ライチョウ保護巡視

[社会教育][環境保全]

北アルプス南部地区のライチョウ保護巡視業務をおこないました。

ライチョウ等の高山帯に生息する動植物保護啓発を目的にしたもので、林野庁の中部森林管理局から委託された業務です。

主な業務内容は以下の3つです。

巡視中は、行き交う登山者の皆さんと会話したり、周囲をゆっくり観察したりしながら登ります。

調査に協力してくれた登山者の方と会話しながら

といった情報を聞き取ります

登山者の方と会話している様子

巡視活動を行っていた時に、上空を飛行しているドローンを発見しました。

野生動物への影響(驚くなど)を考慮して操縦していた人に飛行をご遠慮いただくようお願いしました。

ドローンを飛行させる場合は、林野庁と環境省へ届け出・認可が必要になります。

ドローンを発見

動物(やその痕跡)を目撃したら、観察し、記録します。

 遠く離れた場所から双眼鏡を使って観察し、くれぐれも彼らを刺激しないように細心の注意を払います。

動物を発見し、観察

実際に動物の姿を目撃する機会は限られるため、「痕跡」は大きな手がかりになります。

鳥たちの羽、動物のフン、足跡、食痕・・・、特に羽やフンなどは、登山道上にも多数落ちていました。

想像がふくらみますね!

皆さんもぜひ足元をよく観察しながら歩いてみてください。 

大きさを測り、写真を撮り、場所を記録

2020年の巡視で目撃できたライチョウは7羽だけ、しかもヒナは見られませんでした。

2020年は(北アルプス南部地区に生息する)ライチョウの繁殖がうまくいかなかったかもしれません。すれ違う登山者の皆さんに聞いても、ヒナを見た人はごくわずかでした(親鳥の目撃はありました)。

ヒナの目撃例が少なかったのは、7月に雨が多かったのが原因かもしれませんし、コロナの影響で登山者数が少なかったことが関係しているのかもしれません。

 野生動物は非常にデリケートですので、もし見かけても騒がず近寄らず、静かに見守ってあげてください。

今年は非常に見る機会が少なかったライチョウ

巡視していると、残念ながらゴミが落ちています。発見したゴミは回収しました。歩いていてわかることは「ゴミは休憩しやすい場所に多く落ちている」ということです。

一見すると落ちていないように見えても、じっくり探すと結構出てきます。アメや行動食の袋がよく落ちていますが、ポケットから不意に落としてしまったり、風に飛ばされてしまったりするのでしょう。

故意にその場に捨てていくことは絶対にやめてください。カップラーメンの汁なども絶対に捨てないでください。

今年の特徴として「マスク」も多かったです(取り扱いに非常に気を使いました)。 

回収したゴミの数々