宇宙測地技術、特に合成開口レーダーとGNSSを用いて、大陸地殻の変形過程を調べている。また、連続体力学に基づく数値シミュレーションを用いて、変形メカニズムを定量的に調べている。私は山が好きなので、その形成過程に関する物は何でも研究ターゲットとなりうる。もともと地震学系の研究室の出身であるが、弾性波動ではなく、地形形成の主役である非弾性変形が好き。特に、局在化した非弾性変形は地形形成の素過程であり、宇宙測地技術がダントツで有利なこともあり、現在の研究の中心である。また、私は地質学や地理学も好きで、検出したものの価値付けにおいてはこれらの知識を総動員している。歪の集中が発生する原因は、とにかく不均質だからである。では、その不均質構造はどうして存在するかということを、地質学の研究者と議論しながら研究を進めてきた。大昔に形成されたものが、今現在の地殻の変形運動を規定していることが、問題に深みを与えている。また、侵食・堆積といった外作用と内作用の相互作用についても数値シミュレーションをもとに研究を行っている。これは気候変動と地形形成のリンケージを探る研究で、非常にエキサイティングである。
今後具体的なことを書き足す予定