湯浅町小中学校では、「すべての子供を主語にし、深く学ぶ湯浅の授業づくり」を研究主題に掲げ、研究を進めています 。この研究は、児童生徒に各教科の「見方・考え方」を認識させ、育むこと 、知識・技能を使って思考・判断・表現する「活用」や、答えのない問いを探究する「探究」の学習を重視しています 。また、少人数の学級でも、他者と意見を共有したり、共同作業をしたりする機会を設けるため、学校の壁を越えた学びを実践しています。
研究推進のため、研究授業やオンライン合同授業、教材研究、外部講師による講演会、ICT研修など、さまざまな取組を進めています。
教育におけるICT活用を推進するための活用段階表として、「湯浅町小中学校SAMRモデル」を作成しました 。このモデルは、ICTの活用度を「代替(Substitution)」、「拡大(Augmentation)」、「変容(Modification)」、「再定義(Redefinition)」の4段階で示しまています。例えば、「代替」は、従来のノートや鉛筆がICT端末に代わる段階で、「拡大」は、思考ツールや写真、動画を活用して考えを広げる段階です 。さらに「変容」では、ファイルの共同編集やコメント機能による相互評価など、他者との協働を通じて考えを深めます 。「再定義」は、反転学習や自由進度学習、他校とのオンラインでの共同学習など、時間や空間にとらわれない新しい学びを創出する段階を指します 。
まずは「当たり前に拡大(A)段階まで活用ができる」ことを目指し、その後「子供が主語となる変容(M・R)段階の実践」を推進しています 。
湯浅町が目指す授業スタイル①は、「パフォーマンス課題」や「探究的な課題」を中心に据え、児童生徒が自ら学びを調整していく『学びの場』を融合させたものです 。
この授業スタイルをすべての単元で実施するのではなく、計画的に導入し、子供たちが主体的に学びを進める力を養うことを目的として取り組んでいます。
湯浅町が目指す授業スタイル②は、「単元内自由進度学習」を中心に据えながら、単元の中に「協働的に学ぶ」学習活動を組み込む展開です.
このスタイルでは、児童生徒は「学習計画表」を活用し、自らの学習計画を立て、振り返りを通して自己調整しながら学習を進めます.
この授業スタイルは、すべての単元で実施するのではなく、計画的に導入することで、子供たちが自立した学習者となることを目指しています。