*2024/09/13にresearchmapに掲載した記事を移転しました。
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現在、オランダのUniversity of Twenteという国立大学でVisiting. Ph.D. Researcherとして研究滞在をしています。5月の渡航からちょうど4ヶ月程度が経って現地の生活にもすっかり慣れ、毎日の新鮮さも一段落?するとともに、今住んでいるオランダについて、また海外に住んで研究をするということについて、日本との比較も含めて色々と考えることが多くなりました。
私自身以前の投稿に書いたように、在外研究を計画する段階ではいろいろな体験記を読み漁り、時には同じ大学に滞在した経験のある研究者の方にメールでお尋ねするなど、先達の経験に大変助けられました。このページが検索にヒットする…かどうかは分かりませんが、オランダで、あるいは他の国での在外研究を考えられている方の何かしらの参考になればと思い、滞在中に感じたことを残しておこうと思います。私の実感を思いついたものから書いていこうと思いますので、どうしてもまとまりのない内容になってしまいますがご容赦ください。
オランダの暮らしやすさ・楽しさ
海外での生活はこれまで経験がなく、渡航前は漠然としたイメージすら湧かないままにどうにかなるだろう、という程度にしか考えていませんでした。渡航して間もなくの頃はもちろん色々と慣れないこともありましたが、慣れてみるととても暮らしやすい!というのが、4ヶ月経過時点での実感です。
その1:大抵英語でどうにかなる
まず何よりも、非常に多くの人が英語を難なく話すため、日常生活で意思疎通に困ることがほとんどありません。大学はもちろん、市役所、スーパー、鉄道、ドアの修理、お店で会った人……などなど。若い世代を中心に相当流暢な人も多く、自分の英語の足りなさを実感することもしばしばです。日常生活の範囲内で現地語でのやり取りが求められず、大抵のことを英語で済ませてしまえるのは、現地語の習得に割くことができる時間に限界がある短期滞在者にとっては大きな暮らしやすさです(裏を返せばオランダ語を勉強する必要に迫られず、意識的に頑張らないと上達しないということでもありますが)。ただ、「隣の市街地に行くと通じないことが増える」という話も聞いたことがあるので、街によるのかもしれません(実際にショッピングモールの軽食店で一度経験しました)。
その2:日常的な移動が自転車で快適にできる
オランダと言えば?の典型的なものかもしれませんが、自転車での移動がとても快適です。坂もほとんどなく、多くの道に自転車レーンがあるため、大抵の移動・用事を自転車で快適に済ませることができます。私の住んでいる街にもバスはありますがそこそこ運賃が高いため、よほどの雨でない限りはほとんど自転車で移動しています(まれに急な雨に当たり、びしょ濡れになりながら漕ぐこともありますが…)。
便利なことに、Swapfietsというサブスクリプションのサービスもあり(1ヶ月€20~)、自分の自転車を購入するまでのつなぎとして使うことも、滞在中使い続けることもできます。無料修理を受けられることや、自分の自転車を買った場合の盗難リスクや売却できる価格を考えるとなかなか絶妙な価格設定で、私の場合は結局帰国まで使うことになりそうです。
その3:果物(・ビール)の安さ
食事情にはその国その国の特徴がありますが、日本と比べてオランダのスーパーで最も特徴的なのは果物の安さです。広告の品であれば、ぶどうを1kg€2.5、桃を1kg€3ぐらいで買うことができますが、日本では中々考えられない値段です(果物が安いスーパーの広告)。普通の値段であっても、例えばりんごの場合最も安いものであれば1個€0.4程度で手に入ります。また、ビールの種類が豊富かつかなり安いです(大手メーカーだと1缶€0.8~€1から)。もちろん逆に高いものもありますが(肉・魚は全般的に安くはありません)、こればかりは現地の感覚に合わせるしかありません。ただ、値引きや安売りを狙ったり、冷凍のもの(魚も十分美味しいです)を使ったりすれば、食費を抑えつつ充実させることもできます。欧州は全般的に物価が高いイメージがありますが、自炊が好きな人であれば日本と比べて跳ね上がるということもないのではないか、というのが実感です。
その4:鉄道が便利
その2で挙げたように大学の近くに住んでいると毎日使うわけではありませんが、週末に日帰りの遠出をする際には電車がとても便利です。普通運賃だと割高な電車ですが、複数のサブスクリプションが提供されています。中でも週末乗り放題は1ヶ月€35と破格です(2時間ぐらいの距離を1往復すると元が取れる値段です)。アムステルダムなどの大都市だけでなくいろいろな街を見ることができるので、出かける際には重宝すること間違いありません。
以上4つ、個人的にオランダで暮らしやすいと感じるポイントを挙げてみました。渡航直後は日本と全く違う環境に慣れないことばかりでしたが、生活に余裕が出てくるにつれて、現地の良いところを発見できるようになりました。いろいろな面で違う国の良さを知ることができるのも、まとまった期間の滞在ならではだと強く感じています。
北部Leeuwarden(レーワルデン)の運河