「リカバリー」について

リカバリーとは

リカバリーとは自分のありたい姿送りたい姿を見つけたり、ひととして生きる中で自分なりの意味を見つけたりしていく過程のことです。個人の態度や価値、感情、目標、技術や役割が変化していく過程のことをさします。

特徴

  • 個人的で、人によって異なる過程である。

  • 精神の病 気による制限があったとしても、何かに貢献 し、希望にあふれ、満たされた生活を送る生き 方である。

  • リカバリーには、精神疾患による壊 滅的な影響を乗り越え成長する中で人生につい ての新たな意味や目標が見出されていくことが 含まれる。

人生の主人公はあなたです!

リカバリーは、進んでいくペースやその方向性、内容を他の人に決められるものではありませんその人自身で、10人いれば10通りの進み方があります。

病気や障害があってもなくても、その自分を受け入れ、希望をもって自分の人生をより充実させていくものです。

あなたの人生はあなたが主人公なのです。

「リカバリー」のあれこれ

リカバリーについて世界中でいろいろなことが報告されています。
ここではその内容の一部を参考としてご紹介します。

リカバリーの3つの概念

リカバリーには、3つの概念があります。

社会的リカバリー
社会とのつながりの拡大を目指すこと。

パーソナルリカバリー
当事者が希望する人生の到達を目指すプロセス。
精神疾患の経験者たちから出てきた考え方で、病気 からの単純な回復とは違います。

臨床的リカバリー
精神保健従事者の見方から出てきた考え方で、症状を取り除くこと、社会的機能の回復などが含まれます。


参考:

Secker J,et al; Disabil Soc 17;403-418,2002.

Slade m, Lomgden E: BMC Psychiarty 15:1-14,2015.

Leendertse JCP,et,al, Front Psychiatry 12:622628,2021.


リカバリーの構成要素

自己決定が前提としてかかせない

個別的でその人中心のありよう

エンパワメントの過程である

その人の全体的な現象である

経過は非直線的である

ストレングスに注目する

仲間の支えが欠かせない

尊厳が重要な要素

自分の人生に対する責任をとる

希望の存在が最も重要な要素

参考:全米リカバリー勧告団.2014

リカバリーに影響する要因

専門家サービスの阻害要因

病理中心主義、組織改革の欠如、危機への対応不足、サービスの断片化、
個別化の欠如、教育の欠如、ケア継続性の不備

専門家サービスの促進要因

リカバリー志向、組織改革の奨励、全人的対応、多様性に対する耐性、
パートナーシップ、待ち時間の少なさ、早期介入、柔軟性、個別性、
案内人システム

参考;Onken et al,2002.