北海道大学
先端生命科学研究院
准教授 野々山貴行
北海道大学は、ソフトマテリアル研究の分野で世界トップレベルの成果・人材・設備を有し、長きにわたり当該研究分野を牽引してきました。ソフトマテリアルとは、高分子、ゲル、コロイド、生体材料など、私たちの日常生活に身近でありながら、環境・情報・エネルギー・医療など幅広い分野で未来を切り拓く先端材料です。金属やセラミックスといった「ハードマテリアル」とは異なり、ソフトマテリアルは比較的若い学問領域であり、近年、日中欧米を中心に基礎研究と応用研究が爆発的な勢いで加速しています。
こうした潮流の中、当拠点は分子・高分子・バイオ由来材料の構造・物性・機能を深く理解し、設計原理を確立する先端基礎研究と、その成果を社会へ還元する応用研究を両輪として推進しています。さらに、持続可能なエネルギー、環境保全、医療・健康、資源循環といった人類共通の喫緊の課題に取り組むため、先端生命科学研究院、工学研究院、医学研究院、農学研究院、水産科学院、フィールド科学センター、北海道大学病院の7部局が有機的に連携し、学際的かつ総合的な研究体制を築いています。また、本拠点の特徴として、40歳未満の若手研究者を中心に組織しており、世代交代を見据えた持続的な拠点形成のモデルとしても位置づけられています。
私たちは、この強固な学内連携と世界各国の研究者・企業との協働を通じて、ソフトマテリアルの新たな可能性を切り拓き、社会に革新的な解決策をもたらします。そして当拠点は、国内外の企業や研究機関、自治体など多様なパートナーとの連携を心から歓迎し、共に未来社会の創造に貢献してまいります。北海道の広大な自然のように、自由で開かれた発想から生まれる知と技術で、持続可能で豊かな未来を実現してまいります。
本研究拠点は、ソフトマテリアルの基礎研究・応用研究を中心として、陸海フィールドや先端医療との連携により、北海道地域、ひいては日本・世界の課題を解決することを目的としてしています。柔らかくみずみずしいテイストの北海道を海・山・医療が取り囲むイメージをデザインしました。また、札幌キャンパスと函館キャンパスの位置に星を置き、心理を見通す目を入れることでインパクトのあるロゴに仕上げました。