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ほとんどの物質は低温で硬く、高温で柔らかくなります。この材料は、低温(室温)では通常のゼリーのような柔らかさを示しますが、高温で非常に強い相分離構造を形成し、樹脂並みの強度を示します。最大で2000倍ほど硬くなり、何度でも繰り返し硬化・軟化させることができます。
ゲルの網目構造を直接観察することはこれまで困難でした。私たちはナノレベルで高分子網目を“直接見る”新しい方法を開発しました。ミネラルを用いた新しい染色と網目構造を支持する骨格構造をを組み込むことによって、透過型電子顕微鏡で観察可能にしました。これにより、既存の高分子ゲルの構造解析技術を補完し合いより精緻な構造を明らかにすることが期待されます。
2000年代から日本先導的に既存の力学物性を遥かに凌駕するハイドロゲルが開発され、人工軟骨・靭帯・腱などの結合組織への応用が期待されています。しかしハイドロゲルはその高含水率特性から、既存の医療用接着剤が機能しないなど、生体内での固定化に課題がありました。私たちは、骨の無機主成分である水酸アパタイトをゲルに対して均一に、かつゲルの体積変性を起こすことなくコーティングする技術を開発しました。このゲルをウサギの軟骨下骨に埋植すると、ゲル内部へ骨形成が誘導され、骨と完全に一体化することで高い接着強度を示すことが明らかになりました。この技術によって高強度ゲルの臨床応用の課題であった生体内固定がクリアされ、臨床応用へまた一歩近づきました。
To be continued...