秘術抗戦RPG
歪みのアカシック
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歪みのアカシックにようこそ

これは特別な力を持たない一般人が、過去の誰かの【記憶】を受け取り、【秘術】という異能を得て強大な敵と戦うテーブルトークロールプレイングゲームだ。

舞台は現代だが、歴史的事件の再現現象【ヴィジョン】の中で謎を解いたり敵と戦ったりする。

プレイヤーのキャラクターは断片的な記憶に悩まされながら、手の届く範囲の何かを守るために強大な敵に挑むことになる。

その敵とは前世の記憶を完全に取り戻した転生者のようなものだ。彼らは壊滅させることが不可能なほどに強靭な組織に所属している。

異能力バトル――陰謀論――オカルト――電波系――歴史ファンタジー。

これらの入り混じった歪んだ世界について知ってもらいたいと思う。


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ツイッターアカウント「フランジメイス広報」@flangemace 

【新たな抵抗者のために】

「一部の人々は輪廻転生を信じている」

「前世の“記憶”を不意に思い出してしまう事例があるためだ」


「かつてこの地球上で生きた人物の魂が生まれ変わり、今生において自分という存在に生まれ変わった」

「だからあり得ぬ過去の“記憶”を持ち合わせているのだと」


「だが、前世の“記憶”は曖昧だ。辻褄の合わないところもある」

「それも当然のこと。なぜなら、輪廻転生など無いのだから」


「魂は不変ではない。容易に形を変えるし、死んでしまえば消えて無くなる」

「生まれ変わることなど無いし、死後の世界も存在しない」


「では不意に思い出される自分ではない誰かの“記憶”の正体は一体何なのか?」

「それを知る者たちがいる」


「彼らは覚知者(リベレーター)と名乗り、“記憶”から得られる力、秘術を使い世界を導いてきた」

「リベレーターたちは“記憶”の導きに従い、歴史をあるべき姿へと調整してきた者たちだ」


「強固で強大なリベレーターたちの組織は人類の歴史と共にある」

「だが、その存在を知る者はごくわずかだ」


「世界の真実など知らぬまま生きた方が幸せというもの」

「リベレーターズは普通の人間には受け止めきれない秘密を、巧妙に隠し続けてきたんだ」


「真実の秘匿。それは必要なことだ」

「もし事実が公然のものとなれば、人間の文明は混乱と共に崩壊していくだろう」


「リベレーターズが歴史を操作してきたこと、死後の世界も輪廻転生も無いこと、そして“記憶”の真相」

「これらを秘密のままにすべきだというのは我ら抵抗者(レベルス)も概ね同意見だ」


「リベレーターと方針が同じというのは癪だが、世界を守るためには致し方がない」


「だが、ゆっくりと、少しずつ事実を開示していけば、いつか奴らの支配から脱することもできるだろう」

「昔と比べて宗教の力は衰えている。転生も死後の世界も強く信じる者は確実に減ってきている。良い傾向だ」



「さて、君が思い出してしまった“記憶”が何なのか、その真実を語ろう」


「アカシックレコードという言葉を知っているだろうか」

「簡単に言えば、そうだな、この地球自体の持つ“記憶”だ」


「困ったことにこの“記憶”、あふれ出ることがある」


「大地の“記憶”が噴出すれば、それは天変地異(カタストロフ)となって地上を襲う」

「歴史の“記憶”が漏れ出せば、それは幻視(ヴィジョン)となって我々人間に夢のようなものを見せる」


「そして、人の“記憶”が彷徨い出れば……」

「それを受信してしまった者は前世の“記憶”を思い出したと感じるだろう」


「リベレーターどもはこの“記憶”の奴隷だ」

「自分自身の尊厳を失い、過去の誰かの“記憶”が持つ意志に乗っ取られた連中だ」


「結局のところ、人の本質は“記憶”だ」

「自分が自分であるという証明は、自分自身と他者の持つ“記憶”に依存する」


「もし君が自分の“記憶”を失い、君を知る者がひとりもいなかったならば、元々の君は消滅したも同然だろう」


「それは過去を生きた誰かも同じことだ」

「英雄や偉人はその生涯が記録され、実在したことが証明されている」

「だが、名前を記録されなかった人々のことは誰も知らない」


「君を知る者がいなくなった時、真の意味で君は死ぬ」


「だがな、幸いなことにと言うべきか、厄介なことにと言うべきか、地球はすべてを“記憶”している」

「名もなき人々のことも、アカシックレコードにはしっかりと記されているんだ」


「その“記憶”が受け継がれたなら、過去を生きた人物は現世に甦ったも同然だと思わないか?」


“記憶”を継承することで、リベレーターズは事実上、永遠に生き続けている」

