弓削中学校で出前授業をしました!

こんにちは!雫石です。

先日のブログで、地域の皆さんへゆめしま未来塾との協働についてご案内させていただきました。


この協働の仕組みに基づき、弓削中学校から依頼を受けて、10月24日(月)に3年生のクラスで出前授業を行いました。

この日の依頼は、「ソーシャル映画鑑賞会&対話ワークショップを通じた人権教育または国際協力・開発教育」というものでした。担当の先生とのお打ち合わせを経て、下記内容を実施しました。


【目的】

ドキュメンタリー映画の鑑賞を通して、弓削中生が世界の問題を知り、自分の暮らしと海外で起きていることのつながりについて考えるきっかけをつくること

【進め方】

映画鑑賞とグループワークの二部構成

【鑑賞作品】

『バレンタイン一揆』

https://acejapan.org/campaign/15th/

予告編がこちらから見られるので、よかったら見てみてください!

出典:認定NPO法人ACE(エース)https://acejapan.org/campaign/15th/

この作品を選んだのは、時間的に学校の授業にフィットするだけでなく、日本人が発展途上国と呼ばれる国を訪れて現地の人と交流するというロードムービーの要素もあるので、海外が身近でない中学生にも見やすいかなと思ったのが主な理由です。

また、この作品の題材として扱われるチョコレートは、世界的に見ても日本が(アジアの中では)消費量が多く生産量が少ない食材のひとつなので、少しでもグローバル経済を感じるには良いきっかけになるのでは、という思いもありました。

この作品には、カカオの一大産地である西アフリカのガーナ共和国でカカオ農園で働く子どもたちが出てきます。

実は私が国際協力に興味を持ったのも、児童労働の問題を知ったことがきっかけでした。

小学校6年生のときに図書館で借りた『僕たちは自由だ!』という本を読んで、世界では自分と同じ年ごろの子どもたちが不当に搾取されているという現実を知り、そこから、発展途上国で起きていることやその課題解決のために活動している団体のことを調べるようになりました。

弓削中ソーシャルシネマ

授業は5,6時間目を使って行い、まず初めに私の自己紹介とアイスブレイクをしました。

▲アイスブレイクの一部。

A~Dの中でチョコレートの原料となるカカオはどれでしょう?


正解は、C。

Bのアーモンドと迷った生徒が多かったですね。

ちなみに、Aはゴーヤ(熟れて黄色くなったもの)、Dはコーヒーの実です。


アイスブレイクで場がほぐれてから、さっそく『バレンタイン一揆』の鑑賞です。

鑑賞に入る前に、少しだけガーナの概要について紹介もしました。

ガーナの概要(赤がガーナ、緑は私が青年海外協力隊として派遣されていたベナン共和国です)

ガーナと日本の人口ピラミッド

ガーナの年齢中央値は約36歳。

日本は年齢中央値は約48歳と世界でもっとも高齢化が進んでいる国の一つなので、それだけでもかなり国としての様子が違うのが分かります。


映画鑑賞後は休憩を挟んでグループワーク。


まずはグループごとに「印象に残ったシーン・せりふ」「疑問に思ったこと」を出してもらいました。

  • 国際NGOの職員が児童労働を止めさせるために、子どもの親と交渉するシーンが印象的だった。

  • 9歳くらいの本当に小さいときから働かなければいけないことがショック

  • 児童労働をさせている親も学校に行ったことがないから、教育の大切さが分からないのではないか?

といった意見が出ました。


グループワークの後半では、

  • 世界は平等だと思うか?

  • ガーナの子どもと日本の子ども、どちらが幸せか?

  • 自分がこの映画に出てくる子どもの親だったらどうするか?

  • チョコレートのように、日本では生産していないけど消費量が多い食材にはどんなものがあるか?

  • 子どもが働くことは、すべてが悪いことか?

といった抽象度の高い問いを出し、グループごとに話し合ってもらいました。

すでに習った知識で話し合えるものもあれば、ふだんの授業では扱わないような問いもあり、すぐには発言がでてこないこともありましたが、生徒のみなさんは、想像力をふくらませて徐々に自分なりの意見を言えるようになってきていました。

▲グループワークの様子。

3つのグループに分かれて、ポストイットを使って意見やアイディアを出してもらいました。

発表もしっかりしてくれました!

中学生の皆さんへ

このブログを読んでいる弓削中学校の皆さんへ。

私から今、伝えたいメッセージをここに置いてブログを締めたいと思います。


1つ目は『Get involved!』

日本語でいうと、『参加しよう、関わろう!』という意味です。

13~15歳くらいだと、まだ、自分がゼロから何かを生み出すことは難しいかもしれません。それができたと自分では思っていても、実は親や先生の思うつぼで動かされていただけということもよくあります。

だから、他の人が何かをやっているところに自分から関わりに行きましょう。

恐れずに、興味のあることや面白そうだなと思う場所には、自分から混ざりに行きましょう。

みんなが本気だと分かれば周りの人もきっと協力してくれるし、受け入れてくれるはずです。


2つ目は『Make a difference!』

日本語でいうと、『変化を起こそう、改善しよう!』という意味です。

昨日と同じ1日をなんとなく過ごすのではなく、昨日しなかった何かを今日やりましょう。

自分の心が動く瞬間を自分で作り、それを楽しみましょう。

そういうみんなの行動や態度が、家族や友だちを変化させるし、今回観た映画のように、社会を変える一歩になります。


もし、もっと発展途上国の問題や世界で何が起きているか知りたい、自分でも何か行動してみたいという人がいたら、遠慮なくゆめしま未来塾にご連絡ください。

何ができるか、一緒に話をしましょう!