インターンシップとは、在学中に就業体験を行うことができる制度です。インターンシップに参加することで、その仕事で必要な能力が何か、自分に合った仕事や環境がどのようなものなのかを知ることができ、より働くイメージを具体的にすることができます。
インターンシップは、目的意識(自己理解を深める、就職活動に生かすなど)を持って参加できると、より充実した経験になります。
自己理解を深める
インターンシップでは、興味のある業界や職種を理解したり、自分の強みや弱みを把握したりなど、社員との交流を通して企業の雰囲気を肌で感じ、自分に合う企業かどうかを判断する材料が得られます。
就職活動に生かす
インターンシップで得た知識やスキルを就活時に企業に伝えることで、他の学生との差別化を図ることができるため、効果的なアピールポイントになります。実際に働いたエピソードを基にした志望動機は、企業にとっても魅力的に映ることが多いです。
さらに、企業はインターンシップで取得した学生情報や評価情報を採用選考に活用することが認められています。そのため、優秀な人材には、本格的な選考が開始される前に声をかけて、早い段階で内々定を出す企業もあります。早い時期から企業と接点を持つことで早期の内定獲得に近づく可能性が高まります。
インターンシップは、目的や期間、就業体験の有無などによって、下記の4つのタイプに分けられます。
オープンカンパニー
キャリア教育
汎用的能力・専門活用型インターンシップ
高度専門型インターンシップ
このうち、「インターンシップ」と呼称できるのはタイプ3「汎用的能力・専門活用型インターンシップ」とタイプ4「高度専門型インターンシップ」のみです。
タイプ1とタイプ2は、あくまでも「オープンカンパニー」と「キャリア教育」として位置づけられており、インターンシップではありません。
ただし、学生便覧の説明ではキャリア形成やスキルの修得、企業理解につながるため、タイプ1とタイプ2もインターンシップと同様に扱います。
どんなインターンシップに参加したいか考える
業界、職種、期間、形式(オンライン・対面)、内容など、どのようなインターンシップに参加したいか考えてみましょう。ただし、あまり条件を絞りすぎてしまうと、該当するインターンシップの数が減ってしまうので注意しましょう。
条件に合うインターンシップを探す
「キャリタスUC」や就職情報ナビサイトには、多くの企業のインターンシップ情報が掲載されています。これらを活用し、条件に合うインターンシップを検索してみましょう。
もし興味のある企業が具体的にあれば、企業のホームページなどからインターンシップ情報を探すこともできます。
条件が決まらない時
キャリア・アドバイザーに相談したり、キャリアサポートセンターが主催するインターンシップに関連するイベントに参加してみましょう。
また、就職情報ナビサイト等もインターンシップ合同説明会を開催しています。一度に複数の企業のインターンシップ紹介を聞くことができるため、比較検討が容易になることに加えて、限られた時間内に効率よく情報を収集することが可能です。
情報が多くて決められない時
近年はインターンシップを実施している企業が多く、希望条件で検索しても該当企業が絞れず困ってしまう場合もあります。
条件を増やして該当企業を絞り込むか、キャリア・アドバイザー(CA)に相談してみましょう。
もし実施日程が重複しなければ、複数の企業のインターンシップに参加することもできます。業界比較や企業比較もできるため、複数社の参加をおすすめしています。
オファー型のサイトを活用する
就職情報ナビサイトの中には、プロフィールや自己PRを登録することで、企業からインターンシップの案内(オファー)が届くオファー型サイトがあります。
オファーをもらうことで、新たな業界や職種、企業などに出会い、進路の選択肢が広がる可能性があります。
参加したいインターンシップが見つかったら、エントリーを行います。就職情報ナビサイトでエントリーする方法や大学を経由してエントリーする方法、企業のホームページで直接エントリーをする方法など、主催する企業・団体などによって方法は異なります。誤った方法でエントリーをしないように注意が必要です。
インターンシップの参加方法はエントリーをした学生全員が参加できるものもあれば、先着順や選考を実施するものもあります。
選考を実施する企業は参加目的や意欲を重視し、筆記試験やグループディスカッション、履歴書・エントリーシートの提出、面接を課して参加者を決定することがあります。人気企業や長期間のインターンシップは競争率が高く、事前の準備が不可欠です。応募書類作成[※]や面接対策などで困ったことがあったら、キャリア・アドバイザー(CA)に相談しましょう!
