【訂正】
配付いたしましたチラシに「電気通信大学」とありますが、正しくは「東京電機大学 非常勤講師」です。大変申し訳ございません
報告者 :諏訪 優那
共同研究者:佐藤眞理子氏(和光大学准教授)
和光中学校英語科は、自ら学習をつづける「自律した学習者」を育てることを目指しています。また、外国語学習をその言葉そのものとの出会い、その言語を通して見えてくる世界や世界の人々との出会い、そして新しい自分との出会いの機会と捉え、それらの出会いは多面的なものの捉え方や多様な価値観に対する寛容で柔軟な姿勢を育むものだと考えています。
中学1年生3学期には、「自律した学習者」と他者理解につながる入門期の表現活動として、生徒ひとりひとりが調べ学習をし、その内容を既習の文法や語彙を使って英語で表現することに挑戦します。
ICTの登場により、表現ツールの選択の幅は広がりました。本分科会では、Adobe Expressというアプリケーションを使ってビデオ作品づくりに取り組んだ授業実践を報告し、個別のドリル練習ではないICT活用の可能性と課題についてみなさんと意見の交流をしたいと思っています。
報告者:安 田 広 夢
共同研究者:名雪順一氏(東京電機大学非常勤講師)
和光中学校の数学では、単に公式を丸暗記するのではなく、その公式が成り立つ理由や根拠などから考えることを大切にしています。
昨年度の3年生では、中学数学のまとめとして『オリジナル教材を作ろう』というテーマで、3年間の学習事項から一つ選んで、思い思いの方法で授業(発表)をしました。例えば、正負の数の法則を伝えるために工作をしたグループや、三平方の定理を伝えるために動画を作成したグループ、平面図形の応用問題を新しく作ったグループ、世の中の確率を調べてスライドにして発表したグループなどがありました。さらに中学数学から派生して、授業では学ばないフェルマーの最終定理やパラドックスについて調べてスライドやプリントにまとめたり、歴史に残る数学者を調べて年表にまとめたりしたグループもありました。発表を聞き合う中で見られた生徒の認識の深まりや、数学の世界の広がりを交流します。
報告者:畠 中 由 美 子
共同研究者:藤田隆介氏
(大阪高生研事務局/大阪緑涼高校非常勤講師)
高校生の身近には、非常にたくさんの情報が溢れていて、発信者の立場もよくわからない言説や、SNSなどの短く刺さることばに日々晒されています。一方で、彼ら自身が対面で人に話す際には、非常に繊細に気を遣い、自分の想いを表に出すことや互いに指摘することをためらう様子があります。そのような中で、自分の身体をくぐっていない空疎なことばではなく、生活実感を大切に、自身を捉え、想いや考えを伝えることばをどう育むか、他者にどう出会わせ、相手を理解し、批評することばを育てていけるか、日々模索しながら、授業をつくっています。
それは、コロナ禍にあっても変わりませんでした。この分科会では、コロナ休校期間の課題として書いてもらった日記を教室で読み合った狙いや様子と、今年度の1年生が、随想・評論の授業を踏まえて、自分の感じ・考えたことをことばにし、読み合い、聴き合った実践を実際の生徒の文章に触れながら、報告します。
報告者:山 﨑 慶 太
共同研究者:岩崎敬道氏(元東京都市大教授)
生徒たちは日常生活の中で生物現象について様々な素朴概念(誤概念)を形成しています。たとえば植物の呼吸について「植物は呼吸をしていない」「植物は夜のみ呼吸をする」「植物の呼吸は二酸化炭素を吸収して酸素を放出する」などの素朴概念をもっている生徒が少なからずいます。呼吸は「各細胞が活動するために必要なエネルギーを得るはたらき」であることは中学校で学習しますが、そのことを理解している高校生は少数です。
上記のように「呼吸は酸素と二酸化炭素のガス交換」という現象的な理解しかできていない原因には、細胞の活動にはエネルギー消費が伴うこと、その時に有機物も消費されることが実感をもって学習されていないことにあると思います。以上の仮説を元に授業プランを改訂して実践し、その結果を授業記録にまとめました。「呼吸は有機物を酸化して細胞の活動に必要なエネルギーを得るはたらきである」という科学的な呼吸概念を形成することができたかどうか、実践記録をもとに検討していただきたいです。