核融合のメリット

☆どのようなエネルギー源でもメリットとデメリットが存在します。100%クリーンなエネルギー源、100%リスクのないエネルギー源は存在しません。ですから、メリット、デメリットを理解して、社会に導入していくのが良いと思います。

☆核融合エネルギーは、電気を作る発電のために使う予定です。予定というのは、まだ核融合発電は実現していないからです。でも、もし実現したらこんな良いことがあります、というメリットについてお話しします。(安全性、リスクについては次のページでお話しします。)

燃料が無尽蔵

☆燃料が水の中にあるで、誰でも平等に使うことができます。メインの燃料は重水素(水素の仲間で無害)で、酸素とくっついて水の中に0.015%含まれています。濃度は少ないですが、海の水を使えば、50兆トンという莫大な量になります。それに水から重水素だけ使っても、水が減ることも、水の性質が変わることもありません。

☆もう一つ、リチウムという燃料が必要ですが、こちらも海にとけ込んでいて、事実上無尽蔵に存在します。

☆核融合発電が実現すれば、資源は海水中に無尽蔵に存在します。化石資源のように偏在しないので、資源を取り合うようなことは起こりません。(まさか海水を取り合うことはないでしょう)だから核融合発電の実現は、世界の平和に貢献すると信じています。

燃料が少なくて軽い

☆図は、100万キロワットの発電所1基が、一日に使う燃料の重さと大きさの比較です。

☆石炭火力で使う石炭の量がいかに大きいかわかります。これを輸入しているわけで、輸送時の消費エネルギーも無視できません。

☆原子力発電の燃料であるウランは、核物質であるため、セキュリティが厳しいのが問題です。

☆核融合発電の燃料は軽く、セキュリティ上の問題もありません。

廃棄物が少なくて無害

☆次の図は、発電量が100万キロワットの発電所1基が、一日に発生する廃棄物(反応後の燃えかす)の重さと大きさの比較です。(廃炉後の廃棄物については次の安全性のページを見てください。)

☆火力発電では、化学反応で二酸化炭素が生成されます。これは温室効果ガスであり、現在、地下への貯蔵も検討されています。一方、原子力発電では、核分裂反応で生成される物質が強い放射性を持つため、長期間の地下貯蔵が必要となります。核融合発電では、このような地下貯蔵を考えないといけないような燃えかすが発生しないのです。

☆核融合反応の結果生成されるものは、今度は「ヘリウム」です。ヘリウムは全く無害な気体です。量が少ない上、大気に放出しても、軽い気体なので、ゆっくりと宇宙の彼方に遠ざかっていきます。地球環境になにも影響を与えないのです。