・超流動懸垂液滴の異常振動モードと滴下周期の離散化
フィルムフローにより容器から自然と溢れ出る超流動ヘリウム4は、容器底に付着した懸垂液滴を形成して滴下する。この液滴を高速度カメラで観測したところ、付着中に大振幅かつ無減衰で振動することを見出した。この振動は粘性のない超流動液滴のみで起こりえる、異常な振動であることが分かってきた。また超流動液滴の滴下周期は、この大振幅振動の影響を強く受けて、流量が変化しても一定値に離散化することも見出した。よく似た系である蛇口から滴下する水は、カオスを示し、流量が一定であっても滴下周期が広く分布することが知られており、全く異なる振舞を見せる。液滴の滴下という、身近にもありふれた現象でも、超流動性が反映すると本質的に異なる振舞を見せることがあるというのは興味深い。
・大きな非平衡下での超流動流体力学
・ヘリウム量子結晶の成長ダイナミクスの可視化