台湾華語の学習に取り組んでいる、またはこれから学びたい方へ
台湾華語を学ぶ前に知るべきことをシェアしたいと思います。中国語と台湾華語とは何か、また両者の違いについてまとめてみました。
台湾華語の学習に取り組んでいる、またはこれから学びたい方へ
台湾華語を学ぶ前に知るべきことをシェアしたいと思います。中国語と台湾華語とは何か、また両者の違いについてまとめてみました。
台湾華語を勉強する前に知るべきこと
中国は、漢民族をはじめとする56の民族が暮らす多民族国家です。全人口の9割以上を占める漢民族が使用する漢語が公用語として使用され、標準語として認識されています。
しかし、同じ漢民族でも地域によって独自の方言が存在します。例えば、上海語、北京語、広東語、四川語、福建語などの方言があり、それぞれ発音が異なるため、意思疎通は難しいです。
現在では、北京語の発音を基準とし、北方の文法体系を基礎とする標準語が一般的に使用されています。
中国ではこの標準語のことを「普通話pǔ tōng huà」と言います。「漢語hàn yǔ」「中文zhōng wén」とも基本的に「普通話pǔ tōng huà(標準語)」のことを指しています。
一般的に「普通話」を北京語と誤解されることがありますが、北京語にある程度なまりがあり、全く同じものではありません。方言を持つ地域では、現地の人達は中国語を話す時に独特の訛りがあります。
例えば、中国語には「そり舌音(巻き舌で発音する)」がありますが、南方地方では舌を巻かずに発音する傾向があり、これは南方地方特有の訛りとされています。
台湾にも台湾語(福建省南部がルーツ)、客家語という方言があります。台湾語の影響で、台湾人が中国語を話す時に、南方地方特有の訛りが残っています。
台湾では中国と同様に中国語を使用しています。
同じ言語なので、意思疎通はできますが、いくつかの違いがあるため、中国語と台湾華語(台湾中国語)のように区別されています。台湾では、外国人に対して、中国語を一般的に「中文zhōng wén」または「台湾華語huá yǔ」と呼びます。ただし、台湾人同士の間では一般的に「國語 guó yǔ」と呼びます。
多くの方は台湾で使用している言語が「台語:台湾語」また「台灣國語:台湾国語」と思っているようですが、この言い方は正確ではありません。
実は、台湾にも「台語:台湾語」と「台灣國語:台湾国語」があります。
台湾語は方言の一つで、台湾の公用語ではないです。台湾の中南部では台湾語を話す人が多くいますが、学校教育では台湾華語(台湾中国語)を学ぶため、若い世代の子供達は台湾語がほとんど話せないというのが現状です。
台湾国語というのは、「台湾中国語」という意味ではなく、「話す時に台湾語訛りがついた話し方」です。喋り方がちょっと独特で、面白いです。この話し方は、年配の人(今の60代、70代、80代)によくみられます。特徴の一つは、子音の「h」が「f」に、「ci」が「cu」に発音される感じです。
それでは、中国語と台湾中国語の違いについて見てみましょう。
★一つ目:書体の違いです。
中国では「簡体字」、台湾では「繁体字」が使われています。
★二つ目:発音表記の違いです。
中国ではローマ字表記法「拼音」が使われていますが、台湾では「注音符号」を使われています。
★三つ目:言い回しに違いがあります。
★四つ目:発音が異なる漢字が存在します。
台湾では、「繁体字」又は「正体字」と呼ばれている筆画の多い古い漢字を使っています。昔は中国も繁体字を使用していたのですが、1956年に実施された「漢字簡略化法案」をはじめ、一連の文字改革を経て、一部の漢字が簡略化されました。このように簡略化された漢字を「簡体字」と言います。ただし全ての漢字が簡略化されたという訳ではないので、台湾と中国で共通する漢字もあります。
漢字が全く同じの場合(一部の例):
フレーズもみてみましょう!
①私は仕事が忙しくて、休みたいです。
(台)我工作很忙,很想休息。
(中)我工作很忙,很想休息。
②月曜日に私は上海へ出張し、来週の水曜日に帰ってきます。
(台)星期一我要去上海出差,下星期三回來。
(中)星期一我要去上海出差,下星期三回来。
③彼女は私の親友です。
(台)她是我的好朋友。
(中)她是我的好朋友。
簡体字と繁体字に分かれるもの:
①これは私のお母さんがくれた誕生日プレゼントです。
(台)這是我媽媽送給我的生日禮物。
(中)这是我妈妈送给我的生日礼物。
②私が一番好きな運動はテニスと水泳です。
(台)我最喜歡的運動是打網球和游泳。
(中)我最喜欢的运动是打网球和游泳。
③台湾には美味しい果物や食べ物が沢山あります。
(台)台灣有很多好吃的水果還有小吃。
(中)台湾有很多好吃的水果还有小吃。
④車の運転ができますか?