※履歴書やエントリーシートの添削は数日かかるなど時間を要するケースもあるため、提出期限に余裕を持ってCAに依頼するようお願いします。
企業によっては参加できる人数が少なかったり、参加対象が極端に限られたりすることもあります。選考に不合格になっても落ち込まず、気持ちを切り替えることが重要です。
インターンシップに参加する際に、いくつか注意しておくポイントがあります。
ビジネスマナーを意識する。
インターンシップでは、実際に職場で社員と一緒に働きます。社会人と同じ意識で時間厳守、服装、言葉遣いなど、基本的なビジネスマナーを守るようにしましょう。
情報漏洩に注意する。
業務で知り得た情報や個人に関する情報は外部に漏らさないように気を付けましょう。無断で写真撮影をしたり、SNSに投稿したりする行為は厳禁です。
企業から情報漏洩に関わる損害賠償等を請求される可能性もあります。
積極性と学ぶ意欲、協調性を意識する。
与えられる仕事はもちろんのこと、自ら仕事を見つける積極性や新しいことを学ぶ意欲を持って臨むことが求められます。仕事を最後までやり遂げる責任感や周りと協力して仕事を進める協調性も大切です。
企業について事前に調べる。
事前にインターンシップ先の企業の事業内容や仕事内容などを調べておくことで、スムーズにインターンシップに取り組むことができます。特に、業界・職種・企業研究を目的の一つとして参加する場合は、知っている情報・知りたい情報を整理して臨みましょう。
インターンシップは参加するだけでもメリットがありますが、振り返りをセットで行うと、さらに多くのメリットを得られます。
振り返りをして、今後の就職活動に生かす
インターンシップの感想や学びを、マイステップに記録しましょう。
担当した業務。
学んだ内容や課題、工夫したこと。
インターンシップを通じて成長した点。
他の参加者と比べた際の自分の強みや弱み。
その企業への入社志望度とその理由。
振り返りは一人でやるよりもキャリア・アドバイザー(CA)や友人などと一緒に行うと、自分だけでは気付けなかった視点が発見できます。また、次のステップとして、新たな気づきを得られそうな別のインターンシップに参加してみるのも良いでしょう。このようにして、将来就職活動をする際の企業選びの基準が定まってきます。
マナーが身に付いていないと、思わぬところで相手に良くない印象を与えてしまう可能性があります。自分の魅力を企業へしっかりと伝えられるよう、最低限のビジネスマナーは意識するようにしましょう。
企業との連絡は基本的にメールが多いですが、緊急性のある場合などは電話をすることもあります。連絡の内容・状況によって使い分けるように意識しましょう。
記録が残るので、後から確認できる。基本的にはメールで連絡する。ていねいな文章で、誤字脱字に注意する必要がある。
メールを送る際の注意点
件名
件名を見れば何についてのメールかがすぐに分かるようにする。
本文
構成
段落ごとに改行し行間(空白)を入れる。1行の文字数は30文字程度を目安にすると読みやすい。
名乗り
最初に名乗り、誰からのメールかが分かるようにする。
目的
最初にメールをした「目的(用件)」を書く と分かりやすい文章になる。
最後のお願い
「お忙しいところ、まことに恐縮でございますが〜」、「まことにお手数でございますが〜」など、ていねいな表現で締めくくる。
差出人名
自分の氏名、大学名、連絡先(電話番号、Eメールアドレス)を記載しておく。
返信
可能な限り早く、24時間以内に返信する。営業時間内に返信するのが望ましいが、遅くとも24時間以内に対応する。
※メールのテンプレートは、「就職活動」の「就職活動でのマナー>連絡編」を確認してください。
即時的なコミュニケーションが可能で、緊急連絡は電話で行うとよい。また、熱意を伝えやすいなどのメリットもあるが、相手の時間を拘束してしまうため要注意。
電話をかける際の注意点
連絡先
