して手が届かないわけではない。零子君もぜひ挑戦してみてはどうかな。 」
零子「前向きに検討してみます!他に注意すべきところはありますか? 」
はかせ 「転部・転学科および編入学した者は早期卒業の対象にはならない。 」
零子「単位の変換がうまくいかないのかもしれませんね。 」
はかせ「それから、これが最も重要なのだが…
『物理学科以外の学科には同制度は適用されない。』
」
零子「ぎょぎょっ! 理学部では物理学科のみが実施しているのですか? 」
はかせ 「Ja! おそらく国内の大学を見渡してもこの制度を実施している大学は珍しいのではないかな?
実際の導入には…紆余曲折あってな(遠い目...)。通常の学生にも不利益が生じない様に、3年半で卒業単位が取得できるようなカリキュラムの大幅な変更も含めた改革ができたのは物理学科だけなのであーる。ふっふっふっ。 」
零子 「さっすが!物理の先生方はリベラルですねぇー。 」
はかせ 「もし、早期卒業に興味があったら学生委員の先生に相談してくれたまえ。
もちろん、そういった英才教育だけでなく、通常の学生指導もしっかりしていくつもりだが。 」
零子 「ベルカーブの端から端まで、サポート体制が充実していますね。今日のお話をおききして、早期卒業は夢物語でなく、北大の物理学科ならば現実に手が届きそうなことがわかりました。
「跳び級」に憧れる物理女子/男子は、ぜひ挑戦してみてくださいね!(私も普段のお勉強からがんばろーっと。)」
本学部では「早期卒業」の制度があり、物理学科2年次に進級後、2年6ヶ月(通算3年6ヶ月)以上在学し、卒業に必要な単位を優秀な成績で取得したと認められ、かつ、学科ごとに定める卒業に必要な基準を満たした場合は、4年次第1学期末で卒業することができる。ただし、転部・転学科及び編入学した者は、早期卒業の対象にはならない。申請時期、要件等の概要については以下の通りである。
【対象学科】 物理学科(物理学科以外の学科には同制度は適用されない。)
【申請】 申請時期:第3年次第1学期の所定時間(別途指示)
早期卒業候補者としての認定要件:
1.全学教育科目に係る卒業に必要な単位を修得していること。
2.1以外に卒業に必要な単位80単位のうち、50単位以上を修得していること。
3.1及び2に規定した単位の通算GPAが3.50以上であること。
4.所属学科において早期卒業の候補者として相応しいと判断された者。
【卒業】 卒業時期:第4年次第1学期末
卒業要件: 1. 卒業に必要な単位を取得していること。
2.通算GPAが3.50以上であること。