4月講座ルポ

Post date: Oct 6, 2013 12:06:08 AM

◆講師:堂場瞬一

◆ゲスト:

・河野葉月(中央公論新社)

・齋藤謙(角川春樹事務所)

・山田剛史(角川書店)

・角田国彦(文藝春秋)

・佐々木啓予(講談社)

◆コーディネーター:池上冬樹(文芸評論家)

◆テキスト

・安部百平さん『クールダウン』

・鎌田直子さん『剥かれた林檎』

・みつときよるさん『たぶん、蜘蛛の糸』

・かじゆりこさん『マジックマッシュルーム』

◆受講生によるルポ

せんだい文学塾4月の講座にはベストセラー作家の堂場瞬一先生が来てくださいました。堂場瞬一先生は、とてもダンディな方です。見た目はもちろん、声やお話や仕草がとても素敵…。思わず妄想が膨らんで、恋愛小説が1本書けてしまいそうなほど…。あ、すみません話がずれました。今回、先生が講座でお話してくださったことを、わたしなりに書いてみたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

(ダンディな堂場先生)

◇「剥かれた林檎」について

○人間はアンビバレントなものなので、いいことも悪いこともするという視点で考えてみる。伏線が足りない。結末から考えていくと物語の不自然さがわかる。

◇「たぶん、蜘蛛の糸」

○本歌取りは新人賞に向かない。かなりどぎついオチにならないと面白くない。新人賞に挑むのであれば話は完全オリジナルで。主人公にいろんな経験をさせること。この話では別の人が大変なことになってしまっている。これでは読者が入れない。

◇「クールダウン」

○短編は最後にカタルシスや納得、腑に落ちるという感覚が欲しい。登場人物やシーンを増やしすぎないこと。短編は広げすぎるとまとまらなくなる。きりりと。

「マジックマッシュルーム」

○作者が作品をコントロールしている。その上肩すかしなので、もっと臨場感を大事にすること。会話がすごく硬く、お芝居っぽい。そのあたりも考えてかくこと。

いつも通り前半は受講生の先品の講評、後半は海外ミステリのお話でしたが、池上先生との対談形式でとても面白かったです。

(こちらもダンディな池上先生)

わたしはハードボイルドを普段あまり読まないのですが、物語の周辺事情を意識した上で、これまでとは視点を変えて読んでみると面白そうだなと感じました。とても勉強になりました。

最後に、一番印象に残ったお話は「ドラマをきちんと作ればみんなが読む」ということでした。ドラマを作る…。難しいですが挑戦したいです。先生、ありがとうございました。

(C.H.)