開発経済学ゼミ
目的
開発経済学とは、発展途上国の経済活動を経済学的に分析し、発展途上国が経済発展するメカニズムを解明する分野です。そのため、開発経済学で取り扱うテーマは多岐にわたります。この演習では、ゼミ生の発展途上国が抱える諸問題を定量的に分析する力、解決法を提案する技能の習得を目指します。
目標
学生が自ら設定したテーマに関連するデータを定量的に分析し、その分析結果に基づいて政策提言を行う。
設定するテーマは必ずしも発展途上国の経済活動である必要はないので、日本国内のテーマを設定してもよい。
期待される獲得スキル
英語力:卒論のテーマに依存しますが、発展途上国のミクロデータを用いて分析をする場合、質問表などは全て英語で書かれています。さらに、発展途上国のことを分析するなら英語での参考文献を読むことが不可避です。そうした作業を通じて英語の読解力などが養われることが期待されます。
プレゼンテーション能力:指定した本の輪読やプログラムの練習問題の発表を行ってもらいます。
プログラムスキル(R):データが与えられた際に、グラフの作成、単純な計算、回帰分析、繰り返し作業、関数作成などをどうプログラムですることができるかを学習します。
計量経済学の知識:政策のインパクト評価を軸に計量経済学の基本的な手法(RCT, OLS, DD)を学習します。また、それらの計量経済学的な手法を採用して卒論ではデータ分析を行います。
グループワークのスキル :全ての作業を各自が自分だけで行うのではなく、学生同士で協力しあって作業を進めていくことを推奨しています。そうした作業を通じて、グループワークのスキルが培われると考えています。
演習ゼミの内容
3年生の内容
大塚啓二郎先生のなぜ貧しい国はなくならないのか(第2版) 正しい開発戦略を考えるの輪読
各章の担当者をゼミ生に割り当て、スライドを作成した上で25分程度のプレゼンを報告してもらう。
Rでのプログラム の学習
Rでのプログラムの学習を希望しない場合は、卒論は書かせないが、発展途上国の経済活動で関心のあるテーマについて発表してもらう。また、そのテーマで4年時に書くレポートを書いてもらう予定。
4年生で行う研究テーマの選定
4年生の内容
卒業研究 (希望者のみ)
ミクロ計量経済学と卒業研究のテーマの定量分析
過去の卒論の研究内容 (例)
日本人が持つ外国人に対する排外意識・寛容意識(学内 自然総研主催 懸賞論文受賞)
企業サイズが企業の生産性に与える影響:カンボジアの事例
地雷が公共投資や教育獲得へ与える影響:カンボジアの事例
コロナ感染症が選挙の投票率や競争度に与える影響:日本の事例
選考方法について
書類選考および面接により選考します。
ゼミに入る前に受講しておいてほしい科目
ミクロ経済学、統計学(必須ではないが、履修したほうがより理解が深まる。また卒論をやるときに必ず統計の知識は利用する)
国際経済学科で開講している開発経済学I,IIは受講もしくは聴講して内容を理解することを推奨
経済学科、総合政策経済学科より志望する学生に関しては、特殊講義として開発経済学I、IIを受講することになる。
履修上の注意
演習では学生に報告してもらうことが多く、時間外での作業及び学習が多いかもしれない(ただし人による)。 そのため、意欲のある学生を望む。 ただし、一人で学習をするというよりゼミ内で仲間を見つけ出して、 協力して学習できる学生を望む。
基本的には、演習の出席は必須です。ただし、インターンや留学、就職活動で演習への参加ができないのことは問題ない。
留学で半期演習に出られないケースがあっても構いません。課題などを出して対応する。
開発経済学がどういう学問か
MITのEaster DufloのTEDです。