アブストラクト

アブストラクト

桂 利行(東京大学):Kummer surfaces and quadratic line complexes

3次元射影空間$P^3$の中のline全体は$P^5$の中の 非特異2次超曲面$G$(Grassmann多様体)で パラメトライズされる. Kleinは19世紀後半, 複素数体上において もう一つ2次の非特異超曲面$Q$をとり, $G$と$Q$のなすpencilを考えることによって, 種数2の代数曲線$C$, そのJacobi多様体$J(C)$, それからできるKummer曲面$Km(J(C)$ を巡るlineの織りなす美しい幾何学を見出した. この理論は標数が3以上の代数的閉体上でも成り立つものであるが, 標数2では状況が異なり独特の幾何学が展開できる. この講演では, Kleinの古典的な理論の解説から始めて, 標数2では状況がどのように異なるかを説明し,  標数2において 得られた理論を紹介する. 金銅誠之氏との共同研究である.