「『有機JAS』における放射線照射技術の禁止についての要望」を出しました

 日本では、「放射線育種」として、植物に放射線を照射して突然変異を誘発させ、新品種をつくり出すことが1950年代から行われています。花の色を変えるなどの他、米では「レイメイ」「美山錦」など。すぐにはなくせないので有機食品において「段階的」に制限するよう、農林水産省宛てに要望しました。次は、要望書本文。(2019年12月20日)

 私たちは放射線を照射した食品の安全性に問題があるとして反対運動をしている消費者団体(54団体と個人)です。このたび、「有機JAS」における遺伝子操作/ゲノム編集技術の排除についての検討が行われていることに関連して、次につきまして要望いたします。

 有機農業の理念・原則に照らし、「放射線食品照射」や「放射線育種」、その他、殺菌などを目的とする放射線照射は、「有機JAS」においては禁止されるべき技術・方法です。現行「有機JAS」においては、「有機農産物加工食品」に放射線食品照射技術を使うことは禁じられています。しかしながら、放射線育種により作出した品種の種苗については、言及がありません。また、近年は、養蜂用資材の放射線殺菌や肥料製造の過程での資材への放射線殺菌も行われるようになっています。

(1)放射線育種については、日本ではかなり以前から行われており、販売種子にその旨の表示が義務づけられていないこともあり、有機農家はそれと知らずに使っている可能性はあります。経過措置期間をとった上での「有機JAS」における禁止を要望します。

(2)肥料については、具体的には、「バイオ肥料」というまぎらわしい名称で、根粒菌や菌根菌の肥料の資材(キャリアー)を放射線照射滅菌するということが「アジア原子力協力フォーラム」(内閣府・原子力委員会)のプロジェクトで行われており(2017年)、一部、販売したとも言及されています(現時点で不明)。このような農業用資材に放射線照射を使うことは、「有機JAS」においては禁止すべきです。農業用資材(肥料)の製造過程での放射線照射を禁止することを要望します。

 以上、2点につきまして、「有機JAS」の規格に採り入れてくださいますようお願い申し上げます。