NPO法人設立総会を開催しました!

Post date: 2011/03/31 10:48:07

ご報告遅くなりましたが、おかげさまで先月3月5日(土)に、フードバンク茨城NPO法人設立総会をつくばで開催しました。活動を始めてから約2年、やっとここまで辿り着くことができました。

設立総会にあわせ、記念講演『未来につなぐフードバンク活動』と題し、いつもお世話になっているフードバンク山梨の米山理事長にご講演いただきました。

以下は当日の模様です。

主催:フードバンク茨城準備会

後援大好き いばらき 県民会議社団法人 茨城県経営者協会生活協同組合 パルシステム茨城認定NPO法人 茨城NPOセンター・コモンズ

1. 開会挨拶とNPO法人設立総会のご報告

フードバンク茨城(NPO法人設立認証準備中) 理事長 菅谷 則子

  • 事務所をつくば市内に置いて活動をすることになった。
  • 以下の6つの分野の活動を行うことになった。

(1)保健、医療又は福祉の増進を図る活動

(2)社会教育の推進を図る活動

(3)環境の保全を図る活動

(4)経済活動の活性化を図る活動

(5)職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動

(6)前各号に掲げる活動を行う団体の運営または活動に関する連絡、助言または援助の活動

  • 日本では、毎年約1,900万トンもの食品廃棄物が排出されており、約500万トンが食べられずに捨てられてしまう。この状況を何とかしたい。

2. フードバンク茨城役員のご紹介とご挨拶

  • 副理事長・事務局長 今井 直子主婦の感覚を生かしてフードバンクに取り組みたい。
  • 理事 竹中 紀博 茨城にフードバンクを根付かせたい。
  • 理事 中村 三郎 ぜひ皆さん一人一人のご協力をお願いしたい。

監事 大野 覚

3. 来賓のご挨拶

生活協同組合 パルシステム茨城 理事長 小谷 悠子

  • ここまで2年間挫けずに続けたおかげで今日ここまで辿りつけたことは素晴らしい。メンバーの熱い想いが大事。スタッフ一人一人の気持ちが揃わなければいけない。
  • フードバンクに参加する意欲がある企業が出てきたようだ。
  • 他の生協も支援の姿勢を示しているので、ぜひ協力関係を築いてほしい。
  • これまでは経済中心の社会だった。しかしこの10年ほど多くのことが崩れてきた。豊かに見える一方で、困っている人が多いことに我々は気付いた。3食の内1食分が捨てられていることも我々は知った。60%も食料を輸入しながら、多くの食べものを捨てている。貧困を生んでいるのは、実は先進国であり、日本は先進国の中で自給率を100%を保つ可能性のある唯一の国だ。
  • 生活する上での最低限の食を守っていくのがフードバンク。
  • フードバンク山梨を見習って手をつなぎ合って頑張っていこう。

4. 記念講演『未来につなぐフードバンク活動』

  • NPO法人 フードバンク山梨 理事長 米山 けい子さん 実は、まだ法人化してから2年5カ月しか経っていない。
  • 農林水産省のフードバンク活動推進事業補助金を活用して、フードバンクのボランティア部会を組織し、フードバンクを紹介する絵本とDVDを作成した。山梨県内のテレビ放送UTYのアナウンサーが声を入れた。「もったいない」という教育を充実させていかなければならない。
  • 第3回フードバンクシンポジウムでフードバンクの全国的なガイドラインを作成し、現在までに11団体が締結した。全国のフードバンクの多くがまだ2~3年ほどの歴史しかない。
  • 日本は食料自給率が低い。今ある食を無駄なく使うことが大切。
  • 外箱の破損による食品ロスが山梨では多い。また、欠品を出さないために過剰に生産した品のロスもある。
  • 防災備蓄品は火がなくても水を加えれば食べられるものがある。光熱費を払えない生活困窮者にとっては重要。
  • 捨てるために企業従業員もつくっていない。食品ロスを有効活用することは、社員のモチベーション・アップにもつながる。
  • 実際にフードバンク活動を進めていると、行政の生活保護費削減に大きく貢献していることを感じる。食があれば生活保護を受給しなくても済む人がいるからだ。
  • フードバンク山梨もガイアの夜明けの特集を見て始めた。2009年9月にNPO法人化した。
  • 山梨県から「商店街活性化ビジネス創造事業」の助成を受けて事務所開設した。
  • 福祉医療機構(WAM)の助成により、「食のセーフティネットモデル事業」を始めた。行政と連携している。
  • 食品を提供する施設とは確約書を、また食品関連企業とは同意書を結んでいる。
  • 企業からは食品のトレーサビリティが求められている。
  • 山梨にもサクランボが多い。観光のシーズンが終わってしまうと捨てられてしまう。
  • 障がい者授産施設のみらいコンパニーにラッピングを手伝ってもらっており、障がい者就労支援につなげている。
  • 食品の配送も、県内放送局のUTYが手伝ってくれている。
  • サントリーが県内に3つ工場があり、食品提供先の施設見学も行っている。
  • 2010年1月に地元選出の小沢元環境大臣へフードバンク活動支援要請した。それがきっかけで環境省と連絡を取れるようになった。
  • 実は定期的に食品を頂くのは3社程度。山梨は大きな企業が少ないので苦労している。
  • フードバンク自体の認知度を上げることが非常に重要。企業からも認知度を高めるべきだと、フードバンクに参加しやすくするための条件として一番に挙げられている。
  • 山梨日日新聞は県内購読料が80%もある。かなりフードバンクに関する記事を掲載してもらっている。この1年でかなり知られるようになった。
  • 絵本を作成してから小学校などによく行くようになった。
  • 1年で54トンの食を取り扱っている。年2回フードドライブを行っている。1回目は4.3トン集まった。フードドライブの拠点が現在では10か所になった。
  • 児童養護6施設、障がい者施設19施設などに食品提供している。福祉課との協力関係は15市町に及ぶ。福祉課でもフードバンクがないと困るということになってきている。生活保護を受けなくても食べもので生活がつなげるようにできる。
  • セカンドハーベストは外資系企業などにかなり運営支援してもらっている。そういった状況を起せない山梨では、最初から行政との協働を考えざるを得なかった。
  • 現在月45件個人への食糧支援を行っている(食のセーフティネットモデル事業)。個人からの直接の依頼ではなく、間に行政が入っている。箱の中に手紙を1通1通入れて、想いを込めている。箱詰めにはすごく時間がかかる。一人一人のファイルがあるので、受け手を想像しながら箱詰めしている。
  • フードバンク茨城とは仲間としていっしょに活動していきたい。

質疑応答

Q. 個人支援を行うと、需給調整が大変ではないか?

A. 食品ロスはいっぱいある。倉庫を無償で貸してくれる企業も出てきて、冷凍も取り扱えるようになった。お米はフードドライブで集めており、通常3トンほどストックがある。煮炊きができない人が多い。福祉医療機構に了解を得て、2万円分の食品を付け足している。

Q. 1人でこの活動を始めたそうだが、どうやって人を集めた?茨城も人集めで悩んでいる。

A.茨城は組織から人が出ている。山梨では市民からのボランティア支援が多い。行政との関係は自分で開拓しなければいけないが。茨城は協力団体のネットワークを生かして人を探せるのでは?私はパルシステム山梨にいたというバックグラウンドは出さなかった。一人の市民として、母親として語って行った。組織を背負っているとなかなか話しにくいかもしれない。

5. 交流会

6. 閉会