(台)你會開車嗎?
(中)你会开车吗?
⑤お電話番号は何番でしょうか?
(台)請問你的電話號碼是幾號?
(中)请问你的电话号码是几号?
見た目が全く異なる漢字:
中国語を勉強するには、まず発音の勉強をしなければなりません。発音記号の書き方は台湾と中国では違います。台湾の小学校では「注音符号」というのを使って発音の勉強をしているのに対し、中国では「拼音ピンイン」というのを使って発音の勉強をします。
ちなみに、「注音符号」は漢字の右に、縦で書きます。
例:
謝謝你:ありがとうございます
不客氣:どういたしまして
台湾では、発音表記には注音符号が使われていますが、外国人向けの中国語教育においては、大学や民間の中国語教育機関などでは、通常、拼音が採用されています。
初めて中国語を勉強する外国人にとっては、漢語拼音表記が一般的で習いやすいと思います。
また、拼音は英語のアルファベットで表記されるため、スマートフォンやパソコンで文字入力をする時には注音符号よりも入力しやすいというメリットもあります。
綜合的に判断して、鍾愛(Zhongai)では、拼音を採用しています。
意味は通じますが、同じ場面においても言い回しが異なることもあります。
例1:タクタクシーの運転手さんを呼ぶ時
台湾 → 司機先生
中国 → 师傅
例2:服のサイズが大きい時・小さい時
台湾 → 很大 / 很小
中国 → 很大、很肥 /很小、很瘦
例3:朝の挨拶
台湾 → 早、早安
中国 → 早上好
例4:200の言い方
台湾 → 兩百
中国 → 二百
例5:【どうぞ宜しくお願い致します】の言い方
台湾 → 請多指教
中国 → 请多关照
少し戸惑いを感じるかもしれませんが、基本的に同じ言語なので、地域によって、多少違いがあってもコミュニケーションが取れます。
試験を受ける場合にはその違いに気をつけた方がいいかもしれませんが、会話の場合はあまり意識しすぎなくても大丈夫です。
中国に行くならば中国の表現に合わせ、台湾に行くならば台湾の表現に合わせたりするという柔軟な姿勢をもつといいでしょう。
中国語と台湾華語を学ぶ上で、何よりも大切なのは「発音」です。現地の人と円滑にコミュニケーションを取りたいと思うならば、特にそうです。
発音がずれたり、声調(音の高低)が間違っていると、理解されないことがよくあります。発音を正しく練習せずに学習を進めると、発音のクセがついてしまいます。
それを矯正するのに時間がかかり、教える側からしてもとても大変なことです。昔台湾華語を習った時に、発音の練習をしっかりやってこなかったことを後悔しているという生徒さんもいます。
一番最初の段階からとことん発音トレーニングをして体に定着させることが肝心です。
☝️ 発音を覚えると
中国語が聞き取りやすくなる
話す力が自然に上達する
単語を無理に暗記しなくても自然に覚える
中国語を中国語のまま、頭で考えられるようになる
文法を意識しなくても正しい語順で話せるようになる
学習そのものが楽しく感じられるようになる
語学を習得するためには近道はありません。どれだけの時間がかかるかは人それぞれ異なります。最も重要なのは練習量であり、持続的な練習が上達への鍵です。また、理解を深めるにはインプットとアウトプットの両面が必要です。
レッスンを受けるだけで満足することもありますが、受け身の姿勢だけでは上達しません。積極的に課題に取り組む姿勢とマインドも大事だと考えています。
言語学習において、基礎をしっかりと築くことは非常に重要です。堅実に基礎を固めることで、日常生活、旅行、ビジネスなど、あらゆる場面で自信を持ってコミュニケーションが取れるようになります。
【鍾愛(ZhongAi)】では、学習効率を高め、無理なくスキルを習得できるよう、効果的で実用的な学習プログラムを提供し、充実したレッスンを提供するために努力しています。初心者の方でも確実に中国語力を身につけられるようサポートします。
私たちと一緒に、新たな言語の扉を開き、夢を実現しましょう。