Sptoolとtgvitプログラムのメモ


sptoolとtgvitは、分光データの解析に用いる、国立天文台の竹田さん作成のwindowsプログラム。詳しくはそれぞれのプログラムのページにある、竹田さん作成のマニュアルおよびTakeda et al.(1995,2002,2005等)参照。sptool:ラインの同定、等価幅測定、ラインの広がりの測定、元素量測定(LTE)とかに使う。tgvit:鉄I/IIラインの等価幅から大気パラメータを決める。

sptool

コマンドプロンプト(以下、CPと略す)で「spshow」と打つと、モデル大気のパラメータ設定するパネルが出てくる。 速度を求めたりする場合はこちらからマニュアルに従って進む。
単純にスペクトルを見たり、等価幅を測ったりする場合は、CP上で、「spshow filename」と打つ。 スペクトルが表示される。filenameは、txtかfits。
「C:\sptool\window.ini」をいじると、fittingや表示のパラメータが変更できる。
スペクトルを見る画面での操作法メモ入力したキーに対する応答h:quick helpを出す。q:終了x:「x」と打った後にx方向の値の表示範囲を入力して指定y:「y」と打った後にy方向の値の表示範囲を入力して指定X:x方向をオートスケールにY:y方向をオートスケールにc:「c」と打った後に表示したい中心波長の値を入力0:それまでに入力したパラメータを初期化z:x方向にzoomu:x方向にunzoomZ:y方向にzoomU:y方向にunzooms:入力した数字の分だけスペクトルをx方向にずらす|(縦棒):bisectorモードにする。モード0,1,2,3があり、縦棒を押すごとに切り替わる。モード2が倍セクターを測定するのに適しているよう。 その上でマウスモードにして、等価幅を測るような要領で見たいラインの端とcontinuumをクリックしていく。 すると、「ewcal.log」に値が書き込まれていく。R,L,C,FNというのが書き込まれるが、CはC=(R+L)/2の値であり、「C vs FN」の図を書けば必要な図が出来る。n:新しいファイルを読み込むR:波長分解能の値を指定できる(無限大の時は0と入力)):表示範囲を少し右へ動かす>:表示範囲を大きく右へ動かす(:表示範囲を少し左へ動かす<:表示範囲を大きく左へ動かす^:表示範囲を上へv:表示範囲を下へr:リファレンスのスペクトルも合わせて表示させる。デフォルトでは太陽スペクトルが出てくる。I:ラインの名前を表示させるF:表示されている範囲のリファレンスのスペクトルに合わせて、自動でRVを補正V:RVをもとに戻す/:「/」に続けて数字を入力して、スペクトルの傾きを補正t:「t」に続けて数字を入力して、スペクトルを入力した数字倍する。 Continuumの値を1からずれているのを直すときに使う。 等価幅や速度を測るときは「t」と「/」を使ってラインを本来の形に戻してから測定を行うべき。+:「+」を押したうえで、デフォルトではもう一度enterを押すと、tgvitプログラム用の鉄のラインが順番に同定されていく。 「]」を押すと次のラインへ。「[」を押すと、前のラインへ。 同定されたラインについてそれぞれ等価幅を測って行く。 この状態で等価幅を測ると、「**.wdt」ファイルに、tgvitプログラムで必要な、ラインの番号、観測した等価幅、観測波長などの情報が書き込まれるので、非常に便利。またfittingした波長等の情報は「ewcal.log」に書き込まれるので、それをgrepで取ってくる等すれば、視線速度測定も出来る。\:マウスモードへ(等価幅はマウスモードで測定)L-click shows the position (wavelength, intensity) of the cursorL-click with SHIFT EW measurement (three clicks: left limit, right limit, continuum)L-click with CTRL x-range specification (such as 'x') (two clicks: left limit, right limit)L-click with SHIFT+CTRL display id-info (short format) (two clicks: left limit, right limit)R-click Exit from the mouse mode, returning to the normal key modeG:緑のpanelへ戻るO:観測データのスペクトルをテキストファイルへ書き出す。(ファイル名を入力)o:表示されている観測データやモデルのスペクトルを合わせてテキストファイルへ書き出す。 ⇒書き出す波長刻みを指定可能。 また、合わせて観測データのスペクトルについて元々の波長刻みで書き出す事も同時に出来る。

@:mpfitへ(速度の測定法。竹田さんのマニュアル参照)
widthの使い方sptoolで等価幅測定後に「%」を押す。 ⇒ミクロ乱流の値等を答えると、「**.win」や「widfiles.lst」というようなファイルが生成される。「**.win」の ・ 最初の「1 1.00」がvtのパラメータで、これを1だと1km、3 1.50 2.00 2.50とかに すると3つのパラメータでそれぞれ計算できる。 ・「LINE 156 t05785g430x-042m1 」 は使うラインの本数と、モデル大気のパラメータ。 ・次からがラインデータと等価幅で、最初が元素、26.00がFeI 20.01がFeII、次が波長、励起ポテンシャル、loggf、その後の3つはラインの減衰パラメータ ⇒vtや等価幅の値など適当に編集する。 (下の方のENDの後がモデル大気で、「t05785g430x-042m1」とかの中身(?)⇒変更する場合はもう一度「%」から作り直す(?))
「widfiles.lst」()の中のf-5の所にラインデータの含まれた「**.win」、f-44の所に出力ファイル名を設定。コマンドプロンプトから「width」を実行。

tgvit

一行目に鉄のline number、2行目に測定した等価幅(mA)の値が入ったファイル「filename.obs」用意。(.obsファイルの中身は、走らせると書き変わってしまうので、やり直す為のbackup用にこのファイルのコピーも残しておく。)また、あまり強いラインは、damping paremeterの不定性等があり危険なので、等価幅が100mAを超えるラインは除いておく。(cf. Takeda et al. 2005, PASJ, 57, 27, Section 3.1)
コマンドプロンプトで実行「tgvit +N filename」(Nはイテレーションの回数) 2.5σ以上の点を削除「checkup filename a」aをwやcに取り換えると、「EW vs A」や「EW vs 励起ポテンシャル」の図も見れる。「イテレーション5回⇒check⇒イテレーション5回⇒check⇒イテレーション5回」というような形で繰り返し走らせる。