「奴らは不死の化け物さ」



「ところで君は、これまでの人生をすべて、はっきりと“記憶”しているか?」

「一年前の今日、昼食が何だったか覚えているか?」

「今まで生きてきた中で、食パンを何枚食べたか覚えているか?」


「恐らく“記憶”は曖昧だろう」

「地球の“記憶”も同じさ。はっきりとしない部分が多い」


「だからリベレーターはそれを改竄し、事実上の過去改変を行っている」


「人類の歴史は何度も何度も弄くり回されているんだ」

「我々以外に連中を止められる者はいない」



「うん? ああ、すまない」

「ついつい我々、抵抗者の説明を端折ってしまった」

「《人類解放戦線》についての説明をしなくてはならないね」


「抵抗者、レベルス、解放戦線、好きな呼び方をしてくれていい」

「我々は自由であるべきだ。自由であることが我々の武器であり、目指すところでもある」


「我々は広義の覚知者だ」

「アカシックレコードから、強い“記憶”を受信してしまっている」

「太古から続く“記憶”の持つ力、秘術も操れる。ちょっとした超人だな」


「だが、力に溺れてはいないし、この体を“記憶”に明け渡してもいない」


「我々は今を生きる人間だ」

「過去の亡霊に操られてはいないし、これからも自分自身を見失わずに生涯を全うする」

「君も、君のまま君の人生を生きて、君として死ぬんだ」


“記憶”に抵抗するから抵抗者と名乗っている」

「リベレーターどもは中途覚醒者や半覚醒者なんて呼ぶがね」


「私は先生という役職を持つ解放戦線の一員だ」

「役割のひとつは、こうして新たな抵抗者に真実を伝えて警告することだ」


「そう、警告が主目的だ。君に解放戦線に加わるよう強制はしない」


「ただし、強い“記憶”を手にしてしまった君は、今後ヴィジョンという現象に巻き込まれていくことになるだろう」

「その時は我々を信じて頼ってほしい」

「必ず力になると約束する。君が過去の“記憶”に飲み込まれてしまわないように」


「もちろん、今すぐに我らの一員になることを決めてくれてもいい」

「ただ、これから話すことをよく聞いて、自分の意思で決めてほしい」

「強大なリベレーターズとの戦いに身を投じるのは、ヴィジョンに怯えながら暮らすよりも過酷だからね」



「ヴィジョンとは何かって? そうだな、そこから伝えよう」

「さっき言ったように、地球の持つ歴史の“記憶”が漏出したものがヴィジョンだ」

「地球の見る夢だと言う者もいる」


「地上の一定の範囲に過去の一場面が再現されてしまう」

「例えば、君の住む街にフランス革命のパリが再現されるかもしれない」


「これは夢まぼろしの類いだが、銃弾に当たれば君は実際に死ぬし、断頭台で処刑されて死ぬかもしれない」

「それだけじゃない、君の中には新たにフランス革命当時を生きた誰かの“記憶”が植え付けられる」


「周囲を見渡せばそこは革命の混沌に燃えるパリだ」

「君にはその当時の“記憶”がはっきりとある」

「気を強く持たなければ君は過去の人物に乗っ取られてしまうだろう」



「ヴィジョンは概ねリベレーターが引き起こす」

「ヴィジョンを悪用すれば歴史を改竄することができるからね」


「カタストロフを誘発させることもある」

「連中はいくつもの組織に分かれて争っているから、敵対組織に打撃を与えるために天変地異を利用するんだ」


「人々が巻き添えになっても奴らは言うだろう、必要な犠牲だったってね」

「人知れず街ひとつなくなって、誰もそれを認識できない、そんなこともあるんだよ」


「我々解放戦線の主要な活動はカタストロフの発生を未然に阻止することだ」

「もちろん、可能なら歴史の改竄も防ぎたい」


「我々はこれまでにいくつもの災厄から人々を守ってきた。人知れずね」

「と言っても、解放戦線はまだ若い組織だ。創設は1999年」



「解放戦線はインターネットを通じて生まれた」

「抵抗者ははるか昔から存在したが、なにせリベレーターズはあまりに強大だ」

「抵抗者が集まろうものなら、すぐに潰されてしまう」


「だが、普及したばかりのインターネットはリベレーター組織同士の牽制のお陰で色々と穴があった」

「その隙に乗じて抵抗者がひとつにまとまることができたし、その後も活動を続けられている」

《人類解放戦線》は匿名掲示板で誕生したんだ」


「そうそう、解放戦線には役割の別はあっても上下関係は無い」

「私は先生と呼ばれているが、何らかの権力を持っているわけじゃない」


「リーダーもいるが、解放戦線の方針を定めるだけで、それに従うかどうかは個々のメンバー次第だ」

「つまり、君の決定は君の意思ですべきだということさ」

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作:泉井 夏風