次世代のためのオンライン教材の充実

オンライン教材の充実による時間と場所を選ばない学修環境の整備

(令和5~6年度重点支援)

 水産学部では現在、大学から措置された予算で「バランスドオーシャン」という事業を実施しております。これは、オンライン教材の整備・蓄積をすることで未来の海のトップサイエンティストを育成する事業です。

バランスドオーシャン事業

 従来の教室で行う授業や実験に加えて,それを強化するための補助教材,実験や実習の動画,さらには教員の研究内容などをオンライン教材化することで,学生がいつでもどこからでもそれらの素材にアクセスでき,学びの先取りができるようになります。

 水産学部の教育研究対象は,実際に見ることのできない海の中であったりミクロな世界であったりすることが多々あります。そのような世界をあらかじめオンライン教材化することで,水産学部における教育や研究の内容をいち早く理解することができます。

◇動画教材例:Neocalanus Cristatas

◇動画教材例:マルチプルコアラ―

 バランスドオーシャン事業は,北海道大学の学生だけを対象にするものではありません。水産科学における学びを志し,様々な実践に取り組むみなさまに広くオンライン公開しています。場所や時間の制約を越え,また分野や学年の垣根を越えて主体的な学びと探究を進める仕組みです。優秀な学び手が集い,共に育ち,社会教育への貢献を通して,北海道大学が人類社会に貢献することを目指し,学部全体で精力的に事業を進めています。

 このようなオンライン教材は,内容を常に最新の状態に保ち,新たに教材を追加していくことが何より重要ですが,そのためにはシステムの保守費や教材を作成する人件費等で,最低でも年間2,400万円ほどの費用が必要となっております。

バランスドオーシャン 動画検索例

期待される成果

・学生をはじめとする利用者は時間や場所によらず,自身のパソコンやスマートフォンから最新のオンライン教材を閲覧し,学修・研究を進めることができます。

・履修している講義や専門によらず,先取り学習や学習分野の拡大等が期待されます。

・人類社会に貢献する,未来の海のトップサイエンティスト,横断的な視野をもった水産科学を担う人材を育成します。

What’s Balance de Ocean ?

 バランスドオーシャン事業は,「海のトップサイエンティストの早期発掘と育成」を目指した教育プログラム(北海道大学機能強化促進事業2019 – 2023)です。従来の対面式の授業や実習に加え,それを強化するためのオンライン教材を提供し,早期に学生の研究志向性を高め,海のトップサイエンティストとなる人材を育成するものです。また,オンラインの利点を活かし大学の国際化にも貢献することを目指しています。

 大学の限られた資源のもとで持続的にプログラムを進めるためには,「研究の加速」と「教育の質向上」を両立(バランス)させなくてはなりません。まずは,海の分野からということで,Balance de Ocean(バランスドオーシャン) と名付けました。将来的には,海の分野に限らず,北海道大学の各学問分野を“Ocean”に見立て,それぞれの海を自由に航行できる教育システムの構築を目指しています。

 具体的には,教育システムプラットフォームとして普及している「Moodle」を用い,独自のオンライン教材を開発して全世界にインターネット公開します。日本や世界中の人々が海の学問に関心を持ち,北海道大学への進学を目指すきっかけを提供します。北海道大学の学生をはじめ,北海道大学での学びを志す人達が,場所や時間の制約を越え,また分野や学年の垣根を越えて主体的な学びと探究を進める仕組みです。優秀な学生が集い,共に育ち,社会教育への貢献を通して,北海道大学が人類社会に貢献することを目指します。

 このMoodleのシステム名称として,「バランスドオーシャンを通じた教育研究」Learning and Study by Balance de Ocean System (LASBOS)を冠につけて,LASBOS Moodleと呼ぶことにしました。

 バランスドオーシャンでは,大学一年時に学ぶ全学教育に相当する内容から,実験・実習,専門教育,そして第一線の研究内容まで,多種多様かつ多言語化されたオンライン教材(コース)を数多く公開しています。こうしたコースの海を自由に航行して人類の課題である「持続可能性水産科学」における学びを深め,課題を解決する新しい研究や取組みを生み出していただくことを願っています。