オンラインキャリア座談会を

開催しました

こんにちは!雫石です。

弓削島では、秋晴れの日が続いていて過ごしやすい毎日です。弓削高校では明日に迫った運動会に向けた練習や準備がせわしなく行われていて、学校のあちこちから生徒たちの走り回る声や太鼓の音が聞こえてきます。

さて、今日のブログでは、先日開催したオンラインキャリア座談会の様子をお届けします。

「会社員って何をする人のことですか?」

ことの発端は、とある塾生のこの一言でした。

今好きなことや卒業後の進路のこと、将来の仕事についていろいろと話していたときのこと。

「絵を描くのは好きだけど、芸術家になりたいとは思わない。

本業じゃなくてもいいから描き続けられたらうれしい。

でも、そんな仕事あるのかな…。それで暮らしていけるのかな。

そもそも会社に入るってどういうこと?身近に会社員がいないから分からない。」

この言葉を聞いて、そうか、彼女は"会社員"という職業があると思っているんだと新鮮な驚きがありました。

"会社員"の中には自分のことを「〇〇屋さん」と呼べる人もいれば、ひとくちに「〇〇屋さん」と呼びにくい人もいると思います。

例えば、××ガス会社だったら「ガス屋さん」でいいかもしれないけれど、ソフトバンク株式会社のことを「携帯屋さん」とは呼ばないのではないでしょうか。

なぜなら、携帯を売る事業もあれば、電気を売る事業もあれば、インターネット回線の接続環境を売る事業もあれば、AIの研究をする事業もあれば…とその事業内容が多岐にわたり何かひとつのモノやサービスを売っているわけではないからです。(しいて言えば「通信屋さん」かな?)

また、同じ会社にいても営業や広報や人事など職種は異なるので、「携帯屋さん」というよりも例えば「マーケティング屋さん」と自認している人もいるかもしれません。

私の分析では、このときの彼女は、こんなふうに「〇〇屋さん」とは呼びにくい業界で働く人のことをいっしょくたに「会社員」と呼び、「"会社員"って何をしているの?」と言っていたのではないかと思うのです。

社会がだれのどういう働きで回っているかは、学生のうちはあまり想像できないものです。

でも、先生でも親でもない大人の話を聞くことは、自分が生きる社会の解像度を上げることに繋がるはずだし、自分が社会を回す側になる数年後の未来を想像するきっかけにはなるんじゃないか。

そういう思いから、今回の座談会を企画しました。

メモを取りながら村上さんの話を聞く参加者

キャリアは一本道じゃない

今回の座談会では、上島町出身のデザイナー・村上ももさんに講師としてご協力いただきました。

村上さんは県外に住んでいるため、zoomを使ってオンライン上で繋いで今のお仕事内容やこれまでの学校生活などを聞きました。

参加した1年生3名は、「今どんな仕事をしていますか?」「高校生のときはどんな絵を描いていましたか?」「本業とは別に副業として絵の仕事はできますか?」など、事前に考えてきた質問を緊張しながらも丁寧に聞いていました。

お話しの中で特に印象的だったのが、村上さんの「キャリアは一本道じゃなくていい」という言葉です。

小さいころから絵を描くことは好きだったそうですが、そのモチベ―ションは「自分が好きなふるさとの風景を残したい、伝えたい」というものだったそうです。つまり、絵を描くことは「手段」の一つだったわけです。

そのことに気づいた村上さんは、絵やデザインという手段は変えずにいろいろな職種を経て、今は商品パッケージやECサイト作成など「誰かの想いをかたちにして表現する」という仕事をするようになっていったそうです。

ただし、「一本道じゃなくていいけど、努力を継続することは大切」ということもおっしゃっていて、私も思わず膝を打って頷いてしまいました。

参加者と村上さん(右下)

座談会を終えて

村上さんとのお話しを終えて、参加した生徒たちに感想を聞いてみました。

大鳥さん:自分の絵が褒められて嬉しかった!自分にしかできないことがきっとあるはず、と言ってもらって自信を持てた。小さくても身近な絵を描く機会を大事にしていきたい。(まずはゆめしま未来塾のパンフレットから作ってもらいます!笑)

澤田さん:中学生のときに美術を教えてくれていたときのもも先生と見た目が変わっていたのでびっくりした。自分は美容関係の仕事に就きたいと思っているけど、ヒントになるような話も聞けて良かった。

中西さん:もも先生が、今の時代はSNSやYoutubeなどいろんな媒体があって恵まれていると言っていたのが印象的だった。絵の仕事は自分から仕事を取りに行くことも必要と聞いて、自分にできるかは少し不安。

みんなそれぞれに学びがあったようで、短い時間でしたがこのような場を持てて良かったと思いました。

今後もゆめしま未来塾では、多様な生き方・働き方について知る機会を作っていきたいと思います。

おまけ

今回の座談会の様子は愛媛新聞さんに取材していただきました!

記者さんにカメラを向けられて緊張の面持ちの生徒たち。

取材記事はこちらから読めます!