あらすじ

◻︎あらすじ◻︎

2032年。

海を渡ったある国で疫病が流行り出す。

その疫病は、死に至り、蘇り、肉を求めると言う。

どこにでもある街の

どこにでもいる親子。

どこにでもあるはずの世界の

これからあるかもしれない物語。

少し前に閉鎖された街で、塀の中に聳え立つビルを見上げるのは暁月みのり。

彼女の手にはまだ感触が残っていた。

幼いときに手を伸ばしたラベンダーの感触も、母と繋いだ手の感触も、父の横で握り締めた真っ白な錠剤の感触も。

色んな感触を残したまま大人になったみのりは、高い高いビルを見上げて願う。

世界を崩壊させた者の世界が、崩壊しますように…と。

凶手とは、人ならざる者とは、母とは、父とは…家族とは。

形を変えてもなお家族でありたいと願ってはダメですか?

「ねぇみのり…もうすぐ…会えるね」



 

_________配信朗読劇onetake真っ赤なひとみ」

あらすじ|若杉栞南