おいしいって何だろう

日程  10月28日(土)

活動場所  前橋女子高校 調理室

講師  露久保 美夏 先生

 所属  東洋大学 食環境科学部食環境科学科 准教授

 略歴  お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科

     ライフサイエンス専攻修了 博士(学術)

 専門分野  調理学 食育

 所属  東洋大学 食環境科学部食環境科学科 准教授

 略歴  お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科


「おいしいって何だろう? ー調理のコツ、そこには科学があった!ー」ということで、2種類の膨化剤(重曹・ベーキングパウダー)を用いて蒸しパンを作り、膨化の原理やそれぞれの特徴に科学的に迫りました。

<材料> 1班(4人)分

    薄力粉    砂糖     水          重曹     ベーキングパウダー

 A   50g                         15g                         50g                       1.5g                                 ー

 B               50g                          15g                        50g                         ー                                             2.5g

<方法>

①蒸し器の鍋に水を入れ火にかける。

②A,Bともに、水以外の材料をボウルに入れてヘラで混ぜる。

③水を加えて混ぜる。粉っぽさがなくなった時点で混ぜるのをやめる。

④それぞれカップに4等分にしていれる。

⑤蒸気の上がった蒸し器で10分蒸す。

⑥見た目、におい、味、食感などについて官能評価を行う。

見た目

ベーキングパウダーのほうが白い

   重曹(黄色いほう)は少し硬そう。。。

中身

重曹は空洞が大きい

ベーキングパウダーは空洞が細かい

重曹

独特なにおい(饅頭のにおい)がした

ねっとりしていて少し弾力があった

ベーキングパウダー

小麦のにおいが強い

ふわふわしていて、重曹と比べると甘く感じた

実験後、講師の先生に実験の結果の理由、補足をしてもらいました。

重曹とベーキングパウダーの違い

どちらも主成分は炭酸水素ナトリウムですが、ベーキングパウダーには助剤(酸性剤)が含まれています。

重曹の場合、加熱すると炭酸ナトリウム、水、二酸化炭素ができ、二酸化炭素によって生地が膨らみます。(重曹2分子から二酸化炭素1分子ができる)小麦粉中には、フラボノイド色素が含まれていて、炭酸ナトリウムのアルカリ性はこのフラボノイド色素を黄色くします。

一方でベーキングパウダーの場合、重曹は含まれているので、膨らみ方は重曹のみのときと同じですが、重曹のガス発生反応をコントロールする助剤が添加されているため、重曹1分子から二酸化炭素1分子を発生させることができます。また、助剤の酸と炭酸ナトリウムのアルカリによる中和反応が起こるため、中性塩が残りますが、中性なので生地を黄変させる影響があまりありません。

その他にも膨化させる方法や小麦粉の違い(中力粉、薄力粉など)、小麦粉の特徴など、たくさん教えていただきました。