大会宣言
2011年(平成23年)、第51回関東甲信越静地区造形教育研究大会新潟大会が長岡市にて開催されました。「つくる喜び みる楽しみ かかわる・つながる造形教育 ~『よさ』が広がる造形活動を求めて~」の大会テーマのもと、子ども達一人一人のよさが認められ、それが更に広がっていく姿に光を当て、造形教育の意義とその在り方を追求しました。
それから11年が経ちました。その間には、東日本大震災の復興に向けた取組、持続可能な開発目標SDGsの国連での採択、GIGAスクール構想による教育改革等がありました。加えて、今なお続く新型コロナウィルス感染症の流行、大国による隣国への軍事侵攻など、世界を揺るがす出来事により、私たちを取り巻く社会や学校は大きく変わることとなりました。今後、少子高齢化やグローバル化等が一層進み、やがて、ロボットやAI等の新たな技術が飛躍的に発展した世界、Society5.0の時代がやってきます。その世界では、中心は技術ではなく、あくまでも「人」です。私たちは、今後、人間中心の豊かな社会を目指して教育を更に推進していかなければなりません。
そこで、本大会のテーマには、「未来につながる学びをひらく造形教育の今 ~わたしをみつめる・わたしをひらく・美術をみつめる・美術をひらく~」を掲げました。このテーマには、造形教育を通して子どもたちに、答えが一つでない未来、答えが予測できない未来を、主体性をもって自立的に生きていく力をはぐくみたい、そんな願いを込めています。
このテーマのもとに本大会では、人と人との自由な触れ合いが難しい状況でもそれを乗り越え、自ら学びを深める力や、つくる行為を通して自分なりの意味や価値を創造し、未来に生きて働く力を育てることなど、これからの造形教育の一層の充実に向け、教育現場のリアルな「今」を交流します。
そして、関東甲信越静地区の多くの先生方とともに、子どもたちの自発的な遊びや図画工作・美術の豊かな学びの価値を再認識したいと考えます。私たちは、その認識の上に、今後の造形教育の在り方について考えを深め、子どもたちが自ら未来につながる学びをひらくことができるよう力を尽くしていくことをここに宣言します。
2022年(令和4年)11月11日
第61回関東甲信越静地区造形教育研究大会新潟大会
第34回新潟県美術教育連盟研究大会上越大会