辻 和美さんの講義レポート

投稿日: Dec 05, 2010 11:8:57 PM

11月12日、長岡造形大学で行われた、辻 和美さんを講師に迎えての一般公開講座を受講してきました。

大学2年生を対象とした講義を一般(定員50名)に公開した授業です。

辻 和美さんは、金沢に工房を持ち、ガラス作家であり美術家、2つの肩書きを持って活動しています。

3時間の講義の前半は、ご自身の活動の軌跡を紹介しながら、「ものづくり」「つくり手」についてのお話。

つくり手は、悩んだり迷ったりしながら自分の立ち位置を見つけるしかない、と。「一言で言えば、『悩んで悩んで悩みまくれ!』という結論」。

現代では、自分の立ち位置にこそオリジナリティが見出され、そのヒントは日常にある、いや日常(足元)にしか無いとと仰ってました。

後半は、この秋に21世紀美術館で展示が行われた「生活工芸」について。

今年度から3年間の金沢市の事業で、辻さんはディレクターとして携わっています。

現在、「生活工芸」というジャンルはありません。「生活工芸」という新しい文化と経済を作り上げていく事業のようです。つくり手の新しい居場所作り。

まだ定義の無い「生活工芸」について、18組が普段使っているものの中からそれぞれが「生活工芸」と考えるものを展示したのが、今年の展示です。

教室では、展示された生活工芸品のスライドを見せてもらいましたが、工芸品やアート作品、工業製品、個人が一人のために作ったもの、そして自然のままの造形と様々でした。

ジャンルやカテゴリは、作る側・売る側の都合で、使う側としては余り関係ありません。

ただ、それを表す名前があるということは、人に伝わり易く(伝え易く)なるのかなと思いました。