story
あらすじ
作詞家としてプロの道を歩む一人の青年、入江流唯。
刺さる唄を、響く言葉を、「良い作品」を追い求めて…追い求められて、
気付いた頃には言葉を生み出すループは作業と化し、考えずにはいられなかった。
作詞家って何ですか? 言葉って何ですか? 僕の言葉は誰かの役に立っていますか?__と。
『暇は敵なので』と笑顔を振り撒き、いい子を装う様になったのは、
それからしばらくしてからのこと。
大切な何かをどこかに置いてきてしまった25歳の春。
『新進気鋭の作詞家』という称号を手に入れた流唯は出会った。
それはそれは口が悪くて、それはそれは鬱蒼しい、『流唯の本』におけるとっても重要な登場人物に。
彼の名は、カイ。
誰かに聞かせたい唄を作ってください。
__俺に聞かせたい唄を作ってみせてください。
彼の要望は至って単純で、
この時の流唯にとっては、とても難しいものだった。
その唄が完成する時、流唯の言葉はどんな役割を果たすのか。
そして、流唯の前に現れた“カイ”とは一体誰なのか。
「窓から見える空の寂しさって、分かりますか?」
_________配信朗読劇onetake「カイ」
あらすじ|若杉栞南
彼らの言葉
「窓から見える空の寂しさって、分かりますか?」
「作詞家って…なんですか? 言葉って、何ですか? 僕の言葉は誰かの役にたっていますか?」
「久しぶりに、目を閉じるのが怖くない夜だった」
「あなたは、なんのために唄を作ってるんですか?」
「人生の転機というものがあるとしたら、紛れもなくこの出会いのことを指すのだと思う」
「『世界が逆転してしまえ』って願ったことは?」
「僕の言葉に耳を傾ける覚悟が僕自身にあるのだろうか」
「それはそれは口が悪くて、それはそれは鬱蒼しい、この本におけるとっても重要な登場人物」
「雪が降り積もる総合病院の屋上に、足跡が線を描く」