硬さを変えられるコラーゲンゲルで細胞培養 —新プロトコルを開発
硬さを変えられるコラーゲンゲルで細胞培養 —新プロトコルを開発
次世代ソフトマテリアル共創拠点(C3-SMART)の参画者である石原誠一郎助教と芳賀永教授が硬さの調整ができるコラーゲンゲル上で細胞を培養するプロトコルを開発しました。
細胞外マトリックス(ECM:extracellular matrix)の硬さは、細胞の増殖や分化といった細胞機能にとって極めて重要です。特に、がん細胞はECMの硬さに反応して悪性度を変化させることがわかっており、細胞機能を理解・制御する上で重要な要素です。
本研究では、細胞毒性の低いアミン系架橋剤であるゲニピン(genipin)を添加することで、硬さを調節したコラーゲンゲル上で細胞を培養するプロトコルを開発しました。ゲニピンを用いたコラーゲンゲルの調製、細胞の培養、そしてゲル上での細胞の免疫蛍光染色の手順について解説しています。
このプロトコルを用いることで、細胞毒性が低く、異なる硬さのコラーゲンゲル上で細胞を培養することが可能になります。硬さの異なる細胞外マトリックス上で培養された細胞の機能解析やタンパク質/遺伝子発現の解析への応用が期待されます。
論文情報
Seiichiro ISHIHARA, Hisashi HAGA
"Protocol to culture cells on genipin-mixed collagen gels with different stiffnesses "
STAR Protocols,Volume 6, Issue 4, 104125 (2025).
DOI: 10.1016/j.xpro.2025.104125
お問い合わせ先
北海道大学 次世代ソフトマテリアル共創拠点 ソフトマテリアル統括室
smart※sci.hokudai.ac.jp ※を@に変更してください