ゆる美食学徒
うめさん
ゆる美食学徒
うめさん
美食学とは
美食学とは名前からして ちょっとネガティブなイメージがあるかも知れません。
多目的な場所で多目的なことをするイメージとか金持ちの道楽的な感覚をお持ちの方もいるかも知れませんが、美食学とは読んで字のごとく「美味しく食べるための学問」です。英語ではガストロノミとも言いますが ガストつまり消化器系とノモス、学問を合わせた造語です。(ガストロノミは共食の概念が強いので美食学の直訳とは現在考えられていないのが通説です。ご了承ください。)
有名なところではブリア=サヴァランの「味覚の生理学、美味礼讃」で提唱されてます。フランスのスローフード運動を原点に確立した学問で、食全般における持っておけばより美味しく食べることができる知識や知恵だと思っていただけたらと思います。
デバイスの問題
例えばなんですけど、ゆる言語学ラジオだって良いマイクで収録して良いコンデンサーでミックスして、結構なお金かけて質のいい動画をアップロードしてますが 聞き手が100円のイヤホンで受験勉強しながら聞いてたら質が落ちた感じで受け取ってしまう。
だからって高いお金を払って高品質のヘッドフォンを買いましょうって話ではなくて、美食学ってのはその受け取り側の姿勢を知識や知恵を持って感度をあげましょう・整えましょうって言う感じです。
残念ながら味を感じる味蕾は10歳を超えてからは衰える続けてるので 我々はどんどん味に疎くなって行きます。刺激の強い食事や濃い食材、高い料理を食べるってことじゃなくて 食材のストーリーや調理方法を知っていれば味に対する感度が上がりますし 素材を活かした調理 旬の味覚を知れば 感覚的にもっと美味しく食べれますよーって話です。
ゆる美食学ラジオの目的
ゆる美食学ラジオの目指すところは「みんなが美味しくごはんを食べる」と言うことです。
みんなが美味しくなので 人類共通の課題だと思ってます。
食料問題や環境問題、貧困や食の安全・リテラシーなど 現在の食に対する問題が多くあると思います。
この課題を僕一人が学んで解決していくのは無理だと思います。なので ゆる美食学ラジオではみんなで一緒に楽しく ゆるく食の知識を深めていければと思ってます。
なにぶんこんな身なりなのでご教示ご鞭撻のほど どうぞ よろしくお願いします。
2022/07/22 ゆる美食学ラジオ構想より
ここまで 読んでいただいたのも何かの縁ですので
台本にならなかった 話を置いておきます。
食用菊 食用されない問題
食用菊はキク科キク目の植物。
普通の観賞用の菊と同じだけど 品種改良して 可食部を多くしたり苦味を減らしたものです。
一般的に刺身に盛り付けられてるのは 小菊と言う品種の黄色いもので 他には 少し大きいやつや 紫色のやつもあります。
刺身で使われる小菊は5種類をハウス栽培で育てる事で 年中安定して売られています。シェア9割を誇る愛知の名産品と言っても良いでしょう。
あれはタンポポではなく、菊でした。
調理の仕方としては 酢を入れてさっと茹でて冷水で締めると色落ちせずに綺麗に仕上がります。和物やおひたしにする事で色鮮やかに食べる事ができます。
食用菊の天ぷらのレシピがありましたが 綺麗で美味しいそうでした。今度 作ってみます。
一般的に刺身に盛り付けられてる小菊の使用用途は刺身に散らしてみたり 醤油に混ぜたりしてほのかな風味をプラスする事が多いそうです。この場合 顎から花びらをむしって花びらだけを食べます。
一応 菊に含まれるグルタチオンと言う成分が解毒効果を高めてくれるそうです。(株式会社ポーラがそう言ってる 一般的には医薬品としてタチオンと言う名称で売られている)
刺身に付属してる理由は色合いを良くするために置かれているのが通説ですが料理人的一般解釈としては薬味としての意味合いが大きいそうです。
wikiによれば
歴史は古く 中国の唐代かそれ以前に雑種として生まれたと考えられている。日本へは700年前半に中国から伝来したそうです。
(735年頃、平城京二条大路濠状遺構からは「独対他郷菊花酒」と漢詩が記された木簡が出土しているため、この頃には伝来していたと考えられています。)
古代中国では 延命長寿として 菊茶、菊花酒、漢方薬として飲まれていたそうで、奈良時代には食用菊として現在のように食べていたそうです。
松尾芭蕉も好んで食べていたと言う記録もあるそうです。
