高田研究室では天然分子やアミノ酸という「バイオ由来化合物」を原料として新しいバイオベースポリマーを開発しています。
バイオ・植物原料を使用することは、大気中の二酸化炭素を再利用するというカーボンニュートラルにつながりますが、
それ以上に「バイオ由来の面白い構造を活かしたい!」というモチベーションで研究しています。
積極的に新規物質を作ったり、バイオ分子を利用しながら新規なポリマーを合成していきます。
世界でただ1つという特徴だけではなく、より有用な材料となるように様々な分野の研究室&企業と連携しています。
自分の得意・不得意な分野も大事ですが、学生たちの「やってみたい・面白そう」という意思を尊重します。
桂皮酸は"Cinnamic acid"という英語名で、いわゆるシナモンの香りに関係する化合物です。天然に存在するという特徴のほか、桂皮酸は光(紫外線)に対する反応性を有していることからその特徴を生かした材料開発をしています。
例えば、結晶状態の桂皮酸に紫外線を照射すると対称性に優れた二量化物を与えます。この性質を利用すれば二官能性のモノマーにすることができ、エンジニアリングプラスチックの原料として利用可能です。
アミノ酸型の桂皮酸を用いれば、ポリイミドやポリアミドなどの高性能プラスチックに、水酸基を有したものを用いればポリエステルにすることが可能です。
近年ではこれらに分解性や水溶性、成型性などの高付加価値を付けることでバイオ分子ならではの特徴を有した材料の開発を目指しています。
プロジェクト:科研費、各種研究助成、共同研究
Keywords:桂皮酸、カフェ酸、光応答樹脂、高耐熱樹脂、高強度樹脂、ゲル
合成されたポリイミドの例:側鎖修飾による水溶化とハイドロゲル化を達成(ポリイミドでは初!)
自然界の微生物、もしくは代謝経路を改変した微生物により生産されるアミノ酸は、有機合成的な手法では作れないものが多数存在します。バイオ生産を得意とするチームとの連携による「実際のバイオ由来原料」を用いた高機能プラスチックの開発を行っています。
ある種のアミノ酸は熱などで簡単に環化します。環構造は高性能なエンジニアリングプラスチックを合成する上では必須の分子設計であり、この特徴を生かして新しい高性能バイオプラスチックを合成しています。
中には微生物の反応により環化まで行えてしまうケースも発見されています。二量化の化学プロセスを省略してバイオプロセスによって二量化できれば製造コストの削減が可能であり新しいバイオプラスチックとしての利用が期待できます。
プロジェクト:JST ALCA-Next
Keywords:環化アミノ酸、高耐熱樹脂、高強度樹脂、植物肥料
リビング重合とは、目的の分子量のポリマーを小さな分子量分布で合成する手法です。この重合法に、金属を含まない有機分子触媒やバイオマス原料を適用することで、環境低負荷な合成法へと応用します。また、リビング重合は高分子を精密に合成することができるため、その物性も分子量によって制御できると言う特徴を有しています。この性質を利用して、上記の桂皮酸やアミノ酸を用いたエンジニアリングプラスチック開発にもフィードバックさせ、ポリマー物性の精密制御につなげる研究へ発展させます。
プロジェクト:科研費、共同研究
Keywords:リビング重合、Click反応、ポリアクリレート、桂皮酸
当研究室では、大学・企業の方々との共同研究を歓迎しております。
「バイオベースポリマー」、「ポリイミド」、「ポリアミド」、「ポリアクリレート」、「高耐熱樹脂」、「光反応」、「リビング重合」などをキーワードに研究を行っています。
これらトピックに関連した用途開発やサンプルご興味があれば高田までご連絡ください。