タマン シワンギさん
大阪女学院大学2019年卒業。日本のワイヤー・ケーブル製品やハイテク素材を世界に供給する貿易専門商社、東邦インターナショナル株式会社で、海外営業職としてアジアの市場に携わる。ネパール出身。(2024年10月取材)
日本語に自信がなかった当時、大阪女学院大学なら英語で勉強できると薦められて入学したというタマンさん。「ネパールでも英語教育を受けましたが、ネイティブの先生から学ぶ英語での授業はぜんぜん違って。ここで一から正確に英語を学べると思いました」。
また、入学したころ母国で大地震が起きたとき、学友会が行っていた募金活動に参加したのがきっかけで学友会に入った。「大学祭などイベントをみんなで運営して本当に楽しかった。ネパールには大学祭はないのでどんなものか知りたくて他大学の大学祭を見に行ったりもしました。裏方として大学祭を支えた経験は忘れられないものとなりました」と振り返る。
授業でもっとも印象に残っているのは「英語で学んだマーケティングの授業です。コーヒーやお菓子など身近な商品を取り上げたり、どう売るか、どうしたら売れるかをグループで話し合い、企画を考えプレゼンテーションするのが、大変だったけどとても楽しくて」。その経験から、将来マーケティングの仕事をしたいと考えるようになった。また人権教育講座でホームレスについて学び、炊き出しなどをしたことから「社会貢献」も意識するように。「就活では『マーケティング』『社会貢献』ひいては『国際貢献』を意識して企業選びをしたいと考え、進路サポートの方に相談して、現在の会社を紹介いただきました」。
ベトナム、タイ、台湾などを飛び回って顧客対応や新規開拓に活躍するタマンさんだが「大学入学前はコミュニケーションをとるのが苦手なほうでした。でも大阪女学院の授業で『相手に伝える』ということをいつも練習して、先生や事務局の方々、いろんな人と話して、変わっていったと思います。大阪女学院には何でも聞きやすい環境があるんです」。
営業職は日本語が流暢でないと無理と思っていた。最初は「出荷」という言葉もわからなかったと笑う。「だから私と同じような留学生にも、いま日本語があまり得意じゃないからって怖がらないで、諦めないで、と伝えたいです」。
今後の目標は5年以内に管理職になること。MBA取得をめざしオンラインで勉強するかたわら、リーダーシップについても勉強している。「リーダーシップという言葉に初めて接したのが大学時代。大阪女学院のリーダーシップトレーニングには参加しなかったのですが、社会人となって思い返すとあれは真の意味でのリーダーシップに接する機会だったのではないか」と静かに省みるタマンさん。彼女が考える「リーダーシップとは」を尋ねると、「誰かのために何かをすること」と答えた。
「大学に入る前の私は『種』でした。英語で学び日本語で学び、いろんな人や出来事に育てられた大阪女学院の環境で、たくさん水をやって花を咲かせることができました。後輩の皆さんには、新しいことに挑戦してほしいです。私たちは自分に限界を設けがちです。頭で考えているだけではわからない、やってみないとわからないことが多いです。行動すること。恐れずに進んでください」。