ホスピスと緩和ケア

緩和ケアとは病気のあらゆるステージにおいて重度の病気や障害による痛みや様々な苦痛を軽減し、生理的および精神的な必要が満たされるようにサポートすることにより患者およびその家族の生活の質を向上することを言います。

ホスピスは病気からの回復を目標とせず、自然現象としての終末を迎えるまでの比較的短い期間(終末期)に緩和療法を用いることにより患者およびその家族の生活の質を向上する理念またはそれを行う施設のことを言います。

緩和ケアもしばしば終末期医療においてホスピスと明確な境界なく使われますが、ホスピスは終末期という比較的短期間に集中し緩和療法を行うことに対し緩和ケアは必ずしも終末期だけではなく病気からの回復を目標とした治療期間にも用いられる点で異なります。ただし緩和ケアそのものはあくまでもサポートを目的としたもので、原因となる病気の治療を目的に行うものではありません。

動物医療においても近年緩和ケアやホスピスケアが重要視されるようになりましたが、ホスピス専門の施設は限られ、また本来ペットはオーナーと共に生活し時間を共有することが目的で飼育されているため、多くは在宅でのケアになります。しかしその一方で治療期間のめどは立たず、治療や緩和ケアも長期化しケアする側にとって大きな負担となることもあります。

在宅の介護ではペットの病状の他にケアする側の生活環境やライフスタイルを踏まえどのようなケアを希望するか、どのようなケアが可能かをよく考え無理のないプランを立てることが大切です。

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