企業のホームページや募集要項に記載されている、担当部署や担当者宛に連絡する。記載がない場合は、代表番号に電話し担当者を尋ねる。
時間
平日(月〜金)の10時~16時頃にするのが好ましく、お昼の時間(12時〜13時)は避けるのが無難。ただし、いつかけたとしても、「ただいまお時間はよろしいでしょうか?」の一言は必ず言うようにする。
出だし
「ZEN大学 知能情報社会学部の〇〇と申します。〇〇の選考の件でご連絡したのですが、よろしいでしょうか?」と、最初に名乗るようにする。
用件を簡潔に
電話は「相手の時間」を使うため、聞きたいことや伝えたいことを事前に簡潔にまとめておく。
メモ
電話は、音声でのコミュニケーションなので記録が残らない。聞き間違いなどのないようにメモを取り、要点の復唱確認を行う。
※電話のテンプレートは、「就職活動」の「就職活動でのマナー」>「連絡編」を確認してください。
※電話やメールの際に使うビジネス向けの言葉遣いがは、「就職活動」の「就職活動でのマナー」>「言葉遣い編」を確認してください。
ビジネスの基本の一つが「時間を守る」ということです。
ビジネスの中で時間を守れない人は、仕事ができない、信用ができない人という印象を与えてしまいます。
会場到着時間
インターンシップに参加する場合は、電車の遅延や道を間違ってしまうなども想定し、20~30分前には到着するスケジュールを立てて、余裕を持って家を出るようにしましょう。
受付時間
受付は5~10分前に済ませましょう。あまりにも早く着きすぎると企業側も準備が整っていなかったり、迷惑となってしまったりする場合があります。会場に20~30分前に到着した場合でも、すぐに受付するのではなく指定された時間の5~10分前まで待ってから受付を済ませます。
なお、オンライン形式の場合は時間に余裕を持って5分前までに入室しましょう。
身だしなみはその人の印象に大きく影響を与えてしまうため、インターンシップにふさわしい服装・髪型で臨むようにしましょう。
【身だしなみ例①】
【身だしなみ例②】
私服でよいと言われた場合は、「就職活動」の「就職活動でのマナー」>「身だしなみ・持ち物編」を確認してください。
あいさつの基本は「明るく、元気に、笑顔で、ハキハキと」です。場面に応じた、一緒に働きたいと思ってもらえる挨拶を心掛けましょう。
出勤時
「おはようございます」
外出する場合
「行ってまいります」
外出から戻った場合
「ただいま戻りました」
退勤時
「お先に失礼いたします。お疲れ様でした」
その他の時間で社員とすれ違った場合
「お疲れ様です」
社員に声をかける場合
「〇〇さん、今お時間よろしいでしょうか?」
正しい言葉遣いは就活中はもちろん、今後一生役立つものなので、この機会に慣れておくことをおすすめします。
敬語表現は3つに分類されます。インターンシップ参加前にチェックしておきましょう。
丁寧語
相手に対してていねいな表現を使って敬意を表す敬語です。主に「です」「ます」「ございます」で表現します。
尊敬語
相手に対して敬う気持ちを表す敬語です。主に目上の方が主体になる時に使います。
謙譲語
へりくだった言い方で相手への敬意を表す敬語です。主に自分を下げて相手を立てる時に使います。
何度も同じことを質問することのないよう、常にメモを取ることを心掛けましょう。メモにまとめる作業をすることで自分自身のインプットにもつながります。
スマホなどでメモを取ると、業務外のことをしていると捉えられ印象を損なう可能性があります。メモはノートや手帳など紙にとることがおすすめです。
お礼状を送る
インターンシップ終了後には、お礼状を送るようにしましょう。お礼状はメールで構いません。感謝のメッセージだけではなく、インターンシップの感想、学んだこと、認識が変わったことなどについて自分の言葉でお礼を伝えます。今回のインターンシップを経験して、今後どう生かしていきたいかなどについて触れるのも良いでしょう。