Lectures2010

ミクロ経済学I (於 東京理科大学)

価格理論の基礎を学習する.消費者行動の理論と市場均衡の理論が中心的な話題となる.

第1回 ガイダンス

第2回 数学準備

集合・論理・距離と位相・関数の連続性と微分可能性

  • 不動点定理・制約なし最適化・制約つきの最適化(ラグランジュ乗数法)

  • これらの内容の復習・確認のためには以下の教科書を参照してください.

    • 神谷・浦井『経済学のための数学入門』東京大学出版

    • 西村和雄『経済数学早わかり』日本評論社

    • 岡田章『経済学のための数学』東洋経済新報社

第3回 数学準備の残り[微分可能性と最適化問題]

第4回 選択と選好関係

第5回 消費者行動の基礎

  • 消費者の最適化問題・間接効用関数など

第6回 消費者行動の基礎

  • 前回の続き

  • 所得変化の効果

第7回 消費者行動の基礎

  • 支出関数と補償需要関数

  • スルツキー方程式と価格変化の効果

第8回 消費者行動の応用

  • 労働供給

  • 借り入れ制約

  • 貯蓄決定

第9回 企業行動の理論

  • 企業の最適化問題

第10回 市場均衡の基礎

  • 市場分析の歴史

  • 部分均衡と一般均衡

  • 部分均衡分析

第11回 市場均衡の基礎

一般均衡理論入門: 2人2財のケース

均衡の存在と第1定理

第12回 市場均衡の基礎

n人l財のケース

第13回 消費者行動の演習

第14回 企業行動・一般均衡分析の演習

第15回 まとめ

政策システム論 (於 東京理科大学)

20世紀において非常に影響力のあった政治哲学者ジョン・ロールズの思想に関連する経済学を説明し,現代における政策的な問題について討議する.

2時間目は以下の流れで講義します。

第1回 ガイダンス

第2回 ロールズの正義論の背景と概観

第3回 ロールズにおける「社会の基本構造」と厚生経済学の課題

第4回 アローとロールズ

(a) アローの社会的選択理論とは何か

(b) K.J.Arrow (1973) Some ordinalist-utilitarian notes on Rawls's theory of justice, Journal of Philosophy の解説

(...ロールズの正義論についてのアローの批評論文です)

第5回 センとロールズ

第6回 センとロールズ

第7回 功利主義とは何か

第8回 マキシミン原理の基礎付け

第9回 権利論とは何か

第10回 選択の自由

第11回 世代間公平性

第12回 世代間公平性

第13回 ドゥオーキンの権利論と平等論

第14回 「責任と補償」論

1時間目は学生の希望がある場合は、報告してもらいます.

報告用の文献は以下の通りです.

*時間が埋まってしまったので,基本的に報告の募集は打ち切りました.

1. アマルティア・セン『福祉の経済学』岩波書店(鈴村興太郎訳) 1-3章 (報告者決定: 5/12報告)

2. アマルティア・セン『福祉の経済学』岩波書店(鈴村興太郎訳) 4-7章 (報告者決定: 5/19報告)

3. サミュエルソン『経済分析の基礎』勁草書房 (佐藤隆三訳) 8章「厚生経済学」

4. F.A. ハイエク『市場・知識・自由:自由主義の経済思想』第2章 社会における知識の利用 ミネルヴァ書房

(報告者決定: 7/14)

5.I.バーリン『自由論』みすず書房,3章「二つの自由概念」 (報告者決定: 6/9)

6. F.ナイト『競争の倫理』ミネルヴァ書房 第1章「競争の倫理」 (報告者決定: 6/23)

7. J.ロールズ『公正としての正義』木鐸社 第8章「2つのルール概念」 (報告者決定: 6/23)

8. J.ベンサム「道徳および立法の諸原理序説」 世界の名著38 中央公論社

9. L.ロビンズ『経済学の本質と意義』第1章, 第4章, 第6章 東洋経済新報社 (報告者決定: 7/7)

10. J.M. ケインズ『雇用、利子および貨幣の一般理論 上』1章,2章,3章,12章,17章,岩波文庫 (報告者決定: 7/21)

11. ロナルド・H. コース『企業・市場・法』,「企業の本質」 (報告者決定: 6/30)

ミクロ経済学II (於 東京理科大学)

本講義においては、前期では扱わなかった戦略的環境に関する議論を中心に解説していく.

さらに,厚生経済学の基礎的解説も行う.

第1回 授業説明 ・ガイダンス

導入:

(1) 標準的経済学の仮定と戦略的環境

(2) 厚生経済学とは何か

第2回 ゲーム理論の基礎(1)

戦略形ゲームとナッシュ均衡

...ミクロ経済学後期スライド1を使って授業をします。

第3回 ゲーム理論の基礎(2)

ナッシュ均衡の応用

第4回 ゲーム理論の基礎(3)

ナッシュ均衡の応用

第5回 ゲーム理論の基礎(4)

展開形ゲーム...ミクロ経済学後期スライド2を利用します.

第6回 ゲーム理論の基礎(5)

部分ゲーム完全均衡

第8回 ゲーム理論の基礎(6)

展開形ゲームの応用

第9回 ゲーム理論の応用

繰り返しゲーム・オークション

第10回 ゲーム理論の応用(1)

不完全競争

第11回 ゲーム理論の応用(2)

外部性・公共財

第12回 厚生経済学の基礎

補償原理・バーグソン=サミュエルソン社会厚生関数

第13回 厚生経済学の基礎:社会的選択理論

アローの定理とギバート=サタースウェイト定理

第14回 厚生経済学の応用的問題

国際貿易・課税問題

お知らせ

12/21 宿題を作成しました.ミクロ経済学後期宿題.pdfです.

1/12 宿題の解答を作成しました.ミクロ経済学後期宿題_解答.pdfです.

1/14 宿題の解答について修正しました.

ミクロ経済学宿題_解答_改.pdfです.

以下の2点です.

1) 問題19の展開形ゲームの戦略形での書き方に関する説明を加えました.

2) 問題19の部分ゲーム完全均衡の記述に誤植があったので修正しました.

[参考書]

初級

梶井厚志・松井彰彦『ミクロ経済学 戦略的アプローチ』日本評論社

スティグリッツ・ウォルシュ『ミクロ経済学』東洋経済新報社; 第3版

中級 (この授業のレベル)

奥野正寛(編)『ミクロ経済学』東京大学出版会

ギボンズ『経済学のためのゲーム理論入門』創文社

神戸伸輔『(入門) ゲーム理論と情報の経済学』日本評論社

岡田章『ゲーム理論入門』有斐閣アルマ