この度、2026年度心臓血管外科サマースクールの実行委員長を拝命しました、山形大学外科学第二講座の内田徹郎です。
本サマースクールは、日本心臓血管外科学会、日本胸部外科学会、日本血管外科学会、日本循環器学会の4学会の支援のもと、未来の心臓血管外科を担う若き才能を育成・支援するために開催される毎年恒例のイベントです。
現在、われわれを取り巻く医療の環境は大きな転換期にあります。医師の働き方改革に加え、特に心臓血管外科領域においては「診療科偏在」や「地域偏在」などが深刻な課題となっています。外科医の過酷なイメージや修練期間の長さから、志す若手医師が減少傾向にある事実は否定できません。しかし、心臓血管外科という分野は、生命の危機に瀕した患者さんを自らの手で救い、劇的な回復を目の当たりにできる、医師としてこの上ない「やりがい」と「感動」に満ち溢れています。
コスパ、タイパ重視の昨今、あえて時代に逆らって、この心臓血管外科という領域に興味を持ってくれた君たちに心からの敬意を表するとともに、未来の仲間として働ける日がくることを本スクールに携わるスタッフ全員が期待しています。
サマースクールでは、心臓血管外科臨床の最前線に立つ先輩たちが、全国各地から集まってくれます。ウェットラボはじめ多彩な内容の講演会のみならず、「心臓血管外科の素晴らしさを次世代に伝えたい」という熱い想いの先輩医師や同じ志を持つ全国の仲間と膝を突き合わせ、学び、語り合う時間はかけがえのない経験になるはずです。
君たちが心臓血管外科に抱いているであろう「手術で患者さんを救いたい」、「手術が上手くて格好いい外科医になりたい」といった熱い希望、また「はたして自分にできるだろうか」という将来への漠然とした不安、こうした君たちのさまざまな想いの全てをわれわれは全力で受け止めたいと思っています。
この夏、一緒に熱い時間を過ごせることを心待ちにしています。
2025年4月吉日
心臓血管外科サマースクールへようこそ!
このサマースクールは2011年に始まりましたが、次世代の心臓血管外科をリードする気概に溢れた皆さんが集い合い、基本となる技術をブラッシュアップするまたとないチャンスです。日本の名だたる心臓血管外科の先輩方が数多く指導に参加してくれ、外科医の心得、解剖の解説、縫合や運針のコツ、手術の楽しさなどをじっくりと解説してくれます。将来のキャリアデザインを描くお手伝いもしてくれます。一流の心臓血管外科医ならではのエピソードを聞けることも得難い経験になると思います。
日本全国から心を同じくした同年代の仲間が集まってくるので、大学や病院を超えた貴重な交流の時間を手にすることができるのも大きな財産となるでしょう。一生に残る楽しく、充実した2日間のスクールとなることは間違いなしです。
心臓血管外科サマースクール2026を今年も開催できることを楽しみにしています。
心臓血管外科サマースクールは、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本血管外科学会、日本循環器学会の共催で毎年開催されています。
日本胸部外科学会は、心臓血管外科、呼吸器外科、食道外科の3領域を統括する学会として、若いみなさんの育成に力を注いでいると共に、若いみなさんの力を必要としています。
外科医の仕事は、手術によって患者さんに大きな幸福をもたらすことができ、患者さんからもご家族からも大いに感謝される非常にやりがいのある仕事です。だからこそ、われわれ外科医は、常に知識をアップデートし、技術を磨き、しっかりと準備をしたうえで手術に臨み、患者さんにとって最高の治療を提供しているのです。患者さんのために全力を尽くそうとする情熱も、その過程で得られる手技の習得・向上も、日々の手術における創意工夫も、患者さんから頂く感謝の言葉も、すべてが自分自身の人生を充実させ、達成感や幸福感をもたらしてくれます。
外科医の減少を時々耳にしますが、これから外科医の価値はますます上がり、みなさんを明るい未来が待っていることに疑いの余地はありません。
心臓血管外科サマースクールの参加によって、心臓血管外科手術を垣間見て、あるいは、先輩や仲間と交流して、皆さんが心臓血管外科、胸部外科に興味を持ち、その魅力を感じとる機会になることを期待しています。
将来、立派に成長した皆さんと、どこかの手術室で、あるいは学会の場で、お会いできる日がくることを心より願っています。
循環器医療は待ったなしです。急激に病状が悪くなることがある一方で、適切に治療すれば病状はてきめんに回復します。適切な治療により、患者・家族より感謝されることも多く、非常にやりがいがあります。
日本循環器学会は、循環器内科、心臓血管外科、小児循環器領域の医師ならびにメディカルスタッフで構成されています。心臓血管外科領域の手術のみならず、循環器内科、小児循環器領域のカテーテル治療など、内科、小児科領域であっても、ダイナミックな手技も多く、医師として患者の命を救っていることを実感できます。サマースクールで循環器領域の魅力を感じ取っていただき、将来循環器領域を専門とする医師になっていただけることを願っています。