(芭蕉が滋賀の堅田に招かれた時に「蝶も来て酢を吸ふ菊の鱠哉」と詠んでいることから、1690年頃には食用菊の酢和えがあったとされてます。)
はい。
僕は 魚介類にアレルギーがあるので お目にかかる機会が滅多になかったので 調べてみて意外と興味が湧いた。それはそれでよかった。
今回 問題になってるのは
食用菊って名前なのにみんな食べないじゃん!って問題です。
僕としては ハンバーグとかエビフライの添え物のパセリだって食べないし 刺身のツマ(大根切ったやつ)の海の糸とかも あんまり食べない認識があるよね。
(ちなみに ハンバーグのパセリには 消臭効果があるので口臭の臭い消しを行う意味でついてます。なので 食後に食べるのがマナー)
個人的には 刺身を注文してるのに 付随する別の食材はいらないと思う。
同じ問題として コンビニで商品を買うのにレシートも包装紙も環境に悪いので必要ない。コーラを買う時にペットボトルが欲しいわけではないので 中身だけ欲しい。
牛乳やラムネみたいに瓶を回収して再利用するのも良いと思う。ただ、洗浄に意外とコストがかかるので再利用が絶対的に正解と言う訳でもないと思う。
SDGs的には プラの製造は極力抑えて行った方がいいと言う風向きだけど 紙のストローが本当に環境に良いとは限らない。
環境循環に不可の少ないエコを目指していきましょう。
んで、
そもそもの食用菊は消費の違いがあると思います。
刺身のツマとして醤油に散らす愛知産の菊と
花のまま食べる山形を中心に育てられる菊は 食べる目的や消費のされ方が明確に違うと思います。
この消費用途の違う菊を同じ括りで食用菊と呼称しているため 刺身のツマの食用菊は風評被害を受けていると言えます。
ペンギンとダチョウを同じ鳥という括りで認識している人類では これは仕方のない問題ではありますが、
もう少し細かい分け方をすると刺身のツマも需要が増えると思います。
刺身のツマの菊には チラシ菊と言う名前や薬味菊と言う名前だと 一般的認知が上がると思います。
しかし、そういう意味では ガリなど寿司の下駄に無言で乗っていても 口直し効果を認識されている名脇役も存在するので 単純に菊のポテンシャル不足(努力不足)が招いた結果と言えなくもないです。
ちなみに さっきから ツマとか言ってるけど、
刺身のツマとかを「あしらい」と言います。
用途によって「あしらい」には種類があって 褄、剣、薬味の3種類あるんだけど、菊はツマでわさびやガリは薬味に分けられます。
褄は 添え物の総称。いわゆる色合い
剣は剣ぽく刺さってるやつ。口直しとか高さ(立体感)を出す役目がある。
薬味は 薬味ですね。結構 辛味のあるものが薬味になります。
僕なりに どうすれば食用菊の消費が上がるかを考えてみたのですが、
わさび醤油って わさび単体を醤油に溶かしたものですよね?
菊も菊醤油みたいな感じで 醤油に依存した存在になれば良いのではないでしょうか?
なので ツマとしての役割ではなく 薬味として分類を変更して認識して頂ければ その効果も価値も上がると思います。
それが 解毒効果と 縁起物としての付加価値が付けば良いのではないでしょうか?
そもそも 天皇家の家紋に書かれてる花を食べる事が縁起モノとして良いかと言えばなんとも言えない。
(山形産の菊はそれが由来で「もってのほか」と言う商品名がつけられています。)
って事まで調べてみたのですが、
実際 刺身の上の菊と おひたしとか天ぷらの菊の名称がそもそも 分かれてました。
刺身の上の菊は「つまぎく」と言う名前で その他の菊を食用菊と区分するそうです。
そう、我々はいつの間にか 刺身の上の菊を 食用菊一般に混ぜてしまっていただけで 本当は すでに用途で名称が違っていました。
今後は 刺身の上の菊は「つまぎく」と呼んで 食用菊との部別をはかって頂ければと思います。
まぁ、そうなると つまぎくは褄でしかなく、飾り付けとしての意味合いを持ってしまうので消費には繋がらないかも知れません。
どう足掻いても 刺身の上の菊は食べられることを前提にないので もはやもう 諦めるのもアリかと思います。
もはや 食用菊 食用されない問題は つまぎくのポテンシャルの問題ですので 食べられなくて可哀想とか 思わなくても良いと僕はおもいます。
全然関係ないけど、
山形名物の菊味噌ってやつがあって それはマジで美味そうだからポチったわ。
でわまた。