本プログラムの履修生は、事前知識(Prerequisite)科目と講義(Classes)科目を受講します。実世界データ演習(Practicum)は、自習とグループワークにより進められます。修了審査(Qualification)は、実世界データ演習の成果に基づき行われます。
実世界データ演習に参加できるレベルに引き上げるための導入科目です。必要に応じて参考文献を調べるなどにより、主体的に実習に参加できる基礎能力を養います。実世界データ演習を受講する場合には必ず単位取得する必要があります。
数理科学基礎Ⅰ:統計学の基礎と多変量解析などのデータ解析理論を、用語や基礎方程式を中心に、講義と演習に基づき平易な数学の範囲で教授する。
基本データツールⅠ:データ解析ツールの基本的な使用法を学修する。データ解析の概要や利用例を、デモンストレーションや体験を交えて学ぶ。基本データ解析ツール を扱うために、Python等のプログラミング言語を習得する。
数理科学基礎Ⅱ:数理科学基礎Ⅰに同じ。
基本データツールⅡ:基本データツールⅠに同じ。
実世界データ演習の内容を深く理解し、自ら解決のために着想できる能力を養うために、以下のような講義や実習を開講します。
データマイニング:統計的推定や学習により、データから規則や知識を抽出する方法を講義形式で学ぶ。
機械学習:機械学習の理論を講義形式で学び、回帰や分類等の典型的な問題に対する機械学習の応用例を紹介する。手法の性能評価法などについても学ぶ。
実世界データ処理学Ⅰ:実世界データを扱う上で必要となる事項について学修する。データ倫理、プライバシ保護、データ前処理、クレンジング、データエラー検出、正解データラベリング、データ量と計算量、過学習などを対象とする。
パターン認識Ⅰ:識別、分類、返還等のパターン処理技法を対象とする。機械学習の実施方法を実習形式で習得する。
ドメイン数理知識Ⅰ:解析するデータの背景知識を数理的に理解することを目的に学修する。生命系、物資材料系、システム系、人文社会系の4分野について、講義を実施する。履修生は、自身の専門性、及び、実世界データ演習で取り組む課題の分野を考慮して、受講する講義を選択する。
プロジェクトマネジメント基礎Ⅰ:実データを活用した課題解決をグループで進めるための基本事項及びスキルを学修する。WBS(Work Breakdown Structure)を用いた工程管理など、グループワークの基礎を学ぶ。また、解析結果を可視化、文書化する技法、及び、そのプレゼンテーション法を学ぶ。
実世界データ処理学Ⅱ:実世界データ処理学Ⅰと同じ。
パターン認識Ⅱ:深層学習の理論を学ぶ。ネットワーク構造、入出力情報の表現方法、パラメータ推定など、深層学習を用いるために考慮すべき点を教授する。
ドメイン数理知識Ⅱ:ドメイン数理知識Ⅰと同じ。
プロジェクトマネジメント基礎Ⅱ:プロジェクトマネジメント基礎Ⅰと同じ。
高度プログラミングⅠ、Ⅱ:クラウド環境でのプログラミング、GitHubのような開発環境の利用法、GPUの活用方法などの実践的なスキルを学ぶ。
事前知識科目の単位が認定されている場合に限り参加できます。
企業等から提供を受けた課題群の中から、データ量や必要な作業量などに着目して、演習課題群を事前に選択します。
背景の異なる学生や社会人5人からなるグループを構成し、企業等から提供された演習課題の性質を考慮しつつ、各グループに演習課題を割り当てます。
チームは課題とデータを提供する企業や団体との間で機密保持契約を結び、課題提供企業・団体から、課題の意味と提供されるデータの収集方法に関するに関する詳細な説明を受けます。その際、実習が想定するゴールを、課題提供企業との間で共有します。
実世界データ演習は、自学・自習とグループワークに基づいて進められます。グループは、メンターの支援を定期的に受けながら演習を進めます。
実世界データ演習の成果は、レポートとプレゼンテーションにより評価します。演習は課題の全体像と自らの果たした役割を発表します。発表機会は、教員への発表と課題提供企業・団体に対する発表の2回が設けられます。評価は、教員による評価、課題提供企業・団体による評価に加えて、グループのメンバー同士の相互評価の三つの評価を総合して、修了評価を行います。
修了に必要なすべての単位を修得している場合に,修了となります。