【細胞診断とは?】
組織診断では、患者さんの体から検体を採取する際に、患者さんに麻酔をかけたり、内視鏡を使ったり、皮膚を切開するなどの危険や侵襲を伴います。
細胞診断は、このような侵襲が少なく、簡易的に細胞の採取が可能です。(中には苦痛が伴うものもあります。)
よって、組織診断の前に、または併用で検体が採取されます。採取されるものの代表的なもの次の表にまとめました。
細胞診検体は組織検体とは違い、基本的に95%アルコール固定を行います。
その後、細胞診断の基本染色であるPapanicolaou染色を行います。組織診断と同様その後、診断で必要があれば特殊染色、免疫染色を行います。
診断方法は、 Papanicolaou分類に従い(子宮膣部、頚部についてはベセスダ分類を併記)、細胞検査士がスクリーニングを行い、良性、悪性を篩い分けます。
悪性については、細胞診指導医とのディスカッションにより診断・報告をします。
細胞診断は組織診断よりも簡便で侵襲の少ない検査方法ではありますが、固定不良や、良悪性の鑑別が困難な症例(偽陽性、偽陰性)、深達度(浸潤の度合い)の判定、細胞採取量が少なく判定できないなど短所もあり、組織診断との総合評価が望